これは一言で言えば考えるサーモスタットだ。
アメリカの家は日本と違って、家全体がサーモスタットで管理されている。
例えば摂氏18度に設定しておくと、 一年中家中が18度に保たれる。
このNestは人工知能が搭載されているので、その家の住人の好む温度を学習して、自動的に温度を調節するのだ。
最初は住人が温度の調節を自分でする。
そのうちNestが学習して、冬の寒い朝は住人たちが起きる頃に快適な温度にしておいてくれる。
誰も家にいないのにエアコンがついていたら、勝手に消したりもする。
だから、節電にもなるというわけだ。
スマホやタブレットで外出中に遠隔操作もできるので、例えば家に残して来た犬が暑いかもしれない、と思ったら温度をあげられる。
しかし考えてみれば、今やパソコンやスマホでしていることはすべてお見通しだ。
自分の一番好きなことが何か、という個人情報なんてもうばれてしまっているのだ。
例えば私の場合だとパソコンでブログなんか読んだりしていると、洋服の宣伝ばかり出てくる。
オンラインで洋服を買うことが多いからだ。
そして、飛行機やホテルなど旅行関係の宣伝。
そう考えると銀行のオンラインシステムなんか怖いなあ、と思う。
しょっちゅうパスワードを変更しないと、何が起きるかわからない。
通帳とカードを持って銀行に出向く方が安全なのだろうが、ついつい便利さに負けてしまう。
このNestを壁に設置したあと、その前を通るとセンサーでパッと温度が表示される。
どうも監視されているような気がする。
2001年宇宙の旅という映画を思い出す。
コンピューターのハルが人格を持つようになる、あれだ。
宇宙空間での作業を終えたあと宇宙船に戻ろうとするデイブを阻止しようとして、宇宙船のドアを開けないハル。
我が家のNestは、夜中にどんなに寒くなっても一階のサーモスタットは決してつかないように、53度(摂氏12度ぐらい)に設定してある。