2014年8月10日日曜日

ゴールデンゲートブリッジ

ゴールデンゲートブリッジは77年前に、マリンカウンティとサンフランシスコを結ぶ橋として開通した。日本から帰って来る時飛行機の中から見る橋は、ターコイズブルーの水の上に鮮やかな赤い姿がまるで絵のようだ。

深い霧の中にたたずむゴールデンゲートブリッジがまた美しい。世界で一番写真が撮られる橋なのだそうだ。が、その美しい橋には悲しい歴史も刻まれている。

Marin Headlandsから撮った日の出

ここは自殺の名所でもあるのだ。77年間にここから飛び降り自殺をしたのは、わかっているだけでも1600人以上。その数は年々増えて行き2013年だけで46名が飛び降りた。橋の道路から海面までは70㍍で、飛び降りた人は4秒後に水面に時速120kmで激突する。

これはBaker Beachで撮った写真

1979年、私がこちらで大学の寮に住んでいた時、ルームメイトの親友がゴールデンゲートブリッジから飛び降りた。この友人は飛び降りる3時間ほど前まで私たちの部屋に来て、3人で楽しく話していたのだ。こうして飛び降り自殺をする人は衝動的に実行すると考えられ、自殺を防ぐためにスチール製の安全ネットが張られることが今年の6月に承認された。

費用は$76million、つまり78億円ちょっとだ。自殺をする人は防止するためのネットが張ってあろうとなかろうと、何らかの形で実行するものだという意見が多く、このプロジェクトは1980年代から宙に浮いたままだった。

特に北行きは数マイルの渋滞
今朝West Valley Collegeのファーマーズマーケットの帰り道、歩道橋から飛び降りようとする女性のために高速道路85が閉鎖された。警官が数人で女性を説得しようとしているのが見えた。女性はお酒らしきものをラッパ飲みしながら、橋から飛び降りようとしているように見えた。その顛末は知らないが、あそこから飛び降りても死ねないのではないか。かなりの障害が残るだけではないか、と心配になった。

やっとゴールデンゲートのプロジェクトが着工されることになったわけだが、『美観を損なう』と人々の反応は冷たい。自殺をしたい人にはさせればいい、安全ネットのために大金を投じる必要はない、という意見が多い。しかし飛び降り自殺を制止された515人のうち、追跡調査によれば後に自殺したのは6%ぐらいらしい。

これが安全ネット
個人的にはやはりネットは必要なのではないか、と思う。