2019年11月27日水曜日

日本行き準備

子育てがもうすぐ終わる、という頃始まった介護。長い間苦しい日米往復と眠れない夜を過ごし、母を2010年に、父を2016年に見送った1年後に孫が生まれ、今度は息子夫婦から頼られるようになった。

サンクスギビングのあとは日本に行くから、なんて言うとマリーが『えええええ〜!!知らなかったのは私だけ?どうすればいいの〜?』とショックを受ける。

荷造りを始めると猫がカバンの中でくつろぎ始める

だから、保存食を作り冷凍庫に詰め、指導書(?)まで作る。

真空パックにして番号とメニューを記入する

五目そばまで作ったりして

パスタソースなどは電子レンジに入れられるようにガラス容器に

スケジュール表を作っておかないと、どの日に何を食べたらいいのか悩むんだそうだ・・・


そして今日なんかサンクスギビングの食材を大混雑のスーパーで買い、下準備をしたあと、やっと一息ついたと思ったら「結婚記念日が近いから、明日は夜二人で夕食に出かけていい?子守してくれる?」と次男とマリーに聞かれる。

甘え過ぎだ。親をどこまでこき使うのか・・・

と思うが「いいよ」と言ってしまう。

こういう日々を送っていると、おのずと日本での日々への期待値がどんどん上昇する。

まずは紅葉。いや、もう少し遅いかもしれないが、どちらにしても紅葉まっさかりの時は殺人的な人混みなので観光には行かない。そのうち見頃は過ぎてしまう、というのが毎年のパターン。それでも今年もこの二つは行くぞ、と去年の写真を見る。


毎年必ず訪ねる三千院
毎回そのすばらしさにうなる


緑も紅葉も、どの季節でも素晴らしいのが法然院

京都ではル・プチメックと花かごのパンを食べ、MAKIのモーニングとFranze & Evanzeのランチ、東京では日比谷ミッドタウンのジャン・フランソワのパン、KITTEビルのランチ、と考えただけで胸が高鳴る。

東京で今まで訪ねた地域を赤ペンで囲み、今度はもっと行ったことのない地域に行ってみようと計画する。

赤で囲んだ駅周辺は行ったことのある場所
次はもっと田園都市線や東急電鉄沿線を開拓したい

が、こういう田舎者のばあさんが東京のおしゃれなレストランなんかに一人で入って、テーブルを占領するのなんてお店にとってどうよ、と考えると不安になる。



いや、大丈夫だろう。私はそんなに迷惑がられない客かもしれない。なぜなら私は・・・




『食事が運ばれてから食べ終わるまで7分』客

2019年11月23日土曜日

よかった探し

このところストレスまみれ。

まず一番のストレスが、マンションを売りに出す準備。不動産業者を決めて契約をすませ、2月には正式に売りに出すことになった。が、その前に『もうすぐ市場に出る物件やけど、誰か欲しい人おらへん?』と宣伝する。それまでにマイナーな修理をすませ、12月初めにはプロによる内装の写真撮影がある。

ありえないほど手のかかる子供のいる次男たちも、性根を入れ替えて片付けと掃除をしないといけない。今までのように「子供いるし〜」と中途半端な掃除ではすまないのだ!

ビフォー(ヒロが産まれる前)

アフター

次がお金。特に老後の心配。

老後はどうにかなるだろう、と今まで私はいつも能天気に考えていた。自分のわずかな企業年金などいつなくなるかわからない、という夫の口癖も全く意に介してなかった。が、ファイナンシャルプランナーと2度目の面談をした時、それは本当にありうることなのだ、と知って鼻血が出そうになった。

夫父は(実父は4歳の時事故死、この場合養父)コロラドの会社で定年まで働いたのだが、80歳の時に企業年金が枯渇しました、来年から支給はありません、という一通の手紙が来たそうだ。そうか、そういうのは本当に起きるのか。今まで夫の心配は、『コップに半分しかお水がない』と思いがちな夫の性格のせいだと思っていた。

そして、次男たちが同居していることで、彼らの職場やヒロの学校での様子が逐一耳に入ってくるので、心配事が多い。

来週から日本に行くので、その前にいつもの保存食作りもストレスの一端を担っている。

チキンとレンコンのつくね

チキンとレンコンのきんぴら

豚肉、玉ねぎ、パプリカ、ブロッコリの甘酢炒め
(最近調理する量が多くなったので特大フライパンを買った)

スパゲッティソース

牛肉、玉ねぎ、エリンギのブルコギ

が、夫、次男、マリー、ヒロの4人分のために必要な量はかなり多くて、これが結構疲れる作業なのにもかかわらず、あまり誰からも感謝されていないような気がする。

いや、疲れている時は何事もネガティブに考えてしまうようだ。

ポジティブになるために『よかった探し』をすることにした。この遊びは30年ほど前に人気のあったアニメか何かの中で、貧しい少女が『〜〜があって良かった』というように、小さな幸せを見つけてポジティブな気持ちを持ち続けるための考え方らしい。

私も身の回りの『良かった』を探してみよう。

  • マンションの壁にペンキを塗るために、6時半に部屋を出てペンキ屋さんに行く時、外の空気の爽やかさを味わえて良かった。
入り江にはさざ波もなく気持ちのいい朝だった


  • マンションにはヒエラルキーが確実にあり、他の住人をバカにした発言をする住人もいる。そういう煩わしい世界から抜け出せるのは良かった。


テスラショールームのようなマンションガレージ
すれ違っても挨拶しない人が多い
  • 食の細かった息子たちに比べて、ヒロは食べるのが大好きで、託児所から帰って来て私の顔を見た途端に、I'm hungry. I want to eat.と毎日言う。マリーも私が作る食べ物が大好きだそうで、作る喜びができたのは良かった。

赤いたぬきを狙っている
  • が、ヒロは運動量がすごいので体重はここ1年ほど14キロの横ばい状態。らしい。首が見えるようになったのは良かった。

足は短いが・・・
  • 老後のお金のことは心配だが、一応持ち家があるし、企業年金が枯渇してしまってもらえなくなった場合、少なくともソーシャルセキュリティーという年金は受けられそうだ。私と夫とで日本の夫婦の平均年金額の70%ほどらしい(70歳から受給の場合)が、最近インストールした食事日記を見ると私は高価なものはなんも食べていない。自分の質素な食事パターンを見てびっくりする。

ケーキがなくてもパンと芋さえあれば生きていけそうで良かった

2019年11月1日金曜日

計画停電その後

ここ1週間で2度停電した。1度目は8時間。2度目は47時間。

かなりの不便を強いられるがこれは我慢できる。火事で家を失った人もいるのだ。その人たちの悲しみとストレスに比べるとなんでもない。

Kincade Fireでは消防車だけで549台、27機のヘリコプターが
出動しているらしい

インターネットや4Gがなくても本がある。

興味深い統計では、8歳から12歳の子供がスマホなどの
スクリーンを見ている時間は世帯年収が低いほど長いということ

それでも停電が繰り返し起きると体力をかなり消耗する。我が家のある一帯は20世紀末に開発された場所だから電線はないし、屋根は瓦だ(アメリカはシングルと呼ばれる木の屋根材が多い)。それでも裏庭に山が迫っているから、緑が楽しめる代わりに火事が起きる可能性は比較的高いのだろう。

山までは300㍍ぐらいだろうか

冷凍庫の中のものが溶けるのを見越してあらかじめ氷を捨て、いい機会だから、と掃除をしたり。ガレージにある冷凍庫にできるだけ食品を移動させて、どうにかいっぱいにする。満タンの冷凍庫はドアを開けない限り48時間保存できる、ということなので、一つの冷凍庫を満タンにして、キッチンにある冷凍庫はその日のうちに使うものだけを入れる。

その後停電が5日続くかもしれない、などと聞いて今度は食材の多くをサンフランシスコに持って行ったり、と入れ替えを続けるのはとても疲れる。なにしろそのたびに保冷バッグに氷を詰めたり、新たに作った氷で冷凍庫の隙間部分を埋める。

サンフランシスコは計画停電から除外されているので、
冷蔵庫と冷凍庫の物を持って行ったり帰って来たり

が、火事を防ぐためだし仕方ない。

日曜日の夜、計画停電のないサンフランシスコで1晩過ごしたあと、サンノゼに帰るフリーウェイを走りながら、心の中で『これは・・・』と絶句した。背筋に冷たいものが走る。これは尋常じゃない、異常だ、広範囲で数万軒の計画停電をすることになるなんて。


フリーウェイの両横がここまで真っ暗なのは初めて

このままでは人類最後の日が来るのは思っていたより早いのではないのだろうか。

先週SFに早朝向かった時空気は澄んでいた


土曜日10月27日の午前9時Los Altos付近から見た北方向の空
煙で空が分割されていた

計画停電は今後毎年の恒例行事になるのだろう。それもこれもここまで地球を温暖化させた私たちの責任だ。石油を使いまくって作るファストファッション、どこに移動するにも車を使い排気ガスを出して空気を汚染させ、物を買っては捨てる。そして飽食の毎日。

私たち一人一人ができることから始めないと、環境汚染と温暖化は進む一方だ。

22世紀はもうこないのかもしれない。

とりあえず、朝のタピオカパンは3個から2個にしよう