待ち合わせたカフェの椅子にドスンと座ったやいなや言う。
なんでも最近目が痛いのでお化粧ができない、目の下も赤くなってどうもブヨブヨしてきた。
まぶたも重くて開けにくい。
「でも、今日は特別おばあさんじゃない?」と私の顔を見る。
う〜ん、そう言われればそんな気もするが、特別いつもと違うようにも思えない。
加齢でまぶたが重くなるのは当たり前のことだ。
私だってフェイスリフトが簡単にできるなら、まぶた、頬、顎、何もかもつり上げてほしい。
ちょうど持っていたiPadで、眼瞼下垂手術に関する記事があったのでBに見せる。
まぶたを切って余分な部分を取り除き、傷跡は眉の下にうまく隠す。
日本で手術をすれば32万円だそうだ。
日本のお医者さんならなんだか安心感がある。
アメリカだと4000㌦。
瞼が下垂しているせいで物が見えにくいと言えば、医療保険がカバーしてくれるかもしれない。
何かあった時も補償がしっかりしていそうだ。
どっちがいいかなあと迷う私の横で、Bはおもむろにテーブルの上に置いてあったナプキンを手に取る。
そしてそのナプキンを折り鶴でも作るように三角に折る。
「あのさあ。」Bは言う。
「アメリカ人はこうやって紙を折って、端っこを合わせることもできないのよね。