水曜日に一緒にランチを食べた友人Cの話を思い出す。Cは2ヶ月前から仕事を始めたところだが、もう辞めようかと思っているそうだ。Assembly Line(ライン生産方式)でサンドイッチを作っているCは、以前フルタイムでオフィスの仕事をしていた。その会社をリストラされたあとは子育てに専念していたが、夫を2年前に亡くしてまた仕事に戻ることにしたのだ。
50代半ばのCに仕事はなかなかない。Sweatshop(スウェットショップ)というのは悪条件、低賃金での労働でよく問題になるが、話を聞くとAssembly Lineもそれに近いものがある。
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水曜日に行ったレストラン
ランチは8〜11㌦ |
ライン生産方式なので、最初の従業員がパンを用意し、次の従業員がマヨネーズを塗り、次の従業員がハムを置き・・・というように進んで行く。Cの仕事は一日中立ちっぱなしで、朝は4時起きで行かないといけない。だが、それだけならCも我慢する。Cがどうしても耐えられないのは、作業場が冷蔵庫のように寒いことだ。
これからどんどん寒くなる。冬に冷蔵庫のような部屋でサンドイッチを作るのは寒がりのCには無理だと言う。それも時給は最低賃金の10㌦だ。
Cは言う。ここで働くようになって格差社会を目の辺りにした、と。ここには移民が多く、皆生きるために働いている。Cはどうにか生活ができるほどのお金はあるし、いざとなったら持ち家を売ることもできる。同じラインで働いている人たちに、自分がこういうレストランで外食している姿は決して見せられない。そう思うほど、彼らは貧しいのだ。Cは生きるためには働かないといけないのだ、という親の姿を子供たち(23歳と20歳)に見せたい、とも言う。
それはいつも私が思っていたことだ。子供は親の姿を見て育つ。母親の働いている姿を殆ど見たことがない我が家の息子たちに対して恥ずかしい、という気持ちがいつもある。
だから、プロジェクトに精を出すことにした。生きるために働くわけではないが、親が熱心に作業をしている姿を見せるのだ。我が家をスウェットショップにして、キルトを作るのだ。今使っているキルトは端がボロボロになってしまっている。この☞eBayで29㌦で買ったDKNY Pureのキルトは、生地がとても柔らかく気持ちいいので捨てられない。だから、何度も繕って長い間使った。でももう限界が来ている(数年前に)。
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もうこれ以上繕いようがない状態 |
新しいのを作ることにした。近所の布のお店に行く。
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ビーズは日本の物の方が数倍美しい |
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広い床面積のお店 |
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余りにも種類が多く布を探すのも大変 |
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カーテン用など装飾用の布は種類が多い |
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無地や柄物など、これ全部フリース |
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100%綿の中綿を見つけた |
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白い布がほしいのだがジャージ系が多い |
白い柔らかい布がほしいのだが、余りに種類が多くてお店を何度もぐるぐる廻る。ガーゼのような布がほしいのだが、ガーゼというのは英語でどう発音するのだろう。歩きながらiPhoneの辞書で調べると、どうもガーズというように発音するらしい。ちょっとむずかしい発音だ。店員さんにわかるだろうか。ガァーーーズはありませんか、と店員さんに聞く。一応通じた。
ガーゼはないらしい。一番柔らかくて薄いのはこれ、と教えてくれたのはコットンサテンの布だ。114㌢幅がヤード(90㌢)$6.99。中に入れる綿 (batting) もフェルト状の一番薄いものを見つけた。これは228㌢幅で綿のものはヤード$10.99。だが、一体どのくらい買えばいいのかよくわからない。家で計算してから出直すことにした。
作りたいのはこの日本で使っているキルトと同じもの。これはMacy'sで10年以上前に買ったDKNYのキルトだが、細かいステッチは手作業だろう。確か100㌦ちょっとで買ったと思うが、膨大な時間がかかったとしか思えない細かさだ。これも余りにも重宝しているが、古くなって来たので同じものがほしい。よし、これを新しいプロジェクトにしよう。
これからしばらく、息子たちは母が熱心に働く姿を見るだろう。
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そして途中で挫折する姿も |