毎日1個収穫 |
ついこの前まで 早足で歩いていたのに |
アイスノンを持って行こう、薄着をして行こうと誘っても今日は頑固に動かない。自分が体温を調節できない時、スタッフがすぐに自分のために動いてくれないことを責める。こういう父を見るとホッとする。余りに弱々しい父を見るのは、家で面倒みてあげないことへの罪悪感が高まるからだ。憎たらしい父を見るとかえって安心する。
ホームまでの道も やっと涼しくなってきた |
わいわい広場に行かないのなら、一度家に帰って夕方また出直そうと決めた。なにしろ父が寂しそうに時間を持て余しているのは夕方だ。重症認知症のグループの中で、話す人もいない父はリビングで頭を落としてただただボーッとしている。毎回その姿を見ると胸が痛む。
途中スーパーに寄って鰻を買ったあと、家で本を読んでゆっくりする。そして4時半になったのでまたホームに行くことにした。涼しくなったとはいえまだ最高気温は30度を超す京都は暑い。でも、昨日届いたタニタの万歩計の数字を伸ばしたいのでホームまで歩く。
食べ終わってベットに入って座っている父に、母の写真のコピーを渡した。果たしてコピーを見た父は「こんなコピーでは役に立たない。」と言うのか。
母の写真を見た父は「あったんか。」と呆然と写真を見ている。本物ではない、コピーだと言うと「そうか、コピーか。」と言いながらもじっと見つめている。そして「あったんか。」と繰り返す。どうも写真とコピーの区別も余りついていないようだ。
が、その頃から目の中がゴロゴロする、と言い始めた。何度も洗面台で目を洗う。そのあとティッシュペーパーを濡らして目を拭く。それでも気になるようで何度も何度も洗う。
父は目がおかしい、と言い続ける。このまま父を残して帰宅したくない。目に異物感を持つ父は夜電話してくるかもしれない。スタッフに声をかけた。父が夜、目の事で不安になるかもしれないが、目は大丈夫、明日には眼科医に連れて行くから、と声かけお願いします、と頼んだ。
ティッシュを濡らして 拭いてみる |
今日の歩数 |