今の職場を辞めたくてたまらないのだ。
が、そう求人のある職種ではないので、なかなか転職できない。
普通求人があるとまず願書を出し、まず電話審査 (telephone screening)、あるいはペーパーテストなどがある。
そこを突破すると次は会社に行っての面接 (on-site interview)。
長男は、この電話審査(これは第一段階)突破、第一次面接(第二段階)突破、昨日の第二次面接が第三段階だった。
会社によっては最初の審査からオファーが出るまで、半年以上かかるところもある。
次男の場合は速かった。
5月3日の日曜日にニューヨークから帰り、翌日の月曜日に上司から水曜日にリストラされる可能性を伝えられた。
その日の午後新しい会社の電話審査、水曜日の午後1時に正式にリストラされ、金曜日に第二段階である新しい会社に行っての面接、採用はその場でほぼ決定。
早ければ今日中にオファーを出します、と言われたが、結局正式なオファーが出たのが月曜日。
次男がこの会社に決めます、と返事をしたのが2日後の水曜日。
その日の午後には採用書類がメールで送られてきた。
つまり、電話審査からオファーまでは1週間。
正式に雇用が決まるまでは10日間。
こういうスピード雇用だと親も心配しない。
が、長男の場合延々と長いプロセスなので、親はやきもきする。
なにしろ長男は今の職場でやりがいを感じていないので、とても不幸せなのだ。
それを知っているから、かわいそうでたまらない。
28歳の大人なのだから、放っておけばいいのに、殆どしゃべらない長男を見ると不憫でたまらない。
去年の5月にサンフランシスコで仕事が決まって引っ越した次男も、 今度はシリコンバレーで転職して 、家にまた帰ってきた これは玄関に延々と置いてある荷物の一部 |
昨日の面接がうまくいったと感じている長男は、久しぶりにガールフレンドの家から帰ってきた。
その表情は明るく、次男やマリーともよくしゃべる。
そんな長男に『もし転職が決まったら』という前提で色々質問したくなる。
長男も嬉しそうに答える。
久しぶりに和やかな時間だ。
が、長男が席をはずした時、次男が私に注意する。
最後の最後まで何があるかわからない、求人自体がキャンセルされることは日常茶飯事なのだから、あまり質問しないように。
自分だって仕事のオファーが正式に出るまでは、あまり先のことを計画しないようにしている、ということ。
あまり盛り上がらせてはいけない、とわかってはいても、どうしても日本に行く前に少しでも状況を知りたい。
だから色々と質問してしまう。
これでダメになったら長男がどんなに落ち込むだろうか、と思うから結果を見届けてから日本に行きたかった。
でも間に合いそうにないので、感触だけつかんでおきたい。
転職が決まったら父も喜ぶだろう。
父は長男が薄給で働いているのを知っている。
でも長男には長男のいいところがあるから、いつか自分の才能をいかせる仕事につくことができるだろう、といつも言っていた。