東京では、今年の3月中旬までのベイエリアとほとんど変わらない生活が営まれているではないか!
人々の意識は以前とは全く違うだろう。以前にもまして手洗いを徹底し、お店には消毒薬があちこちに置いてあり、混んだ電車を避ける。でも、ベイエリアとは雰囲気が全然違う。
軟禁されていた(?)成田のホテルで陰性のお知らせ電話を受け取ったあと、特別コロナ対策ハイヤー(と言ってもワゴン車である、というだけでビニールシートもなく、普通のタクシーとの違いは何もなかった)に乗って東京に移動した。
ちなみにハイヤーを降りる時「クレジットカードで支払いはできますか?」と聞いたが、できないと言われ心がポキっと折れた。1万円札を3枚。心がポキポキ鳴っている。アメリカではもう長い間キャッシュを使ったことがない。今やチップもApple Payで払うから、最後にお金に触ったのはいつだろう、と考えてみないと思い出せない。やはりカードで支払いをすると現実感がないが、キャッシュを使う時は『お金つこてしもたぁ』と気持ちがヒリヒリする。
食べ物を買いに出て驚いた。街が動いている。歩いている人の数は以前と比ぶべくもないが、それでも街が動いている、という印象を受ける。ベイエリア、特にサンノゼにいる時見る歩行者は、ジャージーはいてエクササイズのために歩く人のみだからだろう。日本では人々が小綺麗な格好をして歩いている。
夏なのに誰もがマスクをしているのは以前と違うけど、厳格にソーシャルディスタンスを守っているとも思えない人々も結構見かける。お店では普通にすぐそばをすれ違う人もいる。
例えばベイエリアの生活はこういう感じ。
- カフェは営業しているが、入り口はブロックされていて、テーブルが置いてある。そこにあらかじめスマホで注文しておいたコーヒーなどが並べてあり、その横には店員さんが立っている。自分の飲み物をもらいスマホでチップを払い立ち去る。店内には一切入れないし、外のテーブルも全て撤去されている。
スタバに座っている人が何人も見えた 日本滞在中に入ってしまいそう |
- Trader Joe'sなどのスーパーに行くと店前では2メートルの間隔を置いて列を作り、お店に入る時は店員さんがクリーニングをしてくれたカートを一人一人に渡してくれる。店内は一方通行。自分の買い物バッグは持ち込めず、紙袋は1枚につき10セント払う。もちろんそのまままっすぐ帰宅する。
- 最近デパートなどは営業再開したが、閑散としていて次々と老舗百貨店が閉店に追い込まれている。レストランはイートインができない。テイクアウトのみ。
- ヒロは公園が大好きだが、3月以来公園に連れて行けなくなった。道から公園の遊具を指差してThat's dirty.と言う。滑り台もブランコも使うのは禁止されていて、次男とマリーが遊具は汚くて使えない、とヒロに教えているからだ。
- 若い人たちがタピオカドリンクなどを買って皆でおしゃべりしていたのは3月まで。今はテイクアウトのみだから、買ったタピオカドリンクは家に持ち帰って飲む。友人たちと集まっておしゃべりする姿はない。たむろしてもお互いに2メートルの距離は保つ。
なのに、なのに・・・日本はもう少し自由に見える。まだほとんど街の様子を見ていないので、わからないが普通の生活に近い雰囲気が見える。多分アメリカでの感染予防対策は全て日本でも同じ様に取られているのだろう。
それに、感染者はアメリカとは比べ物にならないほど少ない。そりゃ、お店も営業を続けるだろう。レストランで食事をし、カフェでコーヒーも飲みたくなるだろう。私も危機感がポロポロと剥がれていくのを感じる。
そもそも感染地域からの日本入国者への生活手引きには『原則遊びに行くのは不可です。不要不急の外出は控えましょう。もちろん、食事のために外出するのは可能ですが、必要最小限にとどめるようにお願いいたします。ただし、守らなかった場合の罰則はありません。』と要請されている。アメリカのようにドローンで見張られていて罰金$400なんていうニュースもなさそうだ。
いや、わかっている。日本でも人々は感染を恐れているし、マスクははずさないし、手洗いを徹底し、遊びにも行かず、ソーシャルディスタンスを取っているのだろう。スーパーにも一人で行き、買い物がすんだらそそくさと帰宅するのだろう。実際街は閑散としているではないか。
だが、繰り返すが雰囲気は違う。デパートは入り口と出口をしっかり分けてあるし、入り口付近では検温も行われている。以前は混雑していた食品売り場も今はガラガラだ。でも、私の気持ちは一気に緩んでしまいそう。
丸ノ内仲通も人がテラス席で楽しそうに歓談している でも、以前に比べると人出は激減 |
間違った安心感を持ってはいけないのだ。不急不要の外出はしない、必需品を買う時は手早く、タラタラと街を歩くな、と自分に言い聞かせる。食べ物だけ買ってホテルに戻れ。ということで、少しだけ散歩をしたあと食べ物をさっと帰ってさっと去る。
ランチスペシャルの和食を食べにKITTEビルに行きたいけど、やはりそれは不要不急ではない。それに2週間の自己隔離期間が終わっても、窓が開放されていない場所での食事はちょっと怖い。7月15日と31日の時点でコロナにかかってはいなかったとしても、その後いつでも感染はありうる。
とにかく成田で歩かなかった分、東京では歩こう。公共交通機関は使えないが、マスクをして人を避けながら戸外を歩くぐらいは大丈夫だろう。
全粒粉クロワッサンとアールグレイ・チョコチップスコーン、お昼ご飯用のお弁当を買ってきてまたベッドの上で食べる。
もろこしご飯と煮物のお弁当(860円)がおいしかった |
さて、夕食は何を食べるか。電車にも乗れないから観光をするわけにも行かず、当分京都にも移動できない。では、時々はちょっと値段が張ってもいいから(最高1500円まで!)食べたいものを食べよう。
が、私が夕食に選んだものはこれ。これが食べたくて食べたくてたまらなかったのだ。
どうしてもサンドイッチが食べたかった |
久しぶりに食べる時ワクワクした。ホテルの目の前似あるお店から調達してきた上の写真の夕食。
なぜに? |
東京も梅雨明けして猛暑のようですが、大丈夫ですか?
返信削除感染に対する一人一人の心構えの違いでしょうか?
これから日本はお盆に入り、里帰り、お墓参りの心配がありますね。
両親が生きていたらどう思っただろうと何度も考えます。
お弁当のナスの煮物と鶏南蛮(?)に目が釘付けです。
東京にいたら、コンビニとデパ地下で十分に楽しめます(^^;)。
野菜の新鮮そうだし、サンドウィッチも味がよみがえり、美味しい口になってしまいました。
あ~帰りたい!
公共交通機関が使えないと行動範囲は限られてしましますが、歩いていたら新しい発見があるかもしれませんね。
Michikoさん、
削除大丈夫です。ありがとうございます!
今日は猛暑だそうですが、京都は38度まで気温が上がるということでしたので、東京はまだマシかと思います。
東京に住む友人が、ベイエリアに住む息子さんの自粛生活話とのギャップにびっくり、ということでした。
なのに、死者が少ない日本ですからやっぱり危機感はアメリカほどじゃないですよね。
私も両親が生きていたら、といつも考えています。大変な生活になっていたでしょうね。
なすと魚南蛮?に目が釘付けになりましたか。日本はなすとごぼうがお弁当の定番で嬉しいし、おいしかったです!
でもお弁当って野菜が本当に少なくて、日本に来て以来野菜摂取量はアメリカにいる時の10分の1という感じ。
サンドイッチも種類が豊富です。コンビニ捨てたもんじゃないですね〜。
はい、今日は猛暑になる前に、そして人が少ないうちに早朝散歩してきます!