姉が突然結婚した。
姉の夫となった人は東京出身だが、二人は龍谷大学の公開講座経済学クラスで知り合った。
そして姉は2028年の立春にあっという間に結婚し、あっという間に東京に引っ越してしまった。
なんでも、姉夫はスキー場のチェアリフト、あれを固定するための小さな部品を発明したのだが、今やその部品は世界中で使われているそうだ。
なので、老後のお金はたっぷりある。
というわけで、姉が「あんたにこれあげるわ。」と私にくれたのは、姉が5年前に買った御所南のマンションだった。
え〜っと、東京に住むはずだったのは私なんですけど?
ま、でもただでもらえるならいいか、と私は結局東京ではなく、京都に住むことになった。
さて、このマンションがなかなかいいんである。
というのは、天井の高さ制限ができる前のものなので、天井が最近のものより20cm高い。
とはいえ、50㎡ちょっとの床面積に寝室が2つあるので、リビングルームはソファを置くスペースもないぐらい小さい。
つまり、物を持つな、人生の整理を始めろということなのだと考える。
それもいい。
数少ない息子たちの思い出の品は彼らにあげた。
捨てるなりなんなりしてくれれば良い。
私には、いくつかの食器、鍋、そして小さなテーブルと椅子さえあれば充分。
実は10代の頃、ここから歩いて2分のところに住んでいた。
そしてその家から歩いて3分のところには、梶井基次郎の詩「檸檬」で有名な八百卯があった。
その店の前を通る時は、いつも店主の姿を確認し、この人が梶井基次郎にレモンを手渡したのだろうか、とドキドキしながら歩いたものだ。
河原町蛸薬師にある丸善に行き、そのレモンをこのお店のどこの書棚に置いたのだろうか、と物思いにふける乙女であった。
今から考えると、その店主は年代的に檸檬に出てきたその人であるはずがないのだが。
それから50年以上たってまたこの地域に戻ってきて、ここが最後の家になるだろうと思うと、とても感慨深い。
京都の街ナカの通りは碁盤目状で、私は京都の街ナカを歩く時、頭の中でいつも唱える。
まるたけえびすにおしおいけ(丸竹夷二押御池)
あねさんろっかくたこにしき(姉三六角蛸錦)
しあやぶったかまつまんごじょう(四綾仏高松万五条)
せったちゃらちゃらうおのたな(雪駄ちゃらちゃら魚の棚)
ろくじょうひちじょうとおりすぎ(六条七条とおりすぎ)
はちじょうこえればとうじみち(八条こえれば東寺道)
くじょうおおじでとどめさす(九条大路でとどめさす)
姉(イヤ、私)のマンションはこの「京の通り歌」1行目にある、つまり丸太町通から御池通の間にある。
この碁盤目の道は中は全部一方通行で、マンションの前の南北に走る道は、南向き一通。
なので御池通から車の通り抜けに使われにくく、静かだ。(御池通の渋滞を抜け出すために、東行き車線の車は北向きの道に抜ける事が多い。反対に西行き車線の車は南向き一通道に抜ける。)
動ける間は日本でよく歩き、健康でいたい。
ちなみに、下記は私がよく行くところである。
30分以上かかるところは、帰り道地下鉄かバスで帰ることが多い。
徒歩の場合の所有時間をリストアップしてみる。
- 烏丸御池駅 6分
- 京都市役所前駅 6分
- 京都駅 39分
- 三条京阪駅 17分
- 御所 7分
- 錦市場 12分
- 平安神宮 26分
- 大丸デパ地下食料品売場 14分
- 六角堂 10分
- 鴨川 12分
- 出町柳駅 33分
- 三条商店街 25分
- 花かごベーカリー 14分
- 満寿形屋 30分
宇治上神社は、何も主張しないのに、なんとも言えない存在感がある。
この神社も、姉に教わって時々来るようになったのだった。
5歳年上の姉は、私の人生の一番のメンター(助言者、指導者)だったのだなあ、と思う。
が、その姉には夫ができ、それは喜ばしいことではあるが、寂しい。
宇治に行くと、姉が教えてくれた老後一番重要な事を思い出す。
今日もそれが役立った。
「宇治に来た時はな、宇治川沿いにあるこの店を目印に覚えとき。
その向かいにある建物。
あちこちでちゃんとこういうのを知っとくのが、今後のあんたの人生で大事になるんやからな。」
向かいの建物を見て改めて納得した。
こんにちは! みきみぃさん、この妄想老後生活はなんだか本格的なショート小説化してますね。💕👍
返信削除流石読書家ですから、ストーリーの展開もきちんとお勉強されて積み上げられた感じで好きです。
ケイさん、
削除こんにちは!ケイさん、ありがとうございます。でもそれ褒め過ぎです^^;
今できることって読書しかないんですよ。遊びに行くところもないし、珍しい美味しい食べ物もないし・・・
このところ、一時よりは下がったとはいえ、ドル高なのでKindleで本を買いやすく嬉しいです。
とはいえ、今1600円の本を買うかどうか、もうちょっと待つ?と迷っています。
今、後半を読み終えました。。。って、楽しみを少しのこしてあったんです。(笑)人生は何がおこるかわかりませんから、あれだけここにしようか、あそこにしようか迷った挙句、今回のようなことがおきるかもですね。最後の落ちは、とても大切なことです。この界隈だとスーパーとかスタバがあるにはありますが、時々はずれがあります。人材を減らした生なのか小汚いおトイレで結局使うのを諦めたことがあります。といれならどれでもいいのでは、ないんですよね。ここ大切。超きれいなトイレですよね!
削除ケイさん、
削除あはは、長いですもんね〜、私のブログ。楽しみを残したなんて言ってくださってありがとうございます^^
ここのトイレはピッカピカで、設備も良くさすが姉のオススメだけありました。やはり老後の生活では、どこにトイレがあるか、というのが大事ですよね。日本はそれだけでも住みたい国です。アメリカではドアを開ける時ドキドキします。
みきみぃさん、随分前にWiseの件でコメントを入れさせていただいた者です。お久しぶりです。
返信削除本文と関係なくて申し訳ないのですが、ちょっと質問です。Kindleは日本で購入して日本語の本を購入していらっしゃるんですか?
大昔にアメリカのiPodに日本の本を入れようとしたんですが、無理だったんです。良かったらお教えください。
Yさん、
削除お久しぶりです。Kindleは以前使っていたiPadで、アメリカのApple IDで普通に入れることができ、アメリカで日本のアマゾンにアクセスしKindleの本が買えました。が、人によってはKindleがインストールできない、というのもよく聞きます。
去年の6月に日本でiPadを買った時は、アメリカで使うiPhoneやMacbookとは同期せずに、国設定は日本にし、そのiPadだけで使うApple IDを作りました。なので他のデバイスからiCloudに保存しているものはこの新しいiPadでは共有できませんが、日本のアプリを入れることができるようになりました。
ということで、例えば一つのデバイスだけはKindleや日本の他のアプリをインストールするために、居住国日本、言語日本で設定し、Apple IDをそのデバイスだけのために作ることでKindleを使えないのでしょうか。その辺は私もよくわからないのですが、新しいApple IDを作るには日本での電話番号が必要になります。私は姉のを借りています。次回はHanacellでSIMカードを買い、古いiPhoneを日本だけで使うものに設定し、そのSIMで獲得した日本の電話番号を紐付ける予定です。
https://www.hanacell.com/japan/
私自身があまりよく理解できていないので、ちゃんとした答えができなくて申し訳ないです。
うまく設定できるといいですね。
おぉ〜、みきみぃさんの妄想は、お姉様の「熟年結婚」しかも特許をお持ちの義兄という展開で
返信削除棚ぼたで手に入った京都生活とは凄いの一言!(笑)
じかし美魔女姉妹ですし人生100年時代では、あながちありえない世界ではないですね。(^-^)
京都の数え歌、みきみぃさんと一緒に歌いながら散策したいなぁ〜って思いました。
健脚を維持しなくちゃです。私トイレ問題はまだないけど...夫は問題有り!
ここでしときなさい!って子供に言う様に夫に何度も言ってました(^^;)
danmamaさん、
削除この話はですね、色々とヒントがあったわけです。まず、この特許を持つ男性が本当にいて、姉がこの人と結婚していたら、と思ったりしました。それと龍谷大学のセミナーは今はオンラインですが、姉は大阪まで行きセミナーを受けていました。クラスのあと数人の男性とグループでお茶したり楽しそうでしたよ。美魔女姉妹というのは全くハズレです、残念ながら^^;
danmamaさん、一緒に散策しましょう〜、京都!京都は小さな街ですから、歩いて観光地巡りがかなりできるんですよね。danmamaさんはトイレ問題ないのですか。うらやましい。私は夜中のトイレも3回ですからね〜。京都を一緒に散策したら、danmamaさんに、ここでトイレ行っておきなさい!って言われそう^^;
いやいや、美人姉妹に間違い無いと思います。お姉様も足長いし!
削除ご両親の介護を担ったお姉様には本当に幸せになって欲しいです。
自分より10歳位、若い人でも良いのでは無いかしら(完全に妄想モード)
みきみぃさんの日本滞在中に何処かでお会いしたい〜(本気です)
こちらに来られても良いですし。地方妄想生活書けますよ(笑)
danmamaさん、
削除これでもうdanmamaさんとはもう会えない^^;
実物見て、あら、、、、無言、ってなるのが怖い!
姉は足が私と同じぐらいの長さで、つまり長い方かもしれません。
姉は162㌢、私が167㌢だから5㌢違うのに、長さが同じぐらいなのだから。それとも私が短すぎるのか?
そうなんですよ。姉はこんな親を抱えて自分は結婚できない、とずっと思っていたようです。
danmamaさんの東京観光がもう1ヶ月あとだったら、浅草で会えたかもしれないのにね〜
みきみぃさん、四捨五入したら70ですからお互い自意識は捨てましょう!(笑)
削除過去は、お互い若くて可愛くての妄想で行きましょう(苦笑)
私の離婚後の妄想生活はイタリア編の予定なのですが写真の管理をしている旦那が何処かに
ぶっ飛ばしたみたいで一枚も無くなっているのです...(怒)
写真なしの記事でも良いかしら?リアリティに欠けそう...
danmamaさん、
削除う〜む、確かに。こんな年になって自意識はもう必要ないですね。別にばあちゃんが何を着ても、どんな顔をしていても、誰も気にしないのだから、妄想で行くのでいいのかも^^
イタリア編もヨーロッパだと写真がある方が嬉しいですよね。でも、大丈夫大丈夫。
苫小牧編、札幌編、東京編もいいし、世界中廻ってください!
みきみぃさん おひさしぶりです!
返信削除やっとこさシアトルへもどってきましたー。週末ゆっくりしたので時差ボケからも回復して元気になりました:)
日本では最後の2週間夫も来日してたんですよーーー!!おかげで母の世話に加えて夫の面倒まで見なくちゃいけなくて心身ともに疲れ果てました。まぁ、夫がいたおかげで大きな家具を処分することができて助かったのもあるんですけど。
実家の片付けと母の世話で終わった2ヶ月だったので、今はとにかくアメリカへ戻ってホッとしています。自分のことなんて何もできなかったんです。ヘアカット行って梅田でちょこっと買い物して、用事で京都へ行ったついでに嵐山へ足をのばしたくらいです。あ、京都は観光客でめちゃくちゃ混んでました!コロナ禍の静かな京都が懐かしいです(涙)
京の通り歌、聞いたことがあります。京都を舞台にした小説で読んだ、というかオーディブルで耳読しました。みきみぃさんはあれを全部ソラでうたえるんですね、すごいです!!私も通り名全部覚えて地図を広げることなく京都の街を闊歩したいわぁ。そしてもちろん綺麗なトイレの場所もメモっておきます。それって大切ですよね😊
akikoさん、
削除おかえりなさい!お久しぶりです。かなり長い日本滞在でしたね。
日本もいい季節になり、嵐山で桜を少しでも見る時間があれば良かったですが・・・
私も本当に介護の間は心身疲れ果てていました。明日が見えない、来年が見えない、今後自分も一緒に老いるのか、と不安な気持ちの中、日米を往復。関空で待ち時間ずっと泣き続けたこともありました。なのに、アメリカに帰ってくると呆けたようになって別世界でとまどっている、というような感じでしたよ。
大きな家具の移動や処分は男手が必要ですよね。私は姉に、京都シニアヘルパー?事務所にコンタクトして、手伝ってもらったら?と提案しました。家具の移動から家事まで低料金で色々してもらえるようですね。本当にお疲れさまでした。
京都そんなに混んでましたか。コロナ禍のホテル料金が懐かしいです^^;
京の通り歌は、まつまんごじょう、ぐらいまでしかスラスラではないんです。それから南北の通りになると、ほとんどわかりませんよ。ヨシ、これを脳トレにしよう!
日本のトイレってアメリカに比べるとどこも綺麗で安心して使えるのが嬉しいです。でも、この宇治川沿いのトイレは、ちょ~綺麗^^
では、ゆっくり休んでくださいね。
シルバー人材センターのようなところですね。以前実家で庭の手入れをお願いしていました。お手頃料金で丁寧な仕事をしてくれたようです。お姉様一人で大きな家具を動かすのは大変ですものね。日本は色々なサービスがあって一人暮らしでも便利ですね。あ、でもお姉様はもう結婚されて一人ではないんだったー!!私もどこかで素敵な出会いがあるといいなぁ。歳をとるとなかなか新しい出会いがなくて。こちらで知り合った人たちも引っ越しや日本帰国でだんだんいなくなって寂しくなってきました。男女問わずに新しい出会いがあるって素敵ですよね❤️❤️
削除akikoさん、
削除アメリカでののんびりした生活を楽しんでらっしゃいますか。日本で介護から帰ると、まるで別世界ですよね。
そうそう!シルバー人材センターです。akikoさんのご実家でもシルバー人材さんを使われたのですね。そうなんです、お手頃な料金で姉にもこのサービスを使ってほしいです。
姉も本当に電撃結婚をする可能性はありますよね。その時はマンションを、あんたにあげるわ、とくれるほどの玉の輿ならいいなあ^^
私もakikoさんと同じく、こちらでできた友人たちがどんどん日本帰国してしまっています。やっぱり日本に行く方が新しい出会いチャンスは多いかも?姉は水彩画教室に毎週行ってますが、クラス全員の記念写真を見たら、3人の男性は皆60代ぐらい、背が高くて悪くないルックスでしたよ。お〜、この教室に入りたい!と思いました^^