2019年9月29日日曜日

住宅事情 3 オープンハウス巡り

街が完全に様変わりしたなあ、と思う。シリコンバレーのことだ。

私が初めて渡米した1979年、サンノゼ空港から車でダウンタウンを走っている時、頭に浮かんだ3つの印象は『空が青い、屋根が赤い、ポッキーを買えるお店がない!』だった。

ダウンタウンはまだ舗装されてない道が多く、高層ビルもなく、街角には娼婦が立っているのがサンノゼという町だった。

将来のシリコンバレーになるとは夢にも思わず、こんな田舎で楽しいことなんかあるのだろうか、と鬱々とした日々を送ったあの頃。1ドルはまだ239円だった。

なのに、今は高層ビルが 建ち並び、高級車が連なって走り、お金持ちがゴロゴロしている。

そして電気自動車も増え、高速の渋滞時周囲は見渡す限りテスラばかりだった


そして何よりも変わったのは不動産価値が高騰したことだ。

私たちが1985年に$129Kで買った3LDKの家の価値が上がり始めた頃は嬉しかった。不動産の高騰に関する記事が新聞の一面を飾るようになり、まだまだ上がる、いずれ現在の2倍になる、と書いてある。信じられなかった。が、嬉しかった。

当時の家から歩いて行くことができたトレイル

確かに家の値段は上がり続けた。どんどん上がった。最初は嬉しかったが、実はこれは憂うべきことだと気がついた。つまり息子たちが家を買うことができないということだ。特に子供ができて学校のことを念頭に、少し広い家が必要になった次男たちにとっては大問題だ。

長男はサキ母の家でサキと3人で暮らしていて、サキ母も長男と一緒に住み始めて、いろいろなことを長男に頼れるようになった、と喜んでくれている。このことは後日書くことにして、今日はあちこちのオープンハウス巡りをした ことについてメモしておきたい。

次男とマリーの希望は、まず家は古くてもいずれリフォームすることを念頭に土地の広さを最優先し、車庫は3台の車を納めるスペースがあり、庭が広いこと。プールなし。ゴルフ場に近い地域(ゴルフをするわけではない)で、静かなこと。つまり早い話サンフランシスコのマンションとは対照的な物件を探していると言えよう。

毎日夕方ヒロを連れて近所の家を見ながら歩く二人


週末でサンフランシスコに帰っている次男たちの代わりに、家巡りが大好きな私が不動産業者である友人Mとオープンハウスを廻る。いくらぐらいでどんな家が買えるのか下調べをしておきたい。

1軒目。延床面積1844平方フィート(171平米)、土地面積9334(867平米)、築45年、$1.29M(1億3900万円)。

1軒目は玄関が南向き、 リビングや裏庭は北向き

リフォームは必要だが、とりあえず住めそうな状態。だが、オープンハウスをしていた不動産屋さんによると、この値段は購入希望の人たちが競り上げることを見越してつけた値段で、月曜日の12時が入札締め切り、一番高い金額をつけた人が競り勝ち購入することになるそうだ。

2軒目。延床面積2190(203平米)、土地面積9975(926平米)、築45年、$1.345M(1億4580万円)。


内装は『奥様は魔女』の時代で止まっている感じ。汚れたカーペットや猫の毛がこびりついた家具、淀んだ空気、リビングを見ただけでサンキューと挨拶をして家を出て深呼吸する。

全面的なリフォームなしで住むのは不可能

最初っからとびっきりのステッカーショック(値段の高さに驚くこと)を受けた。この家を住める状態にするには少なくともリフォーム代として2千万円はかかるだろう。息苦しくなった。

一旦帰宅して冷凍庫からチョコレートでコーティングしてあるアイスクリームサンドイッチを取り出す。


シュガーショック療法

4 件のコメント:

  1. 一年以上フロリダに住んでいますが、テスラは一度だけ見ました。レクサスもたまに見るくらいです(^^)。

    2012年か13年だったか忘れましたが、サニーベールで「Sold as is」物件がビッドウォーになって、30万ドル上乗せ価格で売買されたと聞きました。2013年に買ったコンドは2016年に30%以上値上がりして売れました(HOAに毎月$650かかるのに)。やっぱり異常だと思いました。
    時期的には秋から冬は落ち着くように思いましたが、そうでもないのでしょうか?

    すごく甘そうなアイスですね。説明を読んだだけでもうショック状態です。
    良い物件が見つかりますように。

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    1. Michikoさん、
      レクサスは新車を買って3年ローンにするよりも、その半額ぐらいでリースにできるのでNXというSUVをリースにしたのですが、以前リースをしていたGSよりも安いので保険が下がってホクホクしています。シリコンバレーはテスラが本当に多いです。特にPalo Altoあたりはテスラがうじゃうじゃ。

      あ〜、ありましたね〜。サニーベールで800K台で売りに出ていた物件が、1.2Mに近い金額で売れたというニュース。日本のように早い者勝ちで買えればいいのになあ、と思います。とはいえ、現時点で買える物件はないのですが。

      3年で30%値上がりですか!すごい!いい時に売りましたね。
      確かにこれから冬にかけては売り物件が減るようです。3月になると市場に物件がどっと出てきますね。

      説明・・・?と思って、私も今読んでみました。ははは、確かにすごいですね。食べたあと後悔しました。
      でも、ダークチョコレートだったんだ〜、と慰めを見出している自分もいます^^;
      物件探し、楽しいけど値段の現実を突きつけられてガックリきています。
      でも良い物件見つけたいですね。ありがとうございます!

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  2. オープンハウスを、以前参考までにと思い回ったことがあります。自分が今購入する必要がない場合は、気軽なんですが、あのゼロの多さを見ると、これから家を購入したい若い世代は本当に大変だろうと思います。医療費と不動産価格はこんなに高いと、どうやってやりくりするの〜。あっ、それと教育費もですね。若いからこそ、夢もあり希望もあるから、大丈夫なんですよ。ただ、できるだけ親としては、何らかの形でサポートしたいですね。

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    1. ケイさん、
      オープンハウス巡りは楽しいですよね。でも、本当に家が必要な時は楽しくもあり失望感も半端なくてため息です。
      医療費、不動産価格、教育費、と生活の最低限必要なものの値段が高すぎて苦しいです。その上税制改悪で富裕層だけが優遇される国になってしまったので、庶民の不動産所有への優遇措置もなくなって大変ですよね、カリフォルニアは。
      親としてはサポートしたいけど、自分の老後資金も心配だし、で複雑な気持ちですね。
      と言いながら息子の家よりも、自分のドリームハウスを夢見てしまっています・・・^^;

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