深い霧の中にたたずむゴールデンゲートブリッジがまた美しい。世界で一番写真が撮られる橋なのだそうだ。が、その美しい橋には悲しい歴史も刻まれている。
Marin Headlandsから撮った日の出 |
ここは自殺の名所でもあるのだ。77年間にここから飛び降り自殺をしたのは、わかっているだけでも1600人以上。その数は年々増えて行き2013年だけで46名が飛び降りた。橋の道路から海面までは70㍍で、飛び降りた人は4秒後に水面に時速120kmで激突する。
これはBaker Beachで撮った写真 |
1979年、私がこちらで大学の寮に住んでいた時、ルームメイトの親友がゴールデンゲートブリッジから飛び降りた。この友人は飛び降りる3時間ほど前まで私たちの部屋に来て、3人で楽しく話していたのだ。こうして飛び降り自殺をする人は衝動的に実行すると考えられ、自殺を防ぐためにスチール製の安全ネットが張られることが今年の6月に承認された。
費用は$76million、つまり78億円ちょっとだ。自殺をする人は防止するためのネットが張ってあろうとなかろうと、何らかの形で実行するものだという意見が多く、このプロジェクトは1980年代から宙に浮いたままだった。
特に北行きは数マイルの渋滞 |
やっとゴールデンゲートのプロジェクトが着工されることになったわけだが、『美観を損なう』と人々の反応は冷たい。自殺をしたい人にはさせればいい、安全ネットのために大金を投じる必要はない、という意見が多い。しかし飛び降り自殺を制止された515人のうち、追跡調査によれば後に自殺したのは6%ぐらいらしい。
これが安全ネット |