2016年3月4日金曜日

しがらみ

『介護離職』という言葉を目にする機会が増えた。しみじみと思う。最近ニュースを見ても、『介護』の二文字の多いこと。友人たちも突然『親の心配』という言葉を口にするようになってきた。

兵庫県に住むNさんからメッセージが来た。250キロぐらい離れている実家では、ご両親の介護を弟さんが時短でしている。弟さんから『もうこれ以上無理』というメッセージが来たこともあるらしい。

弟さんの気持ちはよくわかる。普段は日常の一部としてどうにか介護をこなしているが、やはり定期的に追い詰められるのだ。そういうメーッセジが来た時の、Nさんの気持ちもよくわかる。兄弟に介護を任せていることへの罪悪感から、こちらも次第に追い詰められた気分になってくる。Nさんも家庭と仕事があり、そう簡単には実家に帰れない。

鬼のような顔をしてぜんざいを食べる父
が、最近固形物を食べるのはむずかしくなってきた

勿論250キロの距離はカリフォルニアから京都まで、という距離とは比べ物にならないほど近い。だが、介護をする人にはそれぞれ自分の生活がある、と状況は皆同じなのだ。親の家のすぐそばに住む子供が介護に通う。遠距離介護でもないのに何を文句言うとるか!などとは思えない。近ければ近いで息抜きの場所がないと感じるかもしれないし、将来が見えないから苦しいという気持ちは介護をする人共通のものなのだ。

私自身は父が今の時点では安定しているが、これが明日になったら突然暗転するかもしれない、という不安はいつも抱えている。次男が結婚したことだし、これから家族が増えるともっとしがらみが増えるだろう。マリーの家族はすばらしい人たちで、大好きだが。特にマリー母は親友になれそうなほど明るい人だ。

できるなら子供はもう数年待ってほしいが

では介護に帰りたくても、仕事があるから、小さい子供がいるから、自分自身の健康に問題があるから、と条件が整わない人はどうすればいいのか。親のことがかわいそうと思いながらも、皆それぞれのしがらみがあるのだ。そういう不安、罪悪感、悲哀とどう折り合いをつけていくのか考えてみたい。

そうそう、家で飼い主が帰って来るのを今か今かと
待っているペットがいる人とか