なにしろアメリカの眼科で『網膜剥離が起きたら云々』と脅されて以来、目のことが気になって仕方ない。
が、いつも行くK病院で4人の眼科医に会ったが、どの医者もイマイチ信頼することができなかった。
よし、それならば日本で行ってみよう、スーパードクターと言われるF眼科医。
テレビや雑誌などでの知名度も高い。
この有名なF眼科医の診察を受けてみよう、と思って4ヶ月前に予約したのだった。
万が一日本にいる間に網膜剥離が起きたら、このF医師に手術してほしい。
8時半に予約はできたが、それでも診察は一日かかると思っておいてくださいね、と言われる。
患者数は一日200から300人ぐらいらしい。
8時半の予約だが、7時45分に到着したらすでに8人ぐらい待っていた。
その人たちと話すと、どの人も他の大学病院で網膜剥離や白内障の手術を受けたものの、予後が悪くF眼科に連絡した。
すると、すぐ手術をし直しましょうと言われ、九州や東北から来て近隣のホテルに滞在している、ということ。
8時20分ぐらいにガレージのドアが開き中に入る。
まずは検査室に行き、10項目の検査をすることになる。
屈折検査
矯正視力検査
精密眼圧測定
細隙燈顕微鏡検査(前眼部及び後眼部)
角膜曲率半径計測
精密眼底検査(両側)
レーザー前房蛋白細胞数検査
光学的眼軸長測定
細隙灯顕微鏡検査(前眼部)後整体染色再検
涙駅分泌機能検査(シルメル法)
矯正視力検査
精密眼圧測定
細隙燈顕微鏡検査(前眼部及び後眼部)
角膜曲率半径計測
精密眼底検査(両側)
レーザー前房蛋白細胞数検査
光学的眼軸長測定
細隙灯顕微鏡検査(前眼部)後整体染色再検
涙駅分泌機能検査(シルメル法)
というリスト。
この10項目の検査はいっぺんにあるわけではない。
1つがすむと待つ。2つすんでまた待つ。と延々と待つことになる。
その間、鹿児島から来ているという70代と40代の母娘と仲良くなって、ノンストップでおしゃべりをする。
待合室は患者で溢れかえっている。
診察室は3階。手術室は4階5階、などとエレベーターで移動するのだ。
なんでもF眼科医の、医食同源という主義からできたレストランだそうだ。
検査が7、8 項目ぐらいすんだところで、F医師ではなくS医師の診察を受け瞳孔を広げることになる。
私の目の状態は緊急性もないので、F医師ではなくS医師の診察になったのだろう。
それはいい。
いざとなったらF医師に会えるのだろうから。
昼食のあといくつか検査をして、もう一度S医師の診察を受ける。
眼の中にコンタクトを入れて詳しく見たあとS医師が、私の視力は1.0と0.7なので網膜剥離の可能性がそんなに高いわけではない。
網膜剥離はどちらかと言えば近視の人に起きやすい。
白内障もそう進行しているわけでもない。
ただ、剥離が起きた場合決して他の病院で手術しないでください、うちに来てください、と念を押される。
とても穏やかで知的な印象のS医師に好感を持つ。
実はこの検査機器を見た時点でかなりびびっていた。
なぜなら私には医療保険がない。
一体いくら支払うことになるのだろう。
10万円?
20万円となると、手持ちのキャッシュがない。
最初にいくらか聞いておけば良かった。
なのに、初診料とドライアイの点眼薬込みで、13000円ちょっとと言われた時はびっくりした。
アメリカではありえない。
そもそも西洋医学よりも中医学とか漢方の方に興味がある。
西洋医学は対症療法なのに比べて中医学や漢方は未病(病気の一歩手前、病気になる前の状態を表す中医学の言葉)を防ぐための医学だと信じている。
そのためには日本で老後を過ごす方がいいのかもしれない。
いや、いい先生に出会うことができるかどうか、アメリカでも日本でもまずそれが一番大事なことではないか、と考える。
東京だとそういう選択肢も多そうだ。
とりあえず眼科はこれからも日本で行くことにした。
なにしろ日本の病院だと、待ち時間もいろんな人と話しているうちにあっという間に過ぎる。
素敵な靴をはいていた女性に話しかけたらおしゃべりがはずんで、また1時間がすぐ過ぎた。
東京にはフレンドリーな人が多いので、声をこちらからかければいくらでも話してくれる。
自分の靴を脱いで私に履いてみていいよ、とまで言ってくれる美しい女性。
こうしてあちこちで見知らぬ人と話せるのは、アメリカで長く生活しているせい?
だから私自身もフレンドリーだから?
お友達を作るのがうまいから?
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