2018年2月3日土曜日

老後の拠点5 東京-F眼科レポート

ちょっと古いが去年(2017年)の夏の東京の話。



去年の夏、東京での一番の目的は六本木にあるF眼科に行くことだった。



なにしろアメリカの眼科で『網膜剥離が起きたら云々』と脅されて以来、目のことが気になって仕方ない。



が、いつも行くK病院で4人の眼科医に会ったが、どの医者もイマイチ信頼することができなかった。



よし、それならば日本で行ってみよう、スーパードクターと言われるF眼科医。



テレビや雑誌などでの知名度も高い。



この有名なF眼科医の診察を受けてみよう、と思って4ヶ月前に予約したのだった。



万が一日本にいる間に網膜剥離が起きたら、このF医師に手術してほしい。



8時半に予約はできたが、それでも診察は一日かかると思っておいてくださいね、と言われる。



患者数は一日200から300人ぐらいらしい。



日本全国からどころか、海外からの患者さんも多いとか。

待合室窓から正面に見えるミッドタウン


8時半の予約だが、7時45分に到着したらすでに8人ぐらい待っていた。



その人たちと話すと、どの人も他の大学病院で網膜剥離や白内障の手術を受けたものの、予後が悪くF眼科に連絡した。



すると、すぐ手術をし直しましょうと言われ、九州や東北から来て近隣のホテルに滞在している、ということ。



8時20分ぐらいにガレージのドアが開き中に入る。



まずは検査室に行き、10項目の検査をすることになる。



屈折検査
矯正視力検査
精密眼圧測定
細隙燈顕微鏡検査(前眼部及び後眼部)
角膜曲率半径計測
精密眼底検査(両側)
レーザー前房蛋白細胞数検査
光学的眼軸長測定
細隙灯顕微鏡検査(前眼部)後整体染色再検
涙駅分泌機能検査(シルメル法)



というリスト。



この10項目の検査はいっぺんにあるわけではない。



1つがすむと待つ。2つすんでまた待つ。と延々と待つことになる。



その間、鹿児島から来ているという70代と40代の母娘と仲良くなって、ノンストップでおしゃべりをする。



待合室は患者で溢れかえっている。



診察室は3階。手術室は4階5階、などとエレベーターで移動するのだ。



1階にはレストランもある。

ビルもレストランも瀟洒な印象



なんでもF眼科医の、医食同源という主義からできたレストランだそうだ。



検査が7、8 項目ぐらいすんだところで、F医師ではなくS医師の診察を受け瞳孔を広げることになる。



私の目の状態は緊急性もないので、F医師ではなくS医師の診察になったのだろう。



それはいい。



いざとなったらF医師に会えるのだろうから。



検査がすむのは15時ぐらいになるので、一度レストランで昼食をすませてきてください、と言われる。

定食はどれも1000円

昼食のあといくつか検査をして、もう一度S医師の診察を受ける。



眼の中にコンタクトを入れて詳しく見たあとS医師が、私の視力は1.0と0.7なので網膜剥離の可能性がそんなに高いわけではない。



網膜剥離はどちらかと言えば近視の人に起きやすい。



白内障もそう進行しているわけでもない。



ただ、剥離が起きた場合決して他の病院で手術しないでください、うちに来てください、と念を押される。



とても穏やかで知的な印象のS医師に好感を持つ。



実はこの検査機器を見た時点でかなりびびっていた。



なぜなら私には医療保険がない。



一体いくら支払うことになるのだろう。



10万円?



20万円となると、手持ちのキャッシュがない。



最初にいくらか聞いておけば良かった。



とそのことばかりが気になっていた。

アメリカの眼科では見たことのないような検査機器が並ぶ


なのに、初診料とドライアイの点眼薬込みで、13000円ちょっとと言われた時はびっくりした。



アメリカではありえない。



そもそも西洋医学よりも中医学とか漢方の方に興味がある。



西洋医学は対症療法なのに比べて中医学や漢方は未病(病気の一歩手前、病気になる前の状態を表す中医学の言葉)を防ぐための医学だと信じている。



そのためには日本で老後を過ごす方がいいのかもしれない。



いや、いい先生に出会うことができるかどうか、アメリカでも日本でもまずそれが一番大事なことではないか、と考える。



東京だとそういう選択肢も多そうだ。



とりあえず眼科はこれからも日本で行くことにした。



なにしろ日本の病院だと、待ち時間もいろんな人と話しているうちにあっという間に過ぎる。



素敵な靴をはいていた女性に話しかけたらおしゃべりがはずんで、また1時間がすぐ過ぎた。



東京にはフレンドリーな人が多いので、声をこちらからかければいくらでも話してくれる。



自分の靴を脱いで私に履いてみていいよ、とまで言ってくれる美しい女性。



こうしてあちこちで見知らぬ人と話せるのは、アメリカで長く生活しているせい?



だから私自身もフレンドリーだから?



お友達を作るのがうまいから?



それともこの距離感の作り方はもしかして・・・

おばさんの距離感?

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