やはり妻たちは夫の引き出しの少なさに悩んでいる。
それもその引き出しは小さくて何も入らない!ということだ。
改めて引き出しを多く持っている上、その引き出し一つ一つが大きい女は偉いのう、と感心しているところ。
夫婦というのは男女の性差もある上、違った環境で育った人間が一緒に生活を始めるのだ。
最初はお互いの引き出しには何が入っているんだろう、と好意を持って手探りする。
結婚生活が長くなっていくに従って、その引き出しに何が入っているかなんてどうでも良くなってしまう。
とはいえ、子育て、介護、仕事の悩みが増えてくると『なんであなたの引き出しにはxxが入っていないのかなあ。』と腹を立てたりするが(これは主に妻の側)。
とはいえ、私もそろそろ夫に対する認識をリセットしないといけないんだと思う。
長年の介護往復を文句も言わず見守ってくれた夫の引き出しの数が3つぐらいしかなくても、それに対して腹を立てるのは自分を不幸にするばかりなのだろう。
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6月9日。夕方父を訪問し村田さんに父の様子を聞いたら、夕食は少しだけ食べたということ。
朝食は大分食べた。
お昼は食べずエンシュアも一旦飲んで、全部吐き出してしまった。
姉がエンシュアを飲ませるとコップ半分ぐらい飲み、ソフトクリームを2口食べた。
歌を一緒に歌いじゃんけんをする。
父が祖父(自分の父親)と母のことをどうしているか、と聞く。
姉がいつも通り祖父は50年前、母は5年前に亡くなったが、父は92歳でも元気だしあと5年ぐらい生きたら、あの世で皆に会うのもいいかもね、と話す。
その時父が言ったことは姉を驚かせた。
今まではこれからまだまだ長生きするね、と言うと喜んでいた父。
この日初めて父は、『もう生きる気力がない』と言ったのだ。
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その夜姉から来たメールには、予約が取れれば早く帰った方がいいかもしれない、と書いてあった。
その夜姉から来たメールには、予約が取れれば早く帰った方がいいかもしれない、と書いてあった。
死ぬのは時間がかかるかもしれないけど、2週間後には弱っているかもしれない。
なんとも言えない、と。
メールが来たのがアメリカの木曜日の朝。
歯医者さんは金曜日が休み。
歯医者さんに電話して月曜日までにブリッジを急いで作ってもらうか、それが無理なら仮歯が取れた時のためのセメダインをください、と頼む。
そして火曜日のフライトを予約した。
このころのことを考えるととても苦しい。
姉が父を訪問する頻度を週3から週2にし、そして週1にした頃から父の体力や気力は低下していったように見える。
もしかしたらそうではないのかもしれない。
かといって、長年介護を続けた姉を責めるつもりは毛頭ない。
それなら私が5月にあのまま日本に残っていれば良かったのだ。
姉もその頃のことを考えては、父の死後つらい思いをしたようだ。
と、こういうことを女友達とはいくらでも話せる。
なにしろ女には共感力があるから、友人と話す時も『そうよねえ。本当によくxxしてあげたね。そういえば私にもこういう経験があるわ。』とその引き出しの奥から色々と出してきてくれて、会話がはずむ。
それに比べて、男たちは集まってもつまらん会話をしているではないか。
スポーツ、投資、不動産、スポーツ、スポーツなどなど。
男は妻と共通の引き出しを持っていなくても、共感する力を養わなければいけない。
女は過去の記憶・経験・自分の思い・弱みをさらけ出して、会話を弾ませることができる。
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