マリーの妊娠は波乱含みだった。
妊娠8週目に、目の激痛を訴えるマリーを私が救急に連れて行った。
その頃イタリアでは『目の激痛』をググる人が激増したそうで、コロナの初期症状ではないかとも言われている。
実際マリーのそれがコロナの症状だったのかどうかはわからない。
その翌週私は空咳が始まり、その後それまで経験したことのないほどのひどい咳が続いたあと、嗅覚と味覚を失った。
私が一番心配したのは、私が感染したことから一緒に住んでいたマリーを通して、胎児になんらかの影響を与えたかもしれない、ということだった。
妊娠22週の時に、エコー検査でいくつかの問題点が指摘された。
- 胎児の心臓に白い点が見える。
- 腎臓が小さい。
- 単一臍帯動脈、つまりへその緒の中に2本あるはずの動脈が1本しかない。
- 胎児が小さい。
託児所からヒロがコロナウイルスを家に持ち帰る可能性もある、と考えヒロは9月9日で託児所をやめた。
アキが6ヶ月になるまでヒロは託児所に帰らない。
そして先週までは次男たちの家をリフォームしていて、業者が出入りする間家族4人でうちに避難していた。
なので私が子守をする時間も多かったが、これが疲れるの何の。
精神的なストレスも多い。
家で仕事をする夫。
孫#2妊娠のことを、7ヶ月まで義家族に知らせていなかったことに対する義家族の怒り(このことに関してはじっくり書きたい)。
お金のこと、などなど。
が、孫#2を含め家族全員とりあえず健康だし、何もかもポジティブに考えたい。
と事あるごとに考えようとするのに、なぜすぐネガティブな気持ちになってしまうのか。
ロックダウンのせいで、皆が色々と我慢しているせいだろう。
その家族のイライラ気分も原因の一つなのだろうか。
夜になるとやっと自分の時間ができる。その時間には刺繍をする。
ヒロのトラック愛はすさまじい。そして我が家に来ると裏庭に出たがる。
一緒に裏庭に出ると、この2台のトラックが私に与えられる。
ショベルトラックで土を掘り起こし、ダンプトラックに積んで土を運べ、と言われ少しでも休むとKeep digging.(掘り続けろ)と言われる。
矢印の場所まで土を運べと命令される。何かの目的があるわけでもなく、ただただ土を掘ってダンプカーに積み込んで、それを5メートルほど移動するだけだ。
それを延々と繰り返さないといけない。