2017年1月11日水曜日

ホームの食事

2010年に父が認知症を患っていると診断されたあと森先生に出会い、父が亡くなる直前までお世話になった。



最初に森先生の診察室で長谷川式テストを受けたのが2013年の1月。



その時の得点は30点満点中27点だった。



その頃から父がどう変化していったかは、ゆっくりとまとめて書きたいが、最期を病院ではなくホームで看取れたことは本当に良かったと思っている。



それも枯れるように死んでいった父。



点滴もせず食べることも飲むこともしなくなってからは、あっという間だった。



その父のことを考えると、いまだにかわいそうでたまらなくなることがある。



それはホームの食事が本当にまずかったことだ。



ホームの職員は本当に親切で感謝しきれないぐらいだが、食べ物のことはどうにかならなかったのだろうか、と今でも思う。



薄味で健康的な食事を入居者に提供している、という自負があったのだとは思う。



が、何度か味見させてもらった食事は驚くほどまずいものだった。



人生の最終ステージで、どれだけ健康的に食べることが必要なのだろうか。



私は決してグルメではない。



日本にいる時は600円のランチでも充分だ。



おいしいものは好きだが、だからと言ってどうしても食べたいとは思わない。



ヨーカドーのお弁当でも楽しめる。



そんな私が父のホームの食べ物だけは本当にまずいと思ったのだ。

去年の元旦にホームで食べたおせちだけは
仕出し屋さんからのものでおいしかった


それに関して父は一切文句を言わなかった。



他のことでは文句の多かった父なのに、娘たちに1円でも多くのお金を遺したいという思いが人一倍強かったからだ。



なので、何かを買ってほしいということだけは言わなかった。



だからこそ、姉と私は淀屋橋のゴマあんぱん、伊勢丹の鰻重、出町柳ふたばのおまんじゅうや仙太郎のおはぎを買っては父のところに持って行ってあげた。



が、基本的に父は3年半、ホームのまずい3食を来る日も来る日も食べ続けた。





そのことをどうにかできなかったのか、と今でも後悔する。



介護食になってからはアマゾンで買ったミキサー食をホームに預けていたが、それでも満足感がどこまであったのか。



今日はそんなことをピーツで考えながら、泣き泣き甘いチョコレートチェリーバナナブレッドを食べていた。



今週号のクロワッサンに出ている、「グルテンフリーの生活で健康になる」という記事が目に留まる。



これからの人生に必要なのはこれかもしれない。



今までにも何度か小麦粉の弊害については読んだことがある。



が、今こそが食習慣を変えるべき時なのかもしれない。



そうだ!小麦粉を断つのだ!



小麦粉さえ断てば、あとはなんでも食べ放題だ。



だから、Chipotleでチキンブリードボール(チキン、トマト、レタス、ピーマン、玉ねぎ、ごはん、コーン、豆 *全て大量)をテイクアウトして帰った。


あかんかった?

2 件のコメント:

  1. ここ数年よく読ませてもらっています。
    コメントできるようになったんですね。
    最期の日々の食事。。。。たしかに大切ですよね。
    わたしの祖母もひどくまずい病院の食事で
    日に日に食欲を失っていきました。
    栄養云々より、好きなものを好きなときに
    好きなだけ、でいいとおもうのですけれど。

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    1. りらさん、
      こんなブログを読んでくださってありがとうございます。
      コメント欄の使い方はまだよくわからなくて、これから試行錯誤を繰り返しながら学習していきますので、よろしくお願いします。実は今返信したコメントが消えてしまって、どこに行ったのかわからないんです^^

      お祖母さまの病院の食事がまずくて徐々に食欲を失われた、ということは家族にとってつらい思い出ですね。私も父のことでは思いだすたびに悲しくなります。食欲があるのは生きる気力があるということ。人生の終盤ではおいしいものをたくさん食べさせてあげたいですよね。

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