2021年4月18日日曜日

日本に入国した!

 数十年間父に繰り返し言われ続けたフレーズ。


確実なことをしなさい。

横着をすると失敗する!



つまり、何事も繰り返し確認しろ、下調べをしろ、ということだ。横着→失敗という結果につながる、と父は私に念仏のように言ったものだ。


母がそれを聞いては「本当に石橋を叩いて叩いて叩いて、引き返す人なのよね〜」と父のことを評していた。


だから、日本に行くというだけで下調べに明け暮れた自分に呆れる。失敗をしたくない。確実に入国したい。その思いは、今年中に眼瞼下垂手術をしたい、という願いからから出ている。


私の1年ちょっと前のコロナ感染は、右目(下垂がひどい側)をこする癖から起きたのではないだろうか。右目だけ涙がいつも出るから、いつも手でこすっては涙を拭いていた。

右目は瞼が下垂し、そのせいか?四六時中涙が出る
左目は下垂が右目ほどではないが、代償として眉毛が上がっている


コロナが流行り始めた頃から言われていたこと。


何かを触った手で目や鼻をこするな。


これだ!


少しでも早く信頼する日本の形成外科で眼瞼下垂手術を受けたい。



まず、最初に立てた計画は、フライト出発前72時間以内に検査結果が出る医療機関、あるいは検査機関でPCR検査を受ける。あれこれ見た結果サンノゼ空港にあるCarbon Healthというクリニックで検査すれば、翌日の午後2時までに結果が出るということ。費用は$170。


結果が出たらすぐ日本人医師の元にpdfとして送り、日本政府所定の陰性証明書を作ってもらう($50)、というものだった。


私よりも全てに対し慎重で何もかもを調べ尽くし、万全な態勢で望むMささんは、飛行機の出発が遅れた時のために検査は時差を置いて2度受ける、ということだ。


そうか、それならもっと安心だ。私もかかりつけの病院、カイザー(検査費用無料)でまず70時間前にテストを受け、Carbon Healthでは69時間前に受けることにした。


が、Hえさんからメールが来た。


耳寄りな情報をゲット!Action Urgent Careでテストを受けると翌日結果が出て、日本人医師の証明書なくとも日本入国を果たした友人がいる。そこで受けてはどうか。費用は$95。


おお〜。これだ!しかもサンノゼ空港に行くよりはずっと便利な場所に、このクリニックはある(あちこちにいくつもある)。


結論。このAction Urgent Careでフライト出発前69時間以内に検査を受け、結果は16時間後(フライト出発前53時間)に出た。


鼻咽腔検査とは書かれていないが大丈夫だった



それをユナイテッド航空のTravel Ready Centerにpdfファイルで送ると、1時間後にYou are ready to fly!と返信が戻ってきた。よっしゃあ!



2日後、安心してサンフランシスコ空港に向かう。


空港はやはりガラガラだ。いつもは乗客で混み合っているターミナル。今日はやはりほとんど人がいない。去年の8月に比べると少しは増えたような気もするが、以前とは比べ物にならないほど人がいない。



免税店は開いていた(去年の8月は閉まっていた)



これはエコノミープラス席(エコノミーより少しだけレッグルームが広い)
機内はガラガラだった


さて、定刻通りに離陸し、成田空港に着陸したのは日本時間午後2時前。


降機する前に成田空港地上係員が乗り込んで来て、乗客一人一人の陰性証明書類、誓約書、位置情報確認アプリ等がインストールしてあるか、調べられる。


その後やっと降機できたが、ここから(まるで)ピットストップ(F1用語で、カーレース中に燃料補給やタイヤ交換を行う場所)が多いこと。



まずゲートから空港に入ったあとしばらく歩くと、番号札の貼られた椅子がたくさん通路に置かれている。順番に座って係員を待ってください、と指示される。


すぐ係員が来て書類を調べる。陰性証明書、(14日間自主隔離)誓約書、健康状態質問表、パスポートなど。


その後他の係員が来て、もうチェックはすんでいますか?と聞かれる。数分後また他の係員。


ピットストップ#1。係員が5人ほど座っているテーブルに行き、書類を提示してください、と言われる。主に陰性証明書をチェック。


ピットストップ#2は抗原検査。チューブを渡され唾液を黒いラインまで入れてください、と言われる。一人一人ブースのようなところに入り、壁には梅干しなどの写真が貼ってある。が、2mlというのは結構な量で、なかなか黒いラインに届かない。5分ほど過ぎた。やっとラインに届きオッケーが出る。


ピットストップ#3。インストールしたアプリと健康状態質問表がチェックされる。登録したメールアドレスから、今空メールを送ってください。そのアドレスに明日から14日間、毎日午前11時以降、入国者健康確認センターより、健康状態をチェックするメールが届きます。午後2時までに質問に答えて返信してください、ということだ。


ピットストップ#4。SKYPEがインストールされているかチェック。健康状態、あるいは位置情報で何か問題があった場合ビデオ通話ができるように、だ。


ピットストップ#5では、14日間の自主隔離生活をすること、そのための質問表にあらかじめ答えおき、QRコードで保存しておいたものをチェックされる。


ピットストップ#6のデスクには女性が3人並んでいて、そこで検疫質問表を提示する。次のエリアに行ってください。そこで抗原検査の結果を知らせれます、と言われる。


ピットストップ#7。ここではパスポートをチェックされ、質問表QRコードをスキャンされる。検査結果が出たら番号が呼ばれますので、椅子に座ってお待ち下さい、と言われる。私の番号は0110番。


さて、ここまでどのピットストップでも、多数のスタッフが投入されている。アメリカでは人件費が高いせいか、こういうスタッフの多さをどこにいても見ることがない。


デパートなどのお店でもそれは感じる。日本で例えば伊勢丹に行って見てほしい。各売り場には3人から4人の店員さんがいて、誰からも声をかけられずに何かを見る、という状態はあまりない。


が、アメリカではワンフロア全体で店員さんは3人?と思ってしまうほど。何かを買おうと思っても、店員さんがレジで待機しているお店はNordstrom(衣類と小物のみのお店)ぐらいだ。


空港のピットストップも伊勢丹状態。抗原検査の結果を待っている間にトイレに行く人が多い。席を立つと、トイレはあちらです、と指差して教えてくれる係員、そちらに向かって50歩歩くと、あちらです、と教えてくれる係員。


トイレに近づくと通路を遮断するテープをはずして、こちらですと指示してくれる係員。その様子にはいつもながら驚く。ただただ立っているだけで、この人たちはいくらお給料をもらうのだろうか、と少し心配になる。人件費が高いシリコンバレー(人々はフレンドリーではあるが)と違うのはこの日本でのスタッフの多いことと、そして彼らが一様に丁寧で大変感じ良いことだ。


番号が呼ばれ陰性カードを渡され、入国審査に行ってください、と方向を示される。


ここから入国審査場までの距離をあらかじめ知っていたら、私はランニングシューズを持参していただろう。


果てしなく遠い。不安になるほど遠い。何度も後ろを振り返り数十メートル後ろに人がついてきているのを確認し、私が歩いている方向は間違ってないことを知る。


審査のあと荷物受け取り、税関はあっという間に終わる。


京成スカイライナー帰国者専用車両に乗り、上野駅からはハイヤーでホテル到着。


ホテルから徒歩1分のコンビニでとりあえず必要なものを買い、ホッと一息。

当然コンビニサンドイッチ


翌日からは健康状態チェックと位置情報OELアプリでの連絡が一日一回あるはずだ。


ところが・・・


この認識は甘かったことを翌日知る。



位置情報確認は一日一回ではなかった。


個人的には公共交通機関を使うよりも、会食とかでの感染拡大の方がリスクは高いと思う。電車の中では人はおしゃべりしていないし、乗客は皆マスクをしている。


ちょうどお昼ごはんをお店に買いに行った時、「今ここ」ボタンを押せというメッセージが入る。このボタンを押すことで位置情報が厚労省に知らされるらしい。



普段私がほとんど家に閉じこもっていることは、位置情報履歴でこの通り




始まったか。


ボタンを押す。



今日はもう「今ここ」と知らせたことだし、リラックスして近所を散歩することにしよう。それぐらいいいだろう。レストランで何か食べるわけでもなく、戸外をマスクして歩くだけだ。それこそ健康管理のためには必要ではないか。


なのに・・・


夕方ふとスマホを見ると、1時間前に位置情報を知らせよ、というメッセージが入っていることに気がついた。午後5時過ぎ。夕食時だ。


つまり、食事時になると位置情報を知らせよ、と言ってくるわけですかい。



すぐ「今ここ」ボタンをホテルの部屋で押す。


なんだか腹が立ってきた。


ここまで位置情報位置情報としつこく言うのは、国民の信頼を失った政府が、「ほら、私たち外国人を閉じ込めていますよ。やることやってるんですぜ!」と示したいのが大きな理由だろう。


国民からの批判を避けるために位置情報管理をするのだろう。


入国者は案外従順に規則に従っているものなのだ。



医療崩壊寸前の状態を作ったくせに。感染者拡大している中でオリンピックをするくせに。自分たちは集まって会食するくせに。飲食店には午後8時で営業終了規制を押し付けているくせに。


じわじわと腹が立ってきた。



よし、決めた!


一日中「今ここ」ボタン押しまくってやる!

4 件のコメント:

  1. mikimieさん、おかえりなさ~い!、ヽ(^o^)丿

    ”医療崩壊寸前の状態を作ったくせに。感染者拡大している中でオリンピックをするくせに。自分たちは集まって会食するくせに。飲食店には午後8時で営業終了規制を押し付けているくせに。”

    ですよね!、ですよね!、ですよね~!!!

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    1. きぬえさん、
      は〜い、帰ってきました〜

      でしょでしょでしょ?
      先程静岡にいる友人からメールが来ました。
      まるで性犯罪者のように居場所チェックされていて驚きました、って。
      そうなんです!
      自分らが政策失敗しておいて、その上オリンピックとか開催して国民を危険にさらすな!って腹が立ちますね。

      それにしてもきぬえさんの存在が今日はとっても近く感じられます^^

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  2. おはようございます
    長時間のフライト、入国の関所みたいな難関、位置情報おつかれさまです
    ブログを読みながらなんとなく疑似体験させてもらってます
    今はまだコンビニ食なようですが、もう少ししたら思う存分お好きなものを見つけて楽しまれてくださいね
    日米では、入国審査の対応が雲泥の差
    どちらのお国も官僚の先生たちは、似たようなコトしてるんですねー


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    1. ケイさん、
      こんばんは〜。そちらはもうすぐ夜8時ですね。
      ありがとうございます!入国の関所は思ったよりも多かったけど、係員の方々は本当に丁寧で親切なので安心感がありました。日本のいいところですね。
      はい、テラスカフェでランチ、三越のお弁当などじわじわと美味しいもんしか食べたないで〜、に移行しつつあります。
      とはいえ、実はコンビニとかスーパーのおにぎりとかでいい、と思うところも8割方あります。
      要は日本だと何を食べてもそれなりに幸せなんです。

      日本もアメリカも、善意のかたまりのような官僚の方々もいれば、どこかに消えてくれ〜と言いたくなる方もいるのでしょう。
      でも、やはり日本にいると安心感がありますね。

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