2014年10月8日水曜日

オヤカタ

『親の家の片付け』が中高年を悩ますテーマだという読売新聞の記事を読んだ。



略してオヤカタだそうだ。



我が家でもオヤカタを数年続けている。

現在の地下室の状態



父が在宅していた頃は何も捨てられなかった。



何かを捨てると『あれを捨てたんか』と延々と愚痴るからだ。



7万円もしたのに、と価格までよく覚えている。



15畳の地下室を、不要品で天井までいっぱいにしていた。



いや、不要品ばかりではなかった。



新しく買った麻のお布団などもあったが、父が独自の整理の仕方で地下室に入れてしまうので、必要な時には見つけることができなかった。



そしてそれらは去年全て捨てた。



地下室には今本といくらかの物があるだけだ。



その地下室にネズミのフンがあると思って、先週ネズミ駆除の業者に来てもらった。



結果ネズミのフンと思っていたものは虫の死骸だった。



それでも11月からはネズミが出始める可能性があるそうで、これから半年間ネズミが出ないように囮を置いたり、穴を塞いだりしてもらうことにした。



これが6万円。



最初のひと月は毎週来てくれる。



その後は隔週。

1階和室の天井裏を
調べる業者


その時地下室のフローリングの床にシロアリのダメージがあることがわかった。



近所の建築事務所のIさんに来てもらい、見てもらう。



2階のバルコニーの屋根を新しく付け替えてもらうことと、不要になったテレビのアンテナを除去してもらうになっていたので、ついでに修理を頼むことにしたのだ。



バルコニーとアンテナはそれぞれ36000円と12000円。



税込みで5万円にしてもらった。

新しい2階バルコニー屋根



こうして古い家はどんどん修理が必要なところが出て来る。



次はお風呂場が心配だ。



もうタイルは古いし、ユニットバスではないので寒い。



近いうちにリフォームが必要になるだろう。

コンクリート壁は10㌢以上の厚みがある
これを復元しないといけない


去年夫が日本に来た時、地下室の素人工事部分を除去する必要があると言っていたのだが、Iさんも同じ意見だ。



前の住人がくりぬいたRC部分が余りにも大きいので、耐震性に問題がある。



元通りにはできないが、コンクリートでくりぬいた部分をもう一度元に戻すことにする。



フローリングは全て取り除き、新しい床にする。



コンクリートの壁を作る時、地下室に入れるようにドアをつける。



ガラスに金属格子の入ったものにして、部屋として光を取り入れながら使えるようにする。



地下室の裏にある木は全て伐採してしまい、そこを庭にする。



あるいはデッキにする。

現在の地下室と裏庭


これは百万円ぐらいかかるのではないか、と予想している。



もしかしたらもっとかかるかもしれない。



この家にこんなにお金をかけるのが妥当かどうか、などと考え始めるとリフォームはできない。



仕方ないのだ。



今はそのプランを進めて行くしかない。



何故なら以前の住人が付け加えた部分は余りにもずさんな素人仕事で、いつ崩れて崖下の人に迷惑をかけるかわからないからだ。



リフォーム後はこうなる


父がどこか他の施設か病院に移る可能性はまだまだある。



京都か関西地域で有料老人ホームを見つけるか、青梅慶友病院に入院させてそばに家族が住むか。



これからどういう額のお金が必要になるかはわからない。



それでも、父が生きている限りはこの家をなんとか維持したい。



一番悲しいのは、裏庭を作ったりデッキを作っても、父はもうそこには行って楽しもうとしないことだ。

身辺の事象に関心を失いつつある父