2019年4月26日金曜日

成長の条件

日本から帰ってきた長男とサキをサンフランシスコ空港に迎えに行き、そのままイーストベイにある、二人が住んでいるサキの家に送っていく。


買っておいたサンドイッチと助六でランチ

シンガポールに4日、東京に7日、大阪に5日滞在して日本を満喫してきた二人は今年中にもう一度日本に行くという言う。



長男も次男も、日本には旅行に行くという感覚ではなく、ちょっと出かけてくるという感覚なのだそうだ。



年に1度の海外旅行がこのところ半年に一度になってきている長男とサキ。



どうやら子供を持たないらしい、という噂(次男とマリーから聞いた)は本当らしい。



長男はとてもヒロをかわいがる。



が、自分の子供はほしくないらしい。



サキも親戚の伯母さんでいることで満足なんだそうだ。



サキ母はそれを聞いて失望している。



サキは一人っ子。



サキ母によれば『それではサキがいつまでも成長しない。』だそうだ。

長男はヒロに色々と新しいことを教えたがる


そうだろうか。



それは違うと思う。



子供を持たない人格者は多い。



そして子供を持つことで成長する部分はあるかもしれないが、人間として成長するために子供を持つことは必要条件ではない。



実際幼児的なふるまいをする高齢者がそこら中にいるではないか。



つまり子供を持つことは人間的成長の十分条件ではないわけだ。




次男とマリーを見ていてもわかる。



ヒロは手のかかる子供だ。



それはマリーの子供の頃とそっくりだ、ということ(マリー母証言:いつもスーパーなどでひっくり返ってわめいていた)。



次男は子供の頃ひっくり返って泣く喚くということはなかった。



が、マリー同様(マリー母証言)反抗的なティーンエイジャーだった。



その親二人の気質を受け継いでいるのだろうか。



私も厳しくしようと努力してはいるが、それでも両親二人と私が甘やかしている部分があるのも原因だと思う。



どんなに機嫌が悪い時も本を読んであげると落ち着くヒロ


二人が親として成長しつつある部分はあるが、それが人間的な成長として十分条件ではないのは、親となった次男を見る私にはわかる。



今後色々な希望・失望・我慢・喜び・怒り・感激などの感情を味わっていくだろう。



そこから自分たちの成長につなげていくのは、その人間の資質とこれからの人生経験に左右されるのかもしれない。




いや、人のことは言えない。



私だって子育てをして成長した部分はあるかもしれないが、ほとんどの部分で人間として全く成長できていない。



幼児を介護したことで成長した部分もあるかもしれないが・・・

90歳(写真当時)の幼児

2019年4月12日金曜日

感じの悪いお店

今週はサンフランシスコに詰めている。次男出張中、マリーの育児支援のためだ(次男とマリーに頼まれた)。

なにしろヒロは何かが気に入らないと物を投げる、噛み付く、叫ぶ(横にいる私が難聴になりそうなほど)、ひっくり返って泣く、と絵に描いたような手のかかる子供だ。

私が息子たちの子育てをしていた頃、こういう子供を見ては『親のしつけが悪い』と思っていた。今はわかる。これはしつけが悪いせいだけではない。こういう性格を持って生まれついているのだ。そしてそれはマリーの性質をかなり継いでいるということだ。マリー母が証言する。スーパーに行っても大騒ぎ、気に入らないことがあると床にバタンとひっくり返って泣きわめく。

が、息子たちと違う点はに外交的なところも含まれる。誰にでもハーイと手を振り人見知りをしない。日中はデイケアつまり保育所に行っているので、他の子供たちと過ごす時間が長いせいか、手話を交えてよくしゃべる。次男の発達はここまで早くなかった。

そんな孫がかわいいか?と聞かれればやはりかわいいと答えるだろう。が、その愛情の種類は我が子に持つ愛情とは異質だ。少なくとも今のところは。

少し痩せ始めて首が見えるようになってきた(20ヶ月)


日本で美味しい物を堪能していた3月、孫に会いたいとは思わなかった。孫に関する心配は、孫のことで自分の子供が辛い思いをするのが心配、というもので、ちょっと意味が違う。

そして大人になった息子たちに対して私はいまだに過保護な母親だ。

新橋にいる長男と六本木にいる次男に毎日テキストメッセージを送って、明日は寒いらしい、とか新橋にあるナチュラルローソンには美味しいお菓子があるよ、などとおせっかいを焼く。

昨日も前日何を食べたか聞いてみた。息子たちは(サキも)毎日夕食を共にしているらしい。

水曜日に食べた物の写真を送ってくる。

4人(サキ従姉妹を含め)で2万円

が、このレストランではとても嫌な思いをした、ということだ。
まずわけのわからない一人500円という座席代が請求書に含まれていた。
ウェイターがものすごく感じ悪かった。

全体的に日本のホスピタリティーは以前と比べて悪くなった、という印象らしい。特にウェイターの感じ悪さは本当にひどかった。が、ここを薦めてくれたサキの従姉妹が、あまりの待遇の悪さに恐縮し続けていたのでもうこれ以上文句は言わない、と長男も次男も言う。

座席代というのは『お通し』という日本特有のチャージ、お酒のあるレストランやバーでは請求されるのが慣例、感じ悪かったことに関してはもう忘れなさい、と忠告する母。

大丈夫大丈夫、もう考えてない、と言う息子たち。

が、母は執念深いのだ。

送られてきた写真から、レストランは南青山にあるということをつきとめる。

とても洒落たレストランらしい


そしてそのあとは食べログで南青山、寿司、とキーワードを入れて検索する。

あった、ここだ!お皿、お寿司の置き方、テーブル、内装。間違いない!

母は暇でもあるのだ

2019年4月10日水曜日

大事なもの

9時半発の地域シャトルバスに乗ってユニオンスクエアに行ってみた。なにしろ日本では毎日1万歩から2万歩歩いていたのに、突然毎日2千歩ちょっとしか歩かない生活になってしまった。

テックで働いているだろう若者でいっぱいの循環バス
私が乗車した途端に、平均年齢が一気にはね上がった

人は(いや、私は)目的地があってこそ、そこに到達したいと思い歩けるのだ。到達しても何もおもしろいことのないカリフォルニア。到達しても美味しいものがないカリフォルニア。

ユニオンスクエアはかなり様変わりしたと思う
右端に地下鉄工事の様子が見える


息子たちは2人とも今日本にいる。長男はサキとまた旅行。今回はシンガポールと日本。次男は出張。小さい時は日本に行くのを決して喜ばなかった二人が、今や嬉々として日本を訪れる。

長男とサキは17時間半のノンストップの夜のフライトで
サンフランシスコ空港からシンガポールに

次男はサンノゼ空港から成田に

だが、彼らの日本に対する認識は『ニッポン、スバラシネ〜』というまだ外人の域を出ていないような気がする。日本に出張の多い部署に先月から異動した次男の、日本に対する評価がこれからどう変化していくのかは興味深い。

次男が送ってきた職場で食べた朝食と昼食の写真を見て、私はこの前帰国したばかりの日本にすぐまた舞いもどりたくて仕方ない。このところどんどんアメリカが嫌いになってきている。それに関しては後日書きたい。

日本では野菜を食べやすく料理してあるので、野菜の摂取量が増えると次男が言うのを聞いて、確かにそうだなあと納得する。アメリカの野菜は生のままド〜ンと出てくるか、グリルして塩コショウ、というものが殆どではないだろうか。と高級レストランに行ったことのない私は考える。日本だと安い定食屋さんに行ってもバラエティーに富んだ小鉢もいっぱいついてくるし、と頭の中はもう食べ物のことしかない。

息子たちは普段朝食を殆ど食べない

昼食はエビバーガーなどなど


夜はホテルでゆったり寝て、休みは優雅に桜を楽しんでいる次男。ヒロに会えなくて寂しいだろうが、育児から解放された1週間を楽しんでいるに違いない。

急速に知恵がついてきているヒロ
自分の思い通りにいかないと叫んだり物を投げる

長男は民泊に泊まり貧乏旅行をしているのだろう。長男とサキが出発する日の朝おにぎりを2個ずつ作り、おいしいと評判のベーカリーのパンを買って行き渡す。これを飛行機の中で食べなさい、といらぬおせっかいをついしてしまう。

おむすび権米衛のようにはいかないが
一応おかかと土井のシバ漬け入りむすびです

果たして彼らは飛行機の中で食べたのだろうか。聞くのが怖いような気もする。

食べなかったものは捨ててくれて構わないのだが、もし使わなかったのなら持って帰ってほしいものがある。

日本から大事に持って帰ったもの(右上)