2013年2月18日月曜日

日本語は習得が一番むずかしい言語?

昨日に引き続きいいお天気。半袖で外出できるほど暖かい。日本では手がかじかむほどの寒さと聞くと、京都にいる家族がかわいそうで罪悪感を覚えるが、やはりカリフォルニアの気候は過ごしやすい。ただ日本のように気温が下がらないから紅葉はさほど美しくないし、桜も色が違う。そういえばカリフォルニアでは日本ほど鮮やかな色の紫陽花も見たことがない。


今日は近所のWhole Foodsというお店にパソコンを持って来た。ここは自然食品のスーパーだが、買ってすぐ食べることのできるお惣菜もたくさんあっておいしい。インド料理、メキシコ料理、ピザ、サラダ、中華など多種類の食べ物があり、お昼休みに来て食べる人も多い。

インダストリー風のしつらえがオシャレ

食べるところは日本のフードコートのように席がたくさん設けられている。Wi-Fiも完備しているので友人と待ち合わせて一緒にコーヒーを飲んだりもする。Wi-Fiは2時間までの使用に限られているが。


窓際の席から外を見る


さて、今日はアメリカで日本語を教えることについて。


外国人にとって習得するのが一番むずかしい言語は日本語、と思っているのは日本人だけ、と揶揄されることは多い。とはいえ、やはり英語を母国語とする者にとって日本語は最も習得が困難な言語の一つに数えられると思う。


下記の表は米国国務省のFSI(外務機関)がまとめた、英語のスピーカーが各語学を習得するのにかかる期間をまとめたもの。


カテゴリー I: 英語と密接な関連のある言語
23-24 週間 (575-600 時間の授業)
Afrikaans
Catalan
Danish
Dutch
French
Galician
Italian
Norwegian
Portuguese
Romanian
Spanish
Swedish
30-36 週間 (750-900 時間の授業)
German (30 weeks / 750 class hours)
Indonesian (36 weeks / 900 class hours)
Javanese (36 weeks / 900 class hours)
Jumieka (36 weeks / 900 class hours)
Malay (36 weeks / 900 class hours)
Swahili (36 weeks / 900 class hours)
カテゴリー II: 英語と言語学的/文化的に多大な差異を有する言語
44 週間 (1100 時間の授業)
Albanian
Amharic
Armenian
Azerbaijani
Belarusian
Bengali
Bosnian
Bulgarian
Burmese
Cebuano
Croatian
Czech
*Dzongkha
*Estonian
*Finnish
*Georgian
Greek
Gujarati
Hebrew
Hindi
*Hungarian
Icelandic
Ilocano
Irish
Kannada
Kazakh
Kurdish
Kyrgyz
Khmer
Lao
Latvian
Lithuanian
Macedonian
Marathi
*Mongolian
Nepali
Pashto
Persian (DariFarsiTajik)
Polish
Punjabi
Russian
Serbian
Sinhalese
Slovak
Slovenian
Somali
Tagalog
Tamil
Tanchangya
Telugu
Tetum
*Thai
Turkish
Turkmen
Ukrainian
Urdu
Uzbek
*Vietnamese
Xhosa
Zulu
カテゴリー III: 英語のネイティブスピーカーにとって極めて困難な言語
88 週間 (2200 時間の授業)(約半分の時間はその言語が使われている国で習得するのが望ましい)
Arabic
Cantonese
*Japanese
Korean
Mandarin
Taiwanese (Hokkien Min Nan)
Wu


また米国国家安全保障局によって作成された非機密文書にはこういう結論が述べられている。
It maintains that it takes a student four to five times as long to attain proficiencyin Japanese as in French or Spanish, and more thantwice as long to learn Japanese as to learn Russian.
つまり、日本語を習得するにはフランス語やスペイン語に比べて4〜5倍の時間が、ロシア語に比べて2倍の時間がかかる。

まあ、その結論には色々な異議を唱える人も多いと思う。日本語を教えていると普段は考えもせずに使っている文法に注目させられることがよくある。生徒から質問されて初めて、日本語はおもしろい言語だなあ、と思う。


その辺りをこれから時折書いてみたい。