書斎には白い椅子を置く。この椅子にはフリンジがついていてインテリアに合わないので、今までは寝室に置いていた。が、ふと思いついてフリンジを取れば書斎に合うのではないか、と気がつく。引っ張ったら意外と簡単に取れた。思った通り書斎にピッタリだ。満足。
うちの犬ではありません |
旅行に関してもこだわるから、旅行バックや旅行ファッションを研究しつくす。このこだわりは特にインテリアに関して強い。小さい頃は人形で遊ぶ時も、洋服の着せ替えには余り興味がなかった。それよりも人形の家の方に興味があった。濃い茶色の棚の一段に人形のベットもどきを置き、自分で刺繍した布でお布団もどきを作ったりして喜んでいた。
だからキッチンのプロジェクトも、これが完成した時点で、自分の好みのインテリアになっているのだろうか、と不安になる。こだわるくせに、私には美をまとめる才能がないからだ。全てに関して中途半端なのだ。だから、ファッションデザイナーにも、インテリアデザイナーにもなれない。この写真が昔から好きな色合いだ。
小さい頃はインテリアデザイナーか漫画家になりたいと思っていた。小学校6年生の時、お金持ちの友人、慶子ちゃんのうちに遊びに行った。慶子ちゃんの部屋には赤いカーペットが敷いてあった。ベットカバーはピンクだ。その色の組み合わせはさておき、ベットカバーというものを実際に見たのは初めてだった。衝撃だった。
それ以降数年間、オブセッション(何かに取り憑かれていること、自分を惹き付けるもの)はベットとその周りのインテリアになった。ベットを美しく飾ること。まずは家に帰って慶子ちゃんの部屋のベットを絵に描いてみた。その上に真っ白の枕カバーに包まれた大きな枕を載せる。当時大きな枕というものは、私の周囲の世界には存在しなかった。しかし、週刊マーガレットに連載されていた、わたなべまさこの漫画には存在した。
絵の中では慶子ちゃんのピンクのベットカバーの上に、わたなべまさこの漫画で見た、フリルがついた真っ白い大きな枕を載せる。全体に色を塗る。それを見てため息をついていた。
それから10年以上たって、ラルフ・ローレンが独自のインテリアを発表した。それまでアメリカではベットメイキングというのは、ホテルのようにベットにカバーと枕がキチンと置かれている状態のことを意味していた。ラルフ・ローレンがそれを変えた。
従来のベットメイキング |
ラルフ・ローレンがベットメイキングの世界を変えた |
とにかく、私の中のこういうこだわりは、今でも続いているのに気がついた。好きな色合いのインテリア写真があると切り取って保存する。切り取ったものは劣化するから、写真を撮ってパソコンにも保存する。それを見つめる。特に好きなものは10年以上たっても、時々取り出しては見つめる。どの色がどういう風に重ねてあるから、こんなにステキなものになるんだろう、と延々と見つめる。
余りにこの写真が好きなので、絵の具を使って描いてみる。描いているうちに使われている色のメリハリがわかってくる。そうか、ここにこういう素材のこういう色を置いているから、こんなにステキな雰囲気になるんだ、と理解する。
つまり、6年生の時に慶子ちゃんの部屋に憧れて、絵に描いて塗り絵をしたのと同じ感覚だ。
しかし、この『こだわる』性格は誰かに似ている。そう。父だ。
怖い。