2022年9月3日土曜日

老後はどこ?議論再燃 12 ドーナツ

これからのことを考えると、どうも暗い気分になる。



夫の退職日まであと8日。


カウントダウンに入った。


10月1日からは一切の歯科保険がなくなる。


なのに突然左奥歯にあるブリッジがなんとなく痛み始めた。


ということは、9月中にブリッジを治療を終えたい。


費用は$2K(1本の治療費)x3で$6K。


今年はもうクリーニングで$500使っているので、保険会社からの払い戻し(年に$1500がMAX)は$1000しか見込めない。


つまり、ブリッジ1つで$5Kの支払いになる(今日の為替相場だと70万円)。



が、こんなことはなんでもないのだ。


先日Kみさんが送ってくださったリンク、そしてビデオを見て、まずは健康でいることが一番大事だと改めて思うようになったからだ。


リンクは関本剛医師についての記事だ。


肺がんが脳に転移していた関本剛医師は、亡くなる1ヶ月前まで緩和ケア医として患者と関わった。


ビデオはこの関本医師が生前作った、自ら周りの人たちにお別れを告げるためのものだ。


ビデオの中で関本医師は、同じ緩和ケア医として終末医療に関わった母親(日本ホスピス在宅ケア研究会理事を務め、緩和ケアの先駆者として知られるのことには触れず、残して行く妻子のことのみを心配している。


当然のことだろう。


記事には、この母親雅子さんへのインタビューが含まれている。


亡くなる直前に容態が急変して入院した息子に、雅子さんがこうささやく。


表情はとても穏やかよ。おうちへ帰ろう。(脳腫瘍の進行により、人格に大きな変化があること患者もいる。)


これを読んで少し気持ちが揺れた。


関本医師は、妻子のことが一番心配で、彼らの事ばかり考えていただろう。


とはいえ、この母の言葉には大きなやすらぎを見出したのではないか。


私だって、息子たちが母親ともう話は合わないと思っていることも、彼らにとって妻子が一番大事な存在だということはわかっている。


彼らは夫として、父親として、今後自分の人生を切り開いていくだろう。


もう母親の出番はない。



が、もしかすると自分に無条件の愛を注いでくれる母親の存在は、それなりに支えになるものなのかもしれない。


そう思うようになった。


では、私が日本に移住してしまったら、彼らとはどう関わっていけるのだろう。


近所に住む必要はないかもしれないが、年を取った自分が息子たちの役に立つこともあるとしたら、どういう形で役立てるのだろうか。


距離は全く関係ないのだろうか。


もう30代の息子たちのことを、こうして考えること自体おかしいのだろうが。



さて、昨日(木曜日)次男の家に行くと、台所のグッチャグチャのカウンターの上にドーナツの箱が置いてあった。



火曜日からあったから、もう捨てるものかなと思って中を見ると・・・


私の好きなオールドファッションドーナツが一つだけ残っている。


これは?と次男に聞く。


あ!お母さんが食べるかなと思って月曜日の朝買ったんだけど、忘れてた!だって。


そうか、ドーナツを買う時、母親が好きなオールドファッションドーナツを一つ買っておこう、というぐらいの気持ちはあるんだな。


(そのことを忘れたとしても!)


心の中にちょっとだけ火が灯る。


買って60時間近く経過したドーナツ。

食ったがな

4 件のコメント:

  1. 老後はどこ?シリーズ、私もずっと悩んでいるので毎回待ち遠しく拝見しています。
    本帰国の決意ができず、ズルズルしているうちに動けなくなったらどうしよう!、日本の小さな家にはとても入りきらない荷物をどうしよう、と悶々とする日々です…。

    ところで歯科治療の件ですが、私は日本に行く度に10割払って日本で治療しています。
    保険証がなくても全額払えば治療してもらえるし、それでも海外よりずっと安く済む気がします。事前に治療に何日かかるか確認して予約し、チケットを取るようにしています。
    もし次回の日本滞在でお時間に余裕があるようでしたら…。

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    1. ひんひんさん、
      シリーズ始めたら、色々考えることが次々と出てきて、やめられません^^
      でも待ち遠しいと言ってくださって嬉しいです。ありがとうございます!
      私もひんひんさんと全く同じ思いです。決意ができず悩んでいるうちに動けなくなること、日本では例えば旅行用のスーツケースを置く場所もないのではないか、と悩んだり。
      あとは保証人ナシで賃貸ができるのかどうか、とか。

      歯科治療全額負担でも日本の方が安いですか。こちらの歯科医はもう35年の付き合いなので、保険がなくなったら少しディスカウントをくれるのではないか、と期待しているのですが、甘いかな?日本でかかる費用をちょっと調べてみますね。
      教えてくださってありがとうございます!

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  2. ふふ、ドーナツ食べたんですね。
    オールドファッションって外側がカリッとしてるから、少々時間がたってても美味しかったでしょう😊

    歯科も含めてアメリカの医療費ってバカ高いですよね。聞いたところによると保険会社から値引きされることを見越しての請求額だそうなので、保険のない患者さんには専用のレートがあるのではないかと思います。というか、そうあって欲しいです!!

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    1. akikoさん、
      もちろんドーナツ食べましたよ!
      日本でも時々ミスタードーナツのオールドファッションを食べますが、2日や3日たっていても平気です^^;

      akikoさんの歯科医の請求額のからくり、わかります!そういえば、保険がない場合は2割引にしてくれる、と以前歯医者さんに言われたのを思い出しました。そうかあ。専用のレートがあるのか。納得。なんだか左の歯だけでじゃなく、今日は右の方も痛くなってきました。
      精神的なもの?あ〜、やだやだ(;_:)

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