ホームに行くと父は暖房がきいてムンムンする部屋で、厚着をした上に分厚い毛布とお布団をかけて機嫌良く座っていた。
次男とマリーが東京から京都に移動して来た日曜日、京都駅からそのまま2人をホームに連れて行った。
家の前の桜が咲いた |
次男とマリーが東京から京都に移動して来た日曜日、京都駅からそのまま2人をホームに連れて行った。
なんと父は次男を覚えていた。
長男の名前も覚えている。
マリーを紹介し、来年あたり結婚するかもと言うと『コングラチュレーション!』と大きな声で言う。
とにかく機嫌のいい父はノンストップでしゃべる。
若かった頃自分は背が高い方だった。
163㌢の身長は当時は大きいと怖がられるくらいだった(そうだろうか、ギモン)、だから娘たちも背が高い。
父にとってこれは自慢話なのだろう。
次男は父の話すことがなんとなく少しわかる、という程度だがどんな話題なのかついていけるようだ。
始終和やかな雰囲気でマリーも話の輪に入ってくる。
『東京から移動してきたばかりで、時差ぼけもあるから今日は早く帰ろうか。
そんな気持ちが嬉しくて、涙ぐむ私を見て次男が涙ぐむ。
それを見てマリーが涙ぐむ。
一度涙腺の蓋が外れるとちょっとしたことで涙が出てくる。
するとまた次男が私の顔を見て涙ぐむ。
それを見てマリーが涙ぐむ、というシステム(?)が出来上がってしまったようだ。
高校時代、ラクロスの試合で負けると怒って自分の部屋に行き、ドアを大音響で叩くように閉めていた次男。
爆発する怒りに家中が暗いムードになってしまっていたが、次男が泣く姿は見たことがなかった。
それでも次男は嬉しい発見をしたようだ。
今度はニヤニヤとし始める。
自分はいい遺伝子を受け継いでるかもしれない、と言う。