結局このお店のものは品質的にコストパフォーマンスが良くない、という結論に達してソファと共にキャンセルした。電話口でお店の人はキャンセルできました、と明るく言う。すぐに確認のメールが送信されてきた。
そうすると、お金が儲かったような気になってしまう。返金。よし、このお金で次に何か買えるぞ、と次はキッチンの照明を買うことにした。いつも行くモールにあるRestoration Hardwareというお店に行く。このお店は小さな家庭内の金属部品を売るお店として始まったが、そのうちその高級志向のドアノブなどに人気が出て、どんどん拡大していった。今ではカーテン、家具、照明など家作りをする時に欠かせない商品が売られている。
自分の好きなスタイルでドアノブ、照明、水栓、シャワーなどなど、統一することができるわけだ。10年ほど前にトイレットペーパーホルダーやタオルハンガーなどを買って日本に持って行った。それは京都の実家でまだ使われている。
しかし、モールのお店はなくなっていた。仕方ないのでいつものカフェに行ってコーヒーを飲みながら、他にお店があるかどうか調べた。モールと家の中間地点にあるロスガトスという街に1軒あることがわかった。コーヒーのあと向かう。
ロスガトスは変わっていた。新しいお店がたくさんできて、古いダウンタウンというイメ
ージが少し変化して、買い物ができるお店は増えていた。今度姉が来たら是非連れて来ようと思いながら、Restoation Hardwareに入った。とにかくここに置いてあるものはため息が出るようなセレクションで、どれもこれもほしくなる。
照明が家に送られて来るのは来週の水曜日だそうだ。その日は日本に向けてサンフランシスコから発つ日。なんとタイミングの悪いこと。ま、仕方ない。
この灯りがともるタワー。木細工でステキだ。こういうの父が好きだなあ、でももう父は家に住んでいない。父がほしいと言って買うこともないんだなあ、となんとなく物悲しかった。