なにしろ父はものすごい力で抵抗するのだ。
これだけ力があるならまだ大丈夫だろう。
父がシャツを脱ぐのは、何かしらじっとしていられない辛さがあるからなのだろう。
ずっと同じ体位をしていることはしんどいものだ。
しばらくして落ち着いたところでシャツを着せて見守る。
そして午後1時にUターン。
父は朝より落ち着いている様子だったが、時々目を覚まして辛そうにしている。
介護マネージャーから廊下に出て少しお話ししていいですか?と言われる。
父が辛そうに見えることを相談すると、息遣いが穏やかなので辛くはないと思う。
痛みなどもないはずということ。
ただ高齢なのでいつ突然息を引き取るかわからない、ということだ。
今晩は父の横で泊まり込むことにした。
姉と一緒に父の体位変換をしてあげたり、目を清浄綿で拭いたり、口を湿らせてあげたり、と少しでも父が楽にならないだろうかと、色々試してみた。
田端義男の音楽をかけてブラシで髪をといてあげた。
父が穏やかになったところで、一旦帰り父の旅立ちの洋服を用意することにした。
とにかく痛みや苦しみがなく、穏やかに旅立ってほしい。