Amtrakでの小旅行

アメリカ人はジョークが好きだ。日本では考えられないような状況でジョークが出る。

数年前サンノゼからコロラドに行く飛行機に乗った。離陸して水平飛行に入った時機長のアナウンスがある。『皆さん、こんにちは。今日は余りにいいお天気なので、コロラドに行くのはやめて、進路をホノルルに変更しました。』機内はイエ〜〜イ！という笑い声でいっぱいになった。

さて、Amtrakについてもう少し。

日本では考えられないことだが、Amtrakの運賃は日によって違う。例えばシアトルからロサンジェルスまで３月２日出発で調べると＄１７７。４月６日だと＄１４１。５月４日は＄１１３。つまり、チケットを買うのは早ければ早いほどいいということになる。

ただ、夏は高くなる。６月から８月のチケットは今購入しても＄１７７。Amtrakに関して情報交換をする掲示板を見ると、出発当日の朝安いチケットを購入した、という人もいるようだ。

昨日書いたCapitol Corridorでサンノゼからデイビスに往復すると仮定する。明日のチケットは往復で＄６４。車での往復だと＄４３。３６８kmをレギュラーのガソリン１ガロン（３．７８５ℓ）＄４．１９、１ガロンで４０km走れるとして計算した。ベニシア橋の通行料金＄５も含まれている。ということは電車の往復料金の方が高い。

往復３６８㌔というのは京都から岡山までぐらいの距離だろうか。とすると、新幹線往復で１２０００円。所要時間は４時間。日本での車での移動にかかる金額については、知識がないので比べることができない。が、やはり日本の方が電車での移動はずっと便利だし楽しい。なにしろアメリカでは地方駅の施設はお粗末で、駅で遊ぶということは大都市でしかできない。

昨日書いたCapitol Corridorに乗った時のことだ。デイビス発１２時半。サンノゼには３時半到着予定。その間、停車駅は１０ある。しかし駅でもない所にも頻繁に停まる。停まる度に短い説明のアナウンスがある。信号待ちです、メンテナンスをしています、などなど。そして１０分もするとまた停まってしまう。

３時間でサンノゼに着くのは無理だな、３時間半かなあ。まあいいお天気だし、ゆったりと構えてアメリカの電車を楽しもうと考えることにした。

それにしても停まるところは草原の真ん中ばかりだ。強い日差しで焼けた広大な野原を見つめながら、電車が動き始めるのを待つ。

そのうち停まる理由のアナウンスもなくなってきた。もうとっくに３時半は過ぎた。一体どうして停まっているのかわからない。だんだんイライラし始める。

しかし、他の乗客を見ると別に気にしている様子もない。皆穏やかに談笑している。それにしても動かない。一体何なんだ！と思ったらやっと動き始めた。しかしまた停まる。また動き出す。その繰り返し。あ〜、お菓子でも持って乗れば良かった、と思うが時すでに遅し。勿論車内販売などない。

突然やけに明るい口調のアナウンスがあった。『みなさ〜ん、今日はいいお天気ですよね。あちこちでガレージセールをしているのを見つけて、ついつい停まっていたら遅くなってしまいました。すみませ〜ん。』

サンノゼに着いた頃には日が暮れていた。