2013年6月19日水曜日

そして日本

やはり関空までのフライトは長い。それでも今回は前日の予約変更だったので、飛行機は満席でビジネスクラスしかない。緊急事態のためにビジネスクラスが取れるマイレージは取りおいているので、今回はそれが役に立った。


まず100人以上の団体で乗っていた子供の一人が余程嬉しかったのか、酸素マスクを引っ張りだしてしまって、出発が1時間以上遅れた。待つというのは疲れる。やっと修理が終わったが、離陸許可が降りるまで待つ。その後離陸順は9番ということで延々と待たされた。

やっと離陸。すぐ夕食が始まる。機内食も充実していて、全部食べてしまった。普段ビジネスに乗れるわけではないので、こういう時は意地汚く食べてしまうのだ。デザートのチーズとアイスクリームまで食べたらお腹はパンパン状態。朝食は食べることができなかった。






空港からはMK空港シャトルという乗り合いタクシーに乗ったが、7人で満席。これが疲れた。足を伸ばしたいが1時間半伸ばす事ができない。家に帰った時は食事する元気もなくすぐ寝た。

実はこの時姉は父に付き添って森先生に緊急で診察を受けに行っていたのだ。いや、厳密に言えば老人ホームが父の状態に対処することができなくて、急遽森先生のいる病院に父を連れて行ったのだ。父は幻覚を見るようになった。ホームの職員がぐるになって自分をだましている、脅していると言うようになったのだ。だから、職員とは一緒にエレベーターに乗ることもできない。一緒に乗ると中で殺されると思うらしい。

姉は診察のあと父をホームに連れ帰り、その後落ち着くまで一緒にいた。帰って来たのは夜10時を過ぎていた。幻覚の原因は一体何なのか。月曜日にスタッフが父を病院に連れて行った時、森先生は父に穏やかに話をした。それで父は落ち着いた。ほら、薬は飲まなくても、こうして穏やかに話しかけてあげれば落ち着くんですよ、とスタッフに説明したが、スタッフはそこまで時間をかけることはできません、と言う。

仕方なく森先生は薬を処方した。しかしその薬は効かなかった。今日、水曜日先生は仕方なく薬の量を増やした。足がふらつくようになるから、充分気をつけてください、と付け加えて。診察後ホームに9時過ぎて帰った父には夕食がなかった。8時には捨ててしまうそうだ。抵抗する父を車に載せて帰って来た姉はコンビニに行くこともできなかった。その間に父が車から逃走する危険性があったからだ。

かわいそうに。長い一日を終えた父は疲れ切っている。なのに夕食もない。姉はバナナとお菓子を父にあげた。疲れ切った父はそれだけ食べた。その夜はいつホームから電話がかかってくるかもしれない、と洋服やバックをベットの脇に準備して、ハラハラしながら寝た。



それにしても、何も食べるものがなかった父に比べて、飛行機でたっぷり苺のかかったアイスクリームまで食べた私は罪悪感を持ってしまう。

ゴメン、父