2013年8月13日火曜日

ユーミン

宮崎駿の映画『風立ちぬ』は、ゼロ戦の設計者・堀越二郎と作家の堀辰雄をモデルに、1930年代の日本で飛行機作りに情熱を傾けた青年の姿を描くアニメらしい。劇場予告を見たらその映画を見たくなった、と長男が言うのでYouTubeで見てみた。




宮崎駿の映画を見るとどれも胸がキュンとする。片想いをしていた頃を思い出すからだ。そして、この映画の音楽は松任谷由実の『ひこうき雲』だ。久しぶりにユーミンの音楽を聴いて、他の曲も聴きたくなった。アマゾンを見るとデビュー40周年記念CDが出ていた。試聴してみる。

もう胸がキュンキュン。70年代80年代を思い出してしまった。あの頃の恋心がよみがえって来る。音楽ほどその時代をまるごとよみがえらせるものはないと思う。その頃出会った人、片想いした人へのやるせない気持ち、学校のあとのアルバイト、アルバイト先の人たち、全部思い出した。



父は最近思い出話をよくする。老人ホームに入る前は、思い出話をじっくり聞いてあげる事も余りなかった。ホームに入ってからは、父と一緒にソファに座って話を聞く機会が以前に比べてずっと増えた。ホームに行くと、父に100%注意を向けてあげることになるからだ。

行くと2時間ぐらいホームにいるので、みっちり話す。母と初めて会った時の話も、最近になって聞いた。父は戦後英文タイプの学校を3つ開校した。その3つ目の学校でのアシスタントを募集する新聞広告を出した際、応募してきたのが母だった。父が死ぬ前に聞いておいて良かった、とつくづく思ったものだ。



以前は聞いたことのない話が次々と出て来る。その中にゼロ戦に乗る兵士の出撃前夜の話も出た。ところが父は思い出して泣き始める。もう話したくない、と言う。余りにもつらい思い出らしい。

この映画がDVDになった時に、父と一緒に観たいと思った。最近父は理解力が落ちているので、横で説明しながら一緒に観てあげる方がいいだろう。果たしてその頃父は映画を理解することができるのだろうか。