2015年5月4日月曜日

お上りさん

次男とマリーがニューヨークから帰ってきた。サンフランシスコ空港まで迎えに行ったあと、空港に近い木炭屋(MOKUTANYA)というレストランで夕食を食べながら話がはずんだ。水曜日の夜中に飛ぶユナイテッドのフライトで、木曜日の朝6時にニューヨーク到着、木金土と3日間目一杯遊んで、今朝JFK空港から帰ってきたのだ。

サンフランシスコ空港ターミナル3
表示はとてもわかりにくい
3日間で33マイル歩いたということ。つまり53キロだ。飛行機の中では眠れなかったが、木曜日にマンハッタンに着いてからは、まあ信じられないほどの観光をしている。例えば木曜日セントラルパークのそばのホテルに荷物を預けたあと、タイムズスクエア、ブライアントパーク、図書館、グランドセントラル駅、SOHO、ブルックリンまで歩いて橋を渡り、フリーダムタワー(ワールドトレードセンター)、NOHO、と廻ったということだ。

ブルックリン橋

Freedom Tower

マンハッタンとブルックリンをつなぐ橋は歩いて渡れる

マリーの伯父さんがマンハッタンに住んでいる。SOHOにある会社で働く伯父さんのオフィスにも行き、SOHOのレストランに連れて行ってもらいランチを食べた。夜は次男とマリーと二人でお寿司を食べに行き、ホテルに帰ったのは10時、とすさまじいスケジュールをこなしている。

3日間ともそういう日程で動き、本当に楽しかった、ニューヨークにこれからしょっちゅう遊びに行きたい、などと言っている。なにはともあれ無事帰ってきたし、楽しい旅だったようでホッとする。

が、食事をしながら詳しい話を聞くと、う〜む、とうなるようなエピソードが次々と出てくる。

MOKUTANYA店内

ソフトシェルクラブサラダ
お料理はどれもおいしかった

まず、夜の10時半にサンフランシスコ空港から出たユナイテッドのフライトでは、WiFiがつながらなかった。映画も一切見られない。ハードドライブに入れていた映画を持って飛行機に乗り、パソコンで見るつもりだったが、ハードドライブを持ってくるのを忘れてしまった。だから寝るしかない。ところが古い機種の天井からは、自分の座席にポタポタと水が漏れてくる。結局一睡もできなかったということだ。

乗務員にそれは言うべきだったのに、と思ったが『帰りのフライトは快適だった、映画もオンデマンドで見られたしあっという間に時間が過ぎた』と聞いて、それは良かったねえ、と言うだけにしておいた。とにかく旅慣れていないのだ。旅慣れた母は『そういうのはしっかり文句を言って、ちゃんとした座席に替えてもらえばいいのに。』と心の中で思うが口に出しては言わない。

ニューヨークからサンフランシスコまでは
6時間40分のフライト

ニューヨークの空港(Newark)からマンハッタンまではバスに乗れば安いのだが、チケットを買いにカウンターに行った時、そこにいた女性にもらったインフォメーションに従って外に出ると、なぜかタクシーに乗せられてしまった。タクシーは道を間違えてマンハッタンまで2時間近くかかった上、100ドル取られたと言う。典型的なお上りさんではないか。『まあ、それも経験経験。次回はタクシーなんてもっと安いということを覚えておきなさい。』とにっこりと笑って見せる。

が、心の中は煮えたぎっている。Newarkからマンハッタンまでのタクシー代は一律50ドルなのだ。息子のお財布から100ドルもだまし取った運転手の首をしめたいぐらいだ。私だったら払わない。道を間違ったのはあなたの責任である、故に定額しか払わないとおごそかに言う。

夕食のあと、先々週行ったアパートのそばにあるJoy's Placeにまた行き、かき氷を3人ですくいながら旅慣れてないお上りさんの話を続ける。

いつ行っても空席なしのJoy's Place
ホテルをチェックアウトする時、インターネット接続料金として1日20ドルを請求されたという。それもインターネットはほとんどつながらず、結局自分のスマホでホットスポットを作って接続したのだそうだ。なのに言われるままに3日分60ドルを払ったという。

随分あちこちで損をしているなあ、と悔しいが何も言わない。言えばもっと悔しくなるからだ。旅慣れていないのだから仕方ない。何度も旅行することで私のように無駄のない旅ができるようになるのだ、と心の中で思う。

しかし、帰り道真っ暗な高速道路280号線を走っているうちに気がついた。

旅慣れているのか、自分?

もしかして
『おばさん』なだけ?