8月17日、朝5時半にリビングルームを隔てた向こう側にある、マスターベッドルームの次男からテキストメッセージが入る。マリーの陣痛が始まった。2分おきの間隔。
いきなり2分おきか!すぐ病院に電話して行こう、と二人と話している間にまた陣痛がやってくる。この痛がり方は本物の陣痛だとわかる。でも、と次男がためらう。
陣痛のことを調べつくしていた次男が『陣痛は30秒しか続いてない。ネットで調べると、病院に連絡するのは1分半続いた時だと書いてある』と言う。また情報過多で間違った方向に行っている。『すぐ病院に電話しなさ〜い!!!』と私が命令するとやっと電話。
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次男がマリーの陣痛を陣痛アプリで管理していた |
病院に来てくださいと言われた二人。まずはシャワーを浴びたいというマリーを『そんな悠長なことを言ってる場合か。』と制して病院に駆けつける。子宮口は既に5センチ開いていた。1時間後には8センチになる。
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車椅子に乗って待合室に入ったのが6時10分 |
Epiduralという無痛分娩のための麻酔を打ったのが8時半。その後マリーはすぐ寝始めて、モニターには陣痛の波が刻まれているが目は覚めない。9時半にはドクターが内診。赤ちゃんの頭がしっかりさわれますよ、髪の毛がすごく多いです!ということ。
12時半子宮口が10センチ開きました、いきみ始めてくださいということで私とマリー母は陣痛・分娩室を出た。それから2時間半いきんだ末、ヒロが生まれたのは14時43分。始まりからほぼ10時間近くあとだった。
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私が初めてヒロを抱いた瞬間、小さくて怖い!
最近うっかりの多い自分が信用できないので、
あまり抱っこはしないことにした |
退院は翌日14時半。血液検査、聴覚検査、視覚検査、授乳指導のあとだった。
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白内障などを調べるらしい |
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3種血液検査 |
退院までに、マリーがヒロを抱いた姿を見たのが出産後すぐの1度だけで、ずっと暗い顔をしている(もちろん授乳時には抱いていたのだろうが、その時は皆席をはずした)。出産の瞬間からヒロと離れ離れになったのは、Circumicisionという包皮手術の時だけだった。なのに、生まれたばかりの愛しい子供の顔をじっと見ていたい、というような表情もなく暗い顔をしている。
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産後すぐの授乳時のマリー |
マリー母と夕食を食べに出かけた時、母から『産後鬱』という言葉が出る。やはり同じことを感じたようだ。母自身産後鬱にかかったそうで、原因は何でもあり、ということ。
本当に鬱なんだろうか。
退院翌日の今日8月19日、ヒロの検診で二人はまた病院に連れて行った。3885gあった体重が280g減り、黄疸が出始めているという診断に次男の心配がピークに達しつつある。
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マリーを休ませて散歩に出た次男
お昼頃からサンフランシスコは晴れてきたので
10分間太陽の光を浴びさせる |
私ももうそろそろ家に帰りたい。でも、もう少し手伝ってあげたい気持ちがある。まずはリビングルームにいる猫が新生児に近寄るのが心配で、寝室にこもっている次男とマリーがリフレッシュのためにランチに出かけた。木曜日早朝以来3日間、二人は猫たちともあまり一緒の時間を過ごしていない。
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午後も10分間太陽の光を浴びに行くヒロを
覗き込むタイタン |
猫たちは寝室のドアの前で時々中を伺いながら鳴き声をたてる。猫たちもそれなりにストレスを受けているだろう。
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その上猫トイレロボットまで壊れてしまった |
マリーの大好きなIn-N-Outというレストランでハンバーガーを食べてきま〜す、と二人は嬉々として出かけて行った。猫たちの頭を一撫でして出かけていく次男とマリー。二人を呆然と見送るアイドルとタイタン。
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何が起きているのか、誰かおせーて |