次男の初出勤日はその翌週3連休後の火曜日、5月26日だ。
シリコンバレーで仕事をするつもりがなかった次男も、新しい会社のキャンパスや食堂を見て以来期待値が上がったようだ。
我が家には今車が3台ある。
3人いれば3台ないと動けないのがシリコンバレーなのだ。
サンフランシスコでは車はいらない、とまでは言えない。
が、地下鉄、BART、Muni、ケーブルカー、Lyft(タクシー)を使えば、街の中での移動は比較的簡単だ。
我が家からマリーの会社までは34kmちょっとある。
シリコンバレーの渋滞はすさまじいので、昼間なら25分ぐらいの運転で到着できるこの会社も、朝は1時間以上かかる。
車以外の方法で行くとしたらバス、電車を乗り換えて2時間かかる。
だからまあ、車以外の方法がないとは言えないわけだが、バスが日本のように時刻表通りに来るなんてことは、ない。
時刻表よりも10分早くバス停に着いても、バスは乗客を時刻まで待つわけではない。
毎週火曜日の山歩きに行く時の渋滞(午前9時過ぎでこれ) 日に日に車が増えているように思える |
乗客がいなければそのまま10分早く出て行ってしまう(少なくともこのあたりのバスは)。
だから、次男がマリーの父から車を買った。
この2000年レクサスLS400は、もう数年ガレージに入ったまま誰も使っていない、ということだった。
理由は『動かない』からだそうだ。
それを2千ドルで売ってくれた。
ところが次男がバッテリーを新しいのに交換したら、動くではないか。
いい車を安く買えた、と思いながら運転していたら、道の真ん中で車は突然停まってしまった。
どうにか道の端に動かしたが、車は沈黙したまま。
牽引車で修理工場に、引っ張って行ってもらうしかない。
問題は全くない、新しいバッテリーに車が慣れていないだけだろう。
しばらく運転していれば車もこのバッテリーのことを学習して、ちゃんと走るようになると言われる。
う〜む、車って新しいバッテリーが入ったら、学習しないといけないのか?ホントに?
今度はちゃんとエンジンがかかった車を、次男が家に運転して帰って来た。
新しいプロジェクトができた、と嬉しそうに掃除機をかけている。
エクステリアも磨いてピカピカにしたいそうだ。
修理工場にも、この車は少なくともあと10万マイル(16万km)は走るよ、と太鼓判を押されたらしい(すでに27万kmを走行している)。
エンジンが大きく、我が家にあるどの車よりもスピードが出る、などと喜んでいる。
夫もマリー父からもらった車のメンテナンス記録を、嬉々としてエクセルでチャートにしている。
なにしろチャートを作って、色々な記録を電子ファイルにするのが大好きな人なのだ。
この車は我が家のビーター (beater) になると言っている。
つまり、英語のスラングでオンボロ自動車、どんどん走行距離を加算しても気にならない車という意味らしい。
今週末サンフランシスコに行く時も、このビーターを使おうと喜んでいる。
今週末は、次男とマリーが少しずつ荷物を移動し始めるのだ。
それにしても大丈夫なのだろうか。
なんといっても長い間動かなかった、走行距離27万kmの車なのだ。
今まで中古車を買っては故障して、修理工場に持っていくという経験を何度もしたのに?
学習が必要なのは、もしかして我が家の男たちなのでは?