トイレに行くとなんというかチクチクするというか。
『おっ!いよいよ出て来るな。』と確信したので、階段を6往復したあと、ラジオ体操もちょっとジャンプの数を増やした。
午後頻尿になる。
トイレに行っても20分ぐらいするとまた行きたい。
その間隔はどんどん狭まってくる。
遂にトイレから出たくなくなってしまった。
日曜日なので救急病院に電話をする。
医療アドバイスは電話ではできないけど、どうぞどうぞ、来てくださいということ。
診察室でお医者さんにCT画像を見せてもらった。
大きな白い石がいくつか見える。
一つは尿管にある。
それが今回問題を起こしている石だ。
上の図のように尿管に詰まっているので、水腎症を起こして激痛につながっている。
この激痛は出産の時の痛みとメカニズムが似ている、と府大のサイトには書いてある。
実は木曜日に初めての激痛があった時、陣痛を思い出した。
これと同じような痛みだったなあ、とはっきりと痛みが蘇って来た。
この結石は男性に多い病気で、排石の痛みは『男の出産』と呼ばれるらしい。
男性が女性の陣痛を唯一経験できる機会だ。
尿管結石が膀胱の近くまで下降してくると膀胱炎と類似した頻尿・残尿感・排尿時の違和感などの症状が出現します。これらの膀胱刺激症状は結石が順調に下降していることを示す良い兆候です。膀胱結石による痛みは軽度で、頻尿や残尿感といった形で現れますとも書いてある。
やはりそうか。
頻尿と残尿感については、膀胱を麻痺させる薬を処方しましょう、とお医者さんが言う。
それにしても、このお医者さんはイケメンの上、実に感じのいい人だった。
『検査の時手違いがあって待たせて悪かった、何も心配ない、明日会う泌尿器科の先生はすばらしい人だから大丈夫、薬を飲んでも明日の診察にも影響はない、今晩つらいだろうけど薬で随分楽になるはず、週末の残りを楽しんでね。』と優し気な表情で言葉を尽くす人だ。
今にもハグされるのか、と期待して思ってしまうほどだった。
薬は受け取りに行かなかった。せっかく処方までしてくれたのに、膀胱を麻痺させる薬なんてできれば避けたい。
しかし、こんな感じのいいお医者さんに、薬は必要ありませんなどと言える?
なんと、待合室にあった雑誌には『危険な薬 お医者さんにいつ「ノー」と言うか』という記事が、たまたま出ていた