2014年6月19日木曜日

The Nordstrom Way

朝9時過ぎに家を出て血液検査と心電図をとってきた。技師の女性は私が持っていたバックを見て、I love your purse.(素敵なバックね)と言う。アメリカで初対面の人と話す時、こういう始まりが多い。お医者さんにもI love your necklace.と言われたりする。単なる会話のきっかけだが、これで気持ちはほぐれる。

今朝は事故が多く大渋滞

この技師さんはしかし話に夢中になり過ぎて、採血している時こぶしを開いてください、というタイミングを忘れたのではないだろうか。う〜ん、採血の時はこぶしをどこかの時点で開けって言われるよなあ、どこだっけと悩む。彼女は「そのバック、トリーバーチでしょ?私はトリーバーチの靴を4足持ってるけど、高いよね。でもすごく履き心地がいいから、やっぱり値段と履き心地は比例するよねえ。」などと話が止まらない。

検査が終わる頃には、彼女がフィリピンから21歳の時にアメリカに移住して、看護師になった。フィリピンで看護師をしていたから、アメリカでもう一度学校に行く必要はないけど、試験は受けないといけない。これは准看護師に関してだけど、正看護師はもっと大変な試験がある。などなど、彼女の今までの人生から、家族構成、好きな食べ物など全部把握してしまった。

ラボには予約なしで行く
「Nordstrom(ノードストロム)では時々25%オフになっているよ。」などという情報も教えてくれる。知っている。Nordstromは一番好きなお店で週に1度は行くからだ。というか、お店に通っているのではなく、ここのカフェが好きだからだ。開放的な明るいカフェで、おしゃれをしている女性を見ながらおいしいコーヒーを飲む。昨日も友人と行った。

コーヒーを飲んだあと、チラッとバックを見て帰ろうかと言ったのが運の尽き。マーク・ジェイコブスのバックを見つけてしまった。飛行機の中で使うのにパーフェクト。それも半額で88㌦。マーク・ジェイコブスは日本でも人気があるが、こちらでの正価の5割高ぐらいだ。今日買ったバックは多分日本では3万円以上するかもしれない。

本当に必要だろうか。飛行機に乗る時使うバックという理由で、同じようなバックはいくつも持っている。が、Nordstromの商品には返品期限がない。10年たっても返せるのだ。こういうカスタマー・サービスはThe Nordstrom Wayと呼ばれる。詳しくは知らないが、とにかく何でも返せる。店員さん(日本人)に以前聞いたところでは、アメリカの女性は友人と一緒にショッピングに来て、いいところを見せるために高いものを買うのだそうだ。そして、そのあと一人で来て返品する。

Nordstrom Cafe
私はそんなことはしないが、それでも返品はよくする。以前書いたことがあるが、お店の人が「一旦買って帰って、ゆっくりと考えたら?」と、とにかく一度家に持って帰ることを薦めるのだから。洋服やバックなどはその場で恋しても、家に持った帰って冷静になると恋が冷めることがある。だから返しに行く。

靴を2年履いたあと破れたので返品したという知り合いもいた。ズボン丈を仕立て直ししてもったあとでも勿論返品できる。これがThe Nordstrom Wayなのだから。

こういう返品期限付きのないお店は他にもある。Coach(コーチ)だ。レシートがあり、まだ売れるようなきれいな状態なら、永久に返品できるとお店の人に言われた。値札はついていなくてもいい。Forever(永久)と言う言葉を聞いた時はさすがに驚いた。

さてNordstromに戻るが、前出の日本人店員さんによれば、数年着たあとでThis is not my color.(この色私に似合わないみたい)と返品に来る人もいるそうだ。週末パーティに着て返品するのは当たり前、という女性も多い。それでどうやってお店が存続していくのかわからないが、Wikiによると全米で117店あるそうだ。

実は私も一度とんでもない返品をしたことがある。10年以上も前のことだ。身体にピッタリした茶色のズボンを買って帰ったのだが、家の鏡で見ると『メタボの岡っ引き』だ。とても不細工なのだが、履き心地が余りにも良い。半額で70㌦ぐらいだった。ここの洋服は生地が柔らかで高い。70㌦はお買い得なのだ。

果たして必要なのか
わからん
が、お買い得と言えども2年間値札がついたままなのだから、もはやお買い得とは言えないだろう。そのズボンが目に入るたびに暗い気持ちになる。ある日ふと考えた。値札がついているのだ。返品できるかもしれない。意を決してNordstromに持って行った。オドオドと『返品したいんですけど』と言うと、店員さんは別に驚きもせずに、ニコニコとすぐ返金してくれるではないか。日常茶飯事らしい。

こうして返せると思うから、洋服やバックを買って帰ってしまう。大半は返さないのだから、当然物が増える。洋服なんか何枚あっても、卒業式などいざという時着るのはいつも同じもの。姉が殆ど寝間着にしていたのをもらった。一番ラクチンな洋服。

貫頭衣