前日夫と話した私たちの懸念を伝えると、次男は気色ばむ。
この時点で夫はもう腰が引けている。
高校生の時次男は感情的で、親に対して怒りを爆発させ部屋のドアを大音響を立てて閉め、閉じこもって出てこなかった。
嫌われるのがいやなのか息子との関係に自信がないのか、そんな次男を叱るということができなかった夫を改めて思い出し、頭にきた。
裏庭の葡萄を今朝見てびっくり 全て骸骨状態でした |
なんで今更?と次男はムッとした顔をする。
明らかに腹を立てている。
完全にうつむいてしまった夫にムカつきながら、昨日考えたことを言った。
あなたには結婚生活に対する覚悟はできているのか、
大きな負債を抱えることはわかっているのか、
昨日のようにお金のことで突然不安になりワインを売るということは、計画性に欠けるのではないか、
自分だっていつ突然失業するかもしれない、ということはわかっているのか、
マリー自身にも大きな借金を返済する覚悟はあるのか、
ダイヤに使ったお金はローンの返済に充てるべきではなかったのか、
年末から始まるサンフランシスコでの生活費は工面できるのか。
次男は憮然とした顔で、結婚生活に対する覚悟はできている、自分たちがコンドーの家賃を払うことができないのなら、もっと安いアパートに移ることも厭わない、という返事だ。
つまり次男とマリーが約束していた家賃を払えない場合、コンドーは他人に貸せばいい、という意味だ。
しかし次男はわかっていない。
今サンフランシスコの家賃は高騰していて、自分たちが払える家賃のアパートを見つけるのはとてもむずかしいのだ。
夫はそれを聞いて、前日とは別人のように、『そうかそうか、それは良かった、応援しているからね〜』といった激励をする。
その態度に頭に来た私は、『お父さんもあなたたちの結婚とお金に対するスタンスにかなり不安を持っている』と次男に伝えた。
夫は逃げ出しそうな様子だ。
次男はムッとした表情のまま、二階に上がっていってしまった。