2014年6月7日土曜日

アメリカの介護サービス

父がホームの食堂で転倒した。昨日の夕食後のことだ。姉の職場にスタッフから電話があったらしい。骨折もなく大丈夫だったが、これから転倒の心配が増えそうだ。このところ父はどんどん身体機能を失いつつある。

今回のお土産
認知機能の低下にも加速がついてきた。新しい記憶から失って行くので、息子たちが父に会いに行っても、もう認識できないかもしれない。それどころか、姉や私のことも今年中にわからなくなってしまうかもしれない。

そんな悲しいことを考えながら日本行きの荷造りを始めた。Trader Joe'sやペットショップでお土産を買い、iPadで読むためのKindle版の本を買う。iPadのメモリーがそろそろいっぱいになってきたので、読み終わった本や雑誌はiCloudに保存して、iPadからは削除する。


ところが、その中に買った覚えのない本が一冊あった。横山秀夫の短編集だ。好きな作家は、桐野夏生、佐野洋子、篠田節子、垣根涼介、奥田英朗などなどだが、横山秀夫というのは聞いたことがない。この作家のことは知らないし、その上この本は『警察小説』だ(そうだ)。どうしてこの本がiPad Kindleに入っているんだ?

理由は勿論一つしかない。私がアマゾンで買ってインストールしたからだ。なのに、全く記憶にない。これは怖い。

やはりいずれは認知症を発症するかもしれない。いや、もう始まっている可能性が高い。会話が大事ということなので、最近は友人ともよく会っておしゃべりするようにしている。が、それでは大して頭を使っているわけではない。頭を使わない人=認知症を発症する人、というわけではないが脳トレが良いと言われているのだから、やはり頭は使わないよりは使った方がいいのだろう。

夕べ行ったスタンフォードでは
ジャズのアウトドアコンサート
をしていた
アメリカの高齢者はどんな介護施設で生活しているのだろう。調べてみたが日本と同じで理解するのはなかなかむずかしい。とにかく一言で言うなら、アメリカ政府は原則的に個人の生活に干渉しない、ということだ。

アメリカの介護施設はピンキリで設備の整ったassisted livingやnursing home(ナーシングホーム)など比較的お金のかかる所から、メディケイドという貧困層のための保険を使って入れる施設まである。勿論お金持ちは24時間ケアしてくれる人を雇う。

中間層が一番困る。アメリカには日本のように公的な介護事業や介護計画がないらしい。介護サービスは私的に購入することが基本なのかもしれない。ナーシングホームに入るには、まず自分の全財産を使わないといけないということを聞いた事もある。だから、アメリカ人は子供たちに財産を先に贈与しておくこともある、と。

これは重大なことだ。よく調べて先の計画を立てておかないといけない。

昨日夕ご飯を食べたスタンフォードのレストラン
女性の一人客が多いのにびっくり
皆おひとりさまが好きなのね