今日はいいお天気なので、富士山が見える可能性が高い。何度も日本に来ていて、強羅や御殿場にまで行っても一度も見る事がなかった夫に、10時40分ぐらいになったら窓の外を見るように言って別れる。座席は富士山側だ。
その後本屋さんに行って10時に伊勢丹が開店するのを待ち、父に仙太郎の柏餅などの食べ物などを買って帰宅。この1週間は観光、姉のマンションの抽選会、父のあふれかえった物の整理、父の外泊、ホームでの引っ越しと忙しかった。さすがに疲れてしまった。家でお茶を飲みながら久しぶりにのんびりする。
とはいえ、またホームまで行かないといけない。銀閣寺に行ったあと、夕べ小型冷蔵庫を買って父の部屋に入れたのだが、そこに入れるアイスノンを持って行くのだ。それに今日は暑い。多分父は新しいスタッフや新しい部屋でどうしたらいいかわからない、という状況にいるだろう。
案の定4時頃行くと父はベットに寝転んで、部屋の電気とスイッチがわからない、と疲れた顔をしている。部屋にはまずドアを開けて入った所に天井の照明スイッチがある。その隣には父がスタッフを呼んだ時点灯するライトをスタッフが消すボタン。洗面台には専用の照明。エアコンのスイッチ。換気扇のスイッチ。そして天井の照明には紐がぶら下がっている。父は不安そうにしている。
ラベルに表記して各スイッチに貼った。スタッフが消すボタン、部屋に入った所にある天井の照明のスイッチ、換気扇は上から紙を貼って「触らないでください」と書いた。しかし、父はまだ混乱している。部屋を移動した時は毎回こうなる。スタッフへの信頼がまだ完全にできてない上、新しいシステムを覚えないといけない。そこで不安な気持ちがパニックを起こさせる可能性もある。
部屋から少し出て隣にあるリビングルームに行くように促す。一緒に行って椅子に座る。父はスタッフに「いやあ、暑いので団扇であおぐと2階では他の人にいやがられたんですよ。私は顔が火照る体質でしてね。」と不必要に高笑いをする。スタッフに慣れようとしている姿は哀れだが、こうして毎日毎日父に振り回されることにはストレスを感じる。
父が明日は少しでも新しい環境に慣れることができるのかどうか心配だが、明日はホームに行かない日にして、少し休もうと思う。
夕方やっとチェックしたメールには、夫から富士山の写真が送られて来ていた。