2014年1月1日水曜日

父との元旦

多分今年が父の最後の家での元旦になると思ったから、昨日から家に帰って2泊する計画をしていた。が、父はお正月に家に帰って風邪をひくと大変なことになる、病院も閉まっているし、と不安がる。結局元旦の朝父をホームに迎えに行って、お昼と夜を家で食べてからまたホームに帰る、調子がいいようなら一晩家に泊まり明日帰る、という計画に変更した。

我が家で用意したおせち料理

11時に父を迎えに行く。父は何か忘れ物があるんじゃないか、と不安がる。何かを忘れたら取り返しがつかない、とでもいうような不安がりかたでイライラするが、我慢する。自分がこんなことでストレスを受けるのはバカバカしいからだ。なにしろ父の不安の訴えは度を越している。対処していると気が狂いそうになる。

家に帰っておせち料理、おかゆ、お雑煮と用意する。父はお酒を少し飲みたいようだったが、ビールにしよう、と言ってこっそりノンアルコールビールを用意した。父はビールと信じて飲んでいたが、やはり味に物足りなさを感じたようで、お酒が飲みたいなあと3分おきに言う。お酒は薬の副作用が出やすくなるからダメ、と納得させるのだがやはりまた3分後に同じことを言う。ここでもまた気が狂いそうになる。

父用おせち
電気毛布を膝に乗せてあげて、その上から毛布をかけても父は寒い寒いと言い募る。食後お布団に入らせたが、父の頭の中では『寒い、風邪をひくかもしれない、病院は開いていない』ということがぐるぐる廻っているようだ。ベットの中から、そばにいてほしいと言う。勿論そんな父の不安に付き合ってはいられないので、断って2階に上がる。

しかし、すぐ父の呼び声が聞こえる。不安なのだそうだ。家にいたくない。ホームに帰りたいと言い始める。まだ1時半だ。ホームには帰るとしても7時頃がいい。なにしろ夕食は家で食べて来ますと言ってあるのだ。

実はおせち料理はできあいのものを買ったんです
が、父は5分おきに階下から呼ぶ。もう家にいられない、寒過ぎる、風邪をひく、と念仏のように唱えているのだ。

結局ホームに帰ったのは4時半。おにぎりを作っておせち料理を詰めて行っていたので、それを部屋で食べさせて5時半に帰宅することにした。が、父は不安でいてもたってもいられない、という状態になっている。

が、こっちももうストレス飽和状態で、父とあと5分も一緒にいるのも耐えられない、という気持ちになっている。スタッフが大丈夫、心配ないからと父に声をかけてくれているのをいいことに、着替えなどの手伝いを頼んで帰ることにした。

父が死んだあと『父がまだ完全にボケてなかった最後のお正月にもっと我慢してつきあってあげたら良かった』と後悔するんだろうなあ、と思いながらの帰り道だった。いつもそうだが、そういう気持ちの時家に直帰できない。元旦にも開いている近所のスーパーに寄ってカプチーノを飲んで帰ることにする。何とも言えない重苦しい気分だった。

スーパーにあった超小型コタツ
アプが入ったらいっぱい、というぐらいの大きさ
このかわいらしさ、なんだか和む・・・