さて、昨日の続き。白いBMW(5年落ち中古車)を買った日から憂鬱が始まった。この車を買わせずにもっと地味な車にすれば良かった、と毎日ため息が出た。一体何のためにこの車を買ったのか。まともな人間を育てるためには、もっと地味な車を買うべきだったのではないか。毎日毎日延々と堂々巡りをする。
次男は嬉々としてマニュアル車の運転の練習をする。車高を低くする。マフラーを2つにする。その他私にはわからない所を改造する。そのために次男はアルバイトを始めた。エンジニアの事務所、アイスクリーム屋さん、ラクロスのコーチなどなどお給料は全て車に消えて行く。車仲間も増えてどんどんネットワークが広がって行く。が、車を改造するのは暴走族、という印象しかなかったので見ているだけで憂鬱だ。
修理中 |
ある夜ガレージの外に停めていた車全体に、誰かがイヤらしい絵と文字を鍵を使って彫り込んだ。警察に届け犯人が見つかったが、修理代は6千㌦だった(犯人の親が負担)。
サンノゼから車で5時間ぐらいの所にある大学を卒業して、22歳の次男はサンノゼに帰って来た。アメリカにはコミュニティカレッジというものがあり、高校の成績が悪くてもコミュニティカレッジでいい成績を収めれば、4年制大学に3年生から編入できるのだ。次男はその2年間で大人になっていた。親を気遣い、家のことを進んでする。ティーンエイジャー時代の、反抗的な態度が信じられないぐらいの成熟だった。
サンノゼではレンタカーの営業所に就職した。ブートキャンプと呼ばれる会社だ。朝7時から夕方7時までランチ休憩をする時間もない職場で12時間働く。日曜日だけが休み。お給料は最低賃金に近い。
スーツとネクタイはマスト |
ここでコミュニケーションスキルを磨いていった次男は8ヶ月後に転職した。今度は車には全く関係ない職場だ。ここで1年1ヶ月仕事したあと、今年の5月にまた転職。3つ目の職場だ。シリコンバレーでは若い世代が次々と転職していく。3ヶ月働いただけでよりよい条件を提示されて転職、そこでも5ヶ月働いたあと転職などという履歴書はざらにあるそうだ。
犬を連れて来てもいい という会社も多い |
学習障害と言われるほど勉強のできなかった次男。少しでも成績がよくなると、褒めまくったことも社交性を作ったのかもしれない。なにしろ親としては褒めることしかできなかったのだから。BMWを買ったことはいい結果も産んだ、と今は信じたい。
いい加減子離れするべきなのはわかっているが、長男のことはもっと心配だ。現在の会社での待遇がとても悪い。今年の夏には転職する、と宣言するのだが、その根拠はどこにあるのか。長男はもっとコミュニケーションスキルを磨く必要があるだろう。
母の日のプレゼント Happy Mother's Dayも言わず 『ん、チョコレート』 |
シアトルからのお土産 『ん、スーベニア(souvenir)』 |
単語でしかしゃべらない長男に転職のチャンスはあるのか。