いや、病気ではない。成田空港のそばの政府指定待機場所であるホテルの一室に軟禁(?)されているのだ。一日3度のお弁当が部屋のドアノブにかけられると、それを部屋に取り込む時だけドアを開けることが許される、という生活だ。そしてその生活は空港で受けたPCR検査結果が出るまで続く。
一昨日の朝サンフランシスコ空港からANAで成田に飛んだ。
サンフランシスコ空港に行く道中ずっと『フライトドタキャンするか?』と 迷い続けた朝でしたがね |
後にも先にもこんな閑散としたサンフランシスコ空港は初めて見た。
免税店、ラウンジ、デリなどのお店、ブランドショップも全て閉店、 なぜか寿司屋とNews Standと呼ばれるコンビニのような小売店のみ営業中 |
緊張感がつのる。ここまで人が飛ばないっつーことは、飛行機内の環境が危険だからなんじゃね?という緊張感。
いや、飛行機の中では病院と同じように空気が上から下に流れている、全ての空気は3分置きに全とっかえされていると聞いた、と自分に言い聞かせる。
フェイスシールドをつけた人も多いが、そもそも乗客の絶対数が少ない |
普段なら間断なく飛行機が発着陸をしている空港なのに、 この日ほとんど動きはなかった(ように見えた) |
ゲートにはほとんど乗客がいず、警官が6人ぐらい搭乗口で一人一人の乗客の顔をパスポートと照合している。
私は今回持てるマイルを全て使ってビジネスクラスの座席を予約していた。その理由は、
- ANAのビジネスクラスの座席は隣に誰も座らないようにデザインされていて、機内での感染危険度が少しは下がるかもしれないと思った。
- ユナイテッド航空のマイルが貯まっていて、それをコードシェアしているANAのフライト予約に使うことができる。ユナイテッド航空は先日も36000人のリストラを発表したばかり。今後特典旅行で飛ぶには必要マイル数が激増するかもしれないから、マイルを使って旅行するのは今がラストチャンスという可能性もある。かも?
- 成田空港で優先的に降機することができれば、PCR検査も優先的に受けることができ、その日のうちに東京に移動できるかもしれない。(実際ANAにして良かったのは、おしぼりがひっきりなしに配られること、トイレが使用されるとすぐ掃除されることだった。)
機内食は全てカバーして出された |
さて、いつもながら一睡もできないうちに成田空港に到着したのは午後3時。
帰ってきたなあ、といつも感じさせられる風景 |
コロナ感染が拡大している首都圏だが、やはり日本に帰ってきたという安心感で嬉しくなる。同時に今日これからどういう状況が待ち構えているのか、と一抹(いや、百抹ぐらい)の不安もある。
着陸少し前に配られた書類は体調に関する質問、空港から 自宅、あるいはホテルまでの移動に関する質問用紙 |
そもそも7月15日に受けたPCR検査結果が、サンフランシスコ空港を離陸する直前に送られてきた。結果をダウンロードするにもモバイル通信はオフにしてください、と言われたあと。成田に着いたら空港のWiFiに接続して結果を見ることになるが、陽性だった場合どうするのだ?と一瞬思う。
いや、症状も何もなかったのだから大丈夫。それに陽性だったらいくらなんでももっと早く結果を送ってきただろうし、と自分に言い聞かせる。結果は陰性だった。
子供のいる乗客、乗り継ぎのある乗客(国内乗り継ぎは禁止)、自宅に帰宅する人、自宅に移動できない人、の順で飛行機を降りることができる。つまり私は一番最後のグループに属する。なにしろサンフランシスコから関空までのフライトもない今、私のように自宅まで車で移動できない人は、PCR検査結果が出るまで空港で待機するか、成田空港そばにある政府指定のホテルで隔離生活をするよう義務付けられている。PCR検査結果を待たずに移動できるのは、公共交通機関を使わずに自宅に帰る手段がある人に限られている。
この事自体には問題もあると思う。一体厚労省はどういう基準でこういうルールにしたのだろうか。PCR検査結果を待たずに自宅に帰る乗客、その人がコロナ感染している場合、日本で家族や周囲の人を通じて感染が拡大する可能性はあるのでは?まあどちらにしろ検査結果が陰性だったとしても、潜伏期間中だったら知らずに他人に感染させる可能性は誰にでもあるのだが。
とにかく、午後3時着陸、PCR検査待機のためにスチールの椅子に座ったのが3時25分。私の乗った便の前に到着した3便分の乗客のあとの検査になる、と説明された。順番をひたすら待つこと2時間。その後の検疫、入国審査やホテルに移動するための待機など含め空港には6時間いた計算になる。7月29日から成田空港第2ターミナルと羽田空港で抗原検査はすでに導入されていて、成田空港第1ターミナルでも8月3日から導入、待ち時間は飛躍的に短縮されるらしいが。
この一連の動きはスムーズに計画、運用されていてさすがニッポン!と嬉しくなる。とはいえ、英語での説明ができる係員が少なく、私の横にいたミネソタ出身であり英語教師としてこれから日本で働く予定のダン君は不安そうだ。私が通訳をその都度してあげているのを見て、係員の方々は何かを説明するたびに私の顔を見るようになった。
こんな時私は、日本に好印象を持ってほしい!という愛国心のかたまりとなって、その後数時間にわたり(いや、今はメールでもつながっている)ダン君のお抱え通訳として世話を焼くといういつものパターンになる。
検査がすんだあとも、2時間ごとに(らしい)出発するホテルまで移動するバスを待たねばならない。待つのが普段より大変だったと感じたのは、暑くて湿度が高い中マスクをしているのが原因だったようだ。これでかなり体力を消耗してしまった。
が、コロナ渦の中日本に来るのだから暑いとか待ち時間が長いなどと文句は言えない。検査結果が出るまでの2泊3日を政府指定のホテルで過ごすのだが、その費用は全て無料なのだからありがたいばかり。
とにかく、午後3時着陸、PCR検査待機のためにスチールの椅子に座ったのが3時25分。私の乗った便の前に到着した3便分の乗客のあとの検査になる、と説明された。順番をひたすら待つこと2時間。その後の検疫、入国審査やホテルに移動するための待機など含め空港には6時間いた計算になる。7月29日から成田空港第2ターミナルと羽田空港で抗原検査はすでに導入されていて、成田空港第1ターミナルでも8月3日から導入、待ち時間は飛躍的に短縮されるらしいが。
この一連の動きはスムーズに計画、運用されていてさすがニッポン!と嬉しくなる。とはいえ、英語での説明ができる係員が少なく、私の横にいたミネソタ出身であり英語教師としてこれから日本で働く予定のダン君は不安そうだ。私が通訳をその都度してあげているのを見て、係員の方々は何かを説明するたびに私の顔を見るようになった。
こんな時私は、日本に好印象を持ってほしい!という愛国心のかたまりとなって、その後数時間にわたり(いや、今はメールでもつながっている)ダン君のお抱え通訳として世話を焼くといういつものパターンになる。
検査がすんだあとも、2時間ごとに(らしい)出発するホテルまで移動するバスを待たねばならない。待つのが普段より大変だったと感じたのは、暑くて湿度が高い中マスクをしているのが原因だったようだ。これでかなり体力を消耗してしまった。
バスを待つ場所には、ダンボールで作られた簡易ベッドがあるが、 ここで待機してくださいと言われても意味がわからない外国人が 次々と私に状況説明を求めてと聞きに来るようになった |
その外国人たちにお水や糖質たっぷりのスナックの存在を教える私は おせっかいばあさんか? |
が、コロナ渦の中日本に来るのだから暑いとか待ち時間が長いなどと文句は言えない。検査結果が出るまでの2泊3日を政府指定のホテルで過ごすのだが、その費用は全て無料なのだからありがたいばかり。
バスのシートは全てビニールで覆われ、窓外も見えないが、 係員からホテル到着時についての丁寧な説明がある |
ホテルに到着すると部屋番号が書いてある紙を渡され、個々にエレベーターに乗って部屋に誘導される。
この時点から2泊3日、計5食昼寝付きなのだ。
部屋は基本的にツインで、ドアノブにかけられた食事を部屋に入れる時だけ ドアを開けることが許される、つまり外出もできず自販機にもいけない |
この時点から2泊3日、計5食昼寝付きなのだ。
部屋に入る時に渡された夕食、食事には必ずおにぎりと カップ味噌汁がつく(この時は昆布のおにぎり) |
2日目朝のお弁当 |
2日目ランチ、これにマーガリンとジャムのついた白パンサンドと明太子おにぎり |
2日目夕食 無料でいただけるとは、本当にありがたいことです |
私の場合は銀座にあるホテルに移動するが、ハイヤー料金は3万円かかる。これは結構痛い。でも2泊のホテル代と食費がかからなかったんだから、と考えることにする。日本のみなさん、血税使ってゴメンナサイ!
ホテルの部屋から一歩も出られないのだから、部屋でエクササイズをしたい人は多いだろう。エコノミー症候群にならないように、と狭いスペースでできる運動の手引きもちゃんと用意してある。だが、私の場合そういうものは、まるで見てはいけないものを見た時のように、ササッと裏返す。
2日もエクササイズができない、と辛く思う人は多いのだろう、多分 |
つくづく思う。私はこういう動かない生活があまり苦にならない人なのだ。いや、あまりどころか全く苦にならない。
一日中ベッドに寝転がって本を読んだり、iPadを使ったりしているとあっという間に時間が過ぎる。ベッドの上にはお菓子や老眼鏡などを置き、動かなくても全てが手の届くところにある。2日目にはお弁当さえベッドの上で食べるようになった。このまま2週間ぐらいすぐ過ぎてしまいそうだ。
自分に『正真正銘の怠け者』という折り紙をつけた。
注!VOSSウォーターボトルの中はお水で薄めたお茶デス |
本当にお疲れ様です。ともあれ日本に到着されてひと安心されているのではないでしょうか。
返信削除とても興味深く読ませていただきました。
私もホテルで缶詰めでも気にならない性分ですが、夕飯のとき冷たいビールを飲みたいときは注文できるのでしょうか(^^;)。
移動のバスの窓がおおわれているのにはびっくりしました。
もう陰性で東京に移動されたことと思いますが、京都へは行かれますか?
とても大変な時に間抜けなコメントを残しているようですみません。
City Bakery 行けますね。
Michikoさん、
削除ありがとうございます〜。
はい、昨日陰性と出たので、無事東京に移動してきました。
でも、ホテルからホテルで1時間もかからない移動に、3万円!それもキャッシュオンリーで3万! の支払いをする時は、心が折れる音が聞こえました^^;
とはいえ、移動してきたホテルの快適さはサイコー!
普段なら泊まれないようなホテルが今は半額以下なのです。羽布団の軽さ、枕の快適さ、フカフカタオルで、それまでは2時間しか眠れなかったのに、昨夜は6時間熟睡できました。
政府指定のホテルでは、ビールは注文できないようですね〜^^
それどころか、部屋のドアも食事の配給がある時しか開けられませ。館内放送で今ならドアを開けて良い、と言われるタイミングでのみです。つまり、氷や自販機など一切アクセスなし。
私はそのことをあらかじめ調べていたので、ボトルのお水をたくさん持ち込んでいて良かったです。
ドアを開けると警告音がします。本当に監禁状態(軟禁状態)ですよ。
移動のバス、あれは外国人には恐怖かも。
京都行きますよ〜。でも2週間は公共交通機関を使えないので、しばらくは東京にいます。
日本はカリフォルニアと全く別世界でびっくりしました。
コロナに関しての危機感がアメリカとは別物です。普通に生活できます。
全く大変な時じゃないですし、間抜けなコメントじゃないですよ!
気遣ってくださってありがとうございます。
はい、City Bakeryは歩いてすぐのところにあります。
7時半の開店を待っているところです^^