2017年4月6日木曜日

桜が咲き始めた。今年は少し遅いようだが、今週末がピークということ。『桜切るバカ、梅切らぬバカ』と言うらしいが、桜の木は切ってはいけない。なのに、2年ほど前に植木屋さんが切ってしまい、去年はつぼみがつかなかった我が家の庭にある小さな小さな桜の木にも花が咲いた。

手前にある蝋梅は父が北野天満宮で苗を買って
地植えに成功したのだった

出町柳で賀茂川沿いに咲く桜を見ながら、『介護のない春は初めてだなあ。』と考え込んでしまった。

お花見客も多かった一昨日の出町柳

父も母もいなくなってしまった。特に父が逝ってしまってからまだ1年たたない。父のものが少し残っているが、捨てられないものもある。

父はいつもこのリビングの窓際のこの小さな椅子に座って
長い時間外の景色を見ていた

父を最期まで家で介護してあげることはできなかったのだろうか、という思いは決してなくならないだろう。

父は姉を頼りにしていた

父は人格者には程遠い人柄だったが、子供にお金を少しでも遺したい、家も遺したいという人だった。が、その家も維持していくのが大変になり、駅から遠く坂の上でもあるし、姉は駅近に引っ越して新しい人生を始めたいと思っている。

四条烏丸にある大丸デパートすぐ横の築18年のマンションは3000万円
53平米で窓の外は緑が多かったが
近いうちに古い町家が壊され、窓外は全てマンションの壁になりそう

それは自立生活最終章の始まりなのだろう。そして数年後には姉もいなくなり、私もいなくなるのだ。桜を見ているとそんな気持ちになってくる。

御所西側はきれいな桜が多い

紅葉の季節よりも桜の季節の方が外国人観光客が多いそうだ。今年の京都は爆発的に外国人が増えたようだ。電車に乗っていても街を歩いていても外国人が本当に多い。写真を撮る外国人に聞いてみたくなる。

東本願寺周辺の桜がきれいだった
(拝観料がいらないお寺が好みです)

あなたはこの桜を見て『はかなさ』を感じたりするんですか。

少なくとも、スマホから顔をあげて窓の外を見んかい!

2 件のコメント:

  1. 家で看取ってあげたかったとずっと後悔してます。でもしなかった自分は冷たい娘だったと嫌になります。思い出しては「ごめん」とつぶやくだけです。
    アメリカ人の夫は桜を見ても「はかなさ」など感じていないようでした。適切な単語がみつからないです。
    「transiency」はどうでしょう?
    枝垂れ桜は円山公園ですか?
    妖艶という言葉がぴったりするように思いました。

    返信削除
    返信
    1. 美知子さん、
      私たちに今できることは『思い出してあげる』ことなんでしょうね。一緒に過ごした時間を思い出す。一人で過ごしていた時は何を考えていたんだろう、と想いを馳せる。ずっとずっと忘れないでいてあげる、ということしかできませんよね。もう少し時間がたったら後悔せずに思い出せることができるのかな。

      英語ではどう訳せるのか考えてくださってありがとうございます。transiencyって素敵な言葉ですね。色々と考えてみたいです。frigileなんてのもありかも?『はかなさ』なんて言葉はうちの夫の辞書にもないですね〜、そういえば。
      枝垂れ桜は御所の中にあったんですよ。去年はあちこちのお寺を廻りましたが、今年は無料で見られる桜だけです^^

      削除