金曜日には父の所に行ってあげられる、と思ったのもつかの間。
アメリカの病院での診察風景をここに少し書いておく。
勿論病院によっても違うし、保険によっても違う。
いつもは小さな開業医に行き、手術や検査のためにラボに行ったり、設備の整った施設に行くという人も多い。
ただ診察室での手順は同じようなものだと思う。
まずはオンラインで予約をする。
急ぎの場合は電話。
勿論パソコンを使わない人も電話予約することができる。
予約時刻に受診する科の窓口に行き、名前を告げる。
受付の職員が、住所や生年月日を聞いて本人かどうか確認する。
定期的に身分証明書の提示が求められる。
それから待合室で看護師の案内を待つ。
待合室の奥には複数の診察室がある。
この待ち時間は大体10分くらい。
看護師さんが待合室に来て自分の名前を呼んだら、一緒に診察室のあるエリアまで歩く。
旅館で仲居さんに部屋まで案内してもらうような感じ。
その間もう一度個人情報の確認と、ちょっとした会話をしながら体重測定。
診察室では看護師さんが簡単な問診、血圧、体温、酸素量を測定する。
看護師さんは退室。
お医者さん登場。
初対面ならお互いに自己紹介をして握手。
主治医の場合は、久しぶりに会った友人のようにハグ。
実際今まで感じの悪いお医者さんに遭遇したことは皆無。
そりゃそうだろう。
これだけの支払いをしているのだ。
主治医は内科医で総合的な分野においての診察、Family MedicineあるいはInternal Mediconeと呼ばれる。
診察代は2万円ぐらい。
専門医の場合は5万円。
これも病院によって異なる。
お医者さんがパソコンでカルテを見ながら話す。
診察後はその日の血圧などの記録、話したことなどの記録、などなどがオンラインで見られる。
他のお医者さんにカルテを送りたい場合は、パソコン上でクリックするだけ。
診察料金、保険会社の支払い状況はオンラインで確認。
残高があればオンラインで支払う。
私の場合お医者さんに行くと毎回20㌦。
泌尿器科のお医者さんはタイ系アメリカ人ドクターF。
とても気さくで感じのいい30代の男性だ。
しばらく世間話をしたあと、現在の状況をCT画像を見ながら説明してくれる。
「今朝排石された石はここ、尿管に詰まっていましたね、
あと3つは3㍉、5㍉、これは自然に排石されるかもしれないけど、もう1つは6.7㍉。
これは多分自然排石は無理でしょう。
どれも腎臓と尿管がつながった部分より下にあるので、逆立ちをしても簡単には上がって来ません。」と笑う。
詰まっている石が出たのだから、あとはもう少なくとも数年は大丈夫、その間に何か対策を考えればいい、となんとなくお気楽に考えていた。
面倒なことは後回し、といういつもの性格というか。
なのに、ドクターFは「バケーション中に激痛が始まったらいやでしょ?」と言う。
ドクターFの患者の中に、ハワイでスノーケリングをしている最中に、激痛が始まった人もいるらしい。
それも沖から30分の地点で。
実は私も血尿があった翌日日本に行く予定だった、という話をしたら、そうでしょ?だから今のうちになんとかしましょう、ということ。
そうかあ、そう言われればその方がいいような気もする。
このESWLという機械による処置で、80から90%の石が破砕される。
目標は石が粉々になり、砂状で出て来ること。
尿管ステントを入れることで、砕かれた石が出やすくなる。
ステントを入れている間は膀胱炎のような違和感がある。
抗生物質を3日間服用する。
ESWLで石を全部取り除く事ができない場合は、次の段階。
ESWLは外来手術で1時間ぐらいかかる。
全身麻酔で行います。
そりゃそうでしょう、胃カメラでさえ全身麻酔なのだから。
以前はお風呂に入りながらの手術でしたが、残念ながら今はお風呂を楽しむことはできません、とドクターFは笑う。
一番気になった血管の石灰化について聞いた。
これは加齢によるもの。
皆多かれ少なかれあります、ということ。
ホンマかいな。
どうもこれに関してはすっきりしない。
結石を作らないようにするには、一日1.5ℓのお水を飲むこと。
これが大事ですと言われる。
手術は来週。
明日血液検査と心電図を取る。
今日から血を薄めるタイプの鎮痛剤は飲んではいけない。
飲むならTylenolという薬。
手術前日の夜中から飲食禁止。
緊急手術などが入った場合、予定が変更になることもある。
術後少なくとも2週間ぐらいは、日本に行かない方がいいと思う、というアドバイス。
一昨年までは、この病院には1年に2度ぐらいしか行ってなかった。
一度も行ってない年もある。
なのにこの2年間は足しげく通っている。
日本の人間ドックの方が効率的なのではないだろうか、と最近思うようになった。
西洋医学は対症療法、東洋医学は予防医学。
いや、対症療法に関しても西洋医学の方が必ずしもいいとは言えない。
事故にあった時の治療と歯医者さんぐらいかもしれない。
アメリカの医療が進んでいるのは。
お水を飲めと言われても、漢方では水毒と言われているのになあ、と困る。
もっと健康に気をつけないと時間とお金もかかるし、何よりも日本に行けない。
一日も早く行かないと、という焦りがある。
どうやってユナイテッドのフライトを変更すれば、変更料金が少なくてすむか、という課題に今日から取り組む。
悩ましい。
運動不足解消のために始めた、スローステップをしながら悩む。
これはためしてガッテンで紹介された運動だが、意外にも結構な運動量があるのに驚いた。
右足で上がり右足で降りる、次は左足で上がり左足で降りる、と出す足を交互にするのも結構頭を使っているようだ。
なかなか良い。
ステップはお店で買うと55㌦。
これは雑誌を積んでその上に籠を載せただけ。