地下室と呼んでいるリビングルームの下にある部屋は、天井までびっしり物が詰まっていた。
去年夫が来て地下室から全ての物を玄関前まで出して、業者に来て引き取ってもらった。
今年はリビングルームの掃除をする。
リビングルームも足の踏み場がないほどの状態だったが、ここ数年で少しずつ片付けた。
その結果、家具や物は3分の1まで減った。
それでもこの↓状態だ。
とにかく父は全ての物をためこんでいた。
もらった携帯ティッシュから、取扱説明書、何のためのものかわからない電源コードなどなど。
正常な人間がすることとは思えないほどのゴミの量だ。
その中には銀行や役所からの書類もある。
なので、一枚一枚の紙をチェックし、一つ一つの袋や容器を開けて見て確認しないといけない。
今はプラスチックの引き出し類と、100円ショップで買ったプラスチック容器がたくさんある。
それをゴミとしてまた引き取ってもらわないといけない。
日曜日に夫が来たら1週間は片付けをして、物を減らす予定だ。
さて、夕方6時過ぎにホームに行くと、父が険しい顔で廊下のソファに座っている。
スタッフの一人が来て「午後から暑いと言わはって、夕食も食堂では食べたくない、ソファで食べたいと言うてはるんです。」とひそひそと教えてくれる。
父はその間にも「ちょっとぉ、ちょっとぉ。熱い食事では困る。冷たいのを持って来てくれんか。」と偉そうに言っている。
すぐ父の前に行って「特別に冷たい食事なんか作ってもらえるわけがないでしょう。そういうわがままはやめなさい。」と私が言う。
すると、父は私の顔を見て不服そうに「あんたまでそういうひどいことを言うんか。」とのたまう。
いつもの、とてつもなく憎たらしい父の態度だ。
スタッフはこんな父にこき使われて、他の入居者の世話をする時間もないのではないだろうか。
特に夕方は他の人たちの着替えなどを、2人のスタッフでこなさないといけない。
父の相手をしている暇はないのに、父が一番手を焼かせる。
だから、家族が行って面倒をみないといけない。
部屋に連れて行きゼリーで薬を飲ませて、どら焼きを食べさせたら、洋服がもうグチャグチャに汚れ濡れていた。
着替えようと父のシャツを脱がせると、父は背中を掻いてほしいと言う。
それが延々と右、左、真ん中、端っこ、もう一度!違う違う!と不愉快極まりない態度で言うのだ。
そうなると父はおかしくなってくる。
ホームを飛び出すかもしれない。
それで事故にでもあったら、家族は後悔してもしきれないという日々になるだろう。