長男が言った。
「おばさんはジジ(私の父)の家をいくらで売ってくれるかなあ。」
つまり京都の私の実家。
長男が生まれた頃(バブル時代真っ只中)、両親が住んでいた家の3軒隣に売りに出され、ニュージーランド人が買った家。その崖地に建てられた家は彼らがニュージーランドに移住した時、当初の半額以下で売りに出され、父と姉が半額ずつ負担して買ったのだった。
今では売るのも難しいだろう。崖地に建った家を買いたい人は少ない。
が、長男は日本に住むところがあれば、と考え始めた。そして、かねてから姉が実家を売って引っ越したいと思っていることを知っていたので、そこに住みたいと思ったようだ。
姉に聞いてみた。
姉の返事。
「あげる。」
姉はアプ(トイプードル7歳)を介して近所に親しい人が多く、できれば今の家に住みたいのだが、一軒家に住むのは年々むずかしくなりつつある。
近所には犬好きが多い
夏は暑く冬寒い。そして、現在の耐震基準に沿って建てられていない家。
が、比較的新しいマンションは、京都でも決して安くはない。
そんなこんなで、私も京都の古い公団などを見ているうちに、京都に帰った時住める家があるのもいいなあ、と思うようになった。
長男夫婦(二人共日米二重国籍)がいずれ日本に住むようになったら・・・、と夢が色々とふくらんでいく。
そして見つけたこの部屋。築40年だが、リフォーム済みで2380万円。
窓やバルコニーから見える緑が良い
見れば見るほどほしくなった。
グーグルマップで場所を確認する。
私の大好きな糺の森(ただすの森)まで徒歩12分。
ますますほしい。
おお!コーヒーハウスマキまで徒歩19分!
食べたいけどトーストしてないから、仕方なく残して帰るマキのモーニングのトースト耳部分。
もったいなくて仕方ない。
が、ちょっと偏屈っぽいマスターが作るこのモーニングは、すばらしく美味しいコーヒー込みで650円。
「この耳をちと焼いてくだせえ。」とはとても頼めない。
常連さんも難しい顔をして新聞を読みながらモーニングを食べる、地元のおじいさんばかり。
私のような地元の人間じゃない者は、ここで嫌われているように思えて仕方ない(被害妄想)。
よし、このマンション(団地?)がダメでも、マキから徒歩で帰れる距離内にアパートを探そう。
いわゆるスープが冷めない距離というか・・・
いわゆるバッグに隠し持って帰り、トーストできる距離