2014年5月18日日曜日

ハクナマタタ

さて、昨日の続き。ライオンキングに感動して、もう一度あの声が聞かずにはいられない姉、夫、私の3人で半年後またニューヨークに戻った。


実は、前回のニューヨーク旅行は帰りの飛行機が悪天候のためキャンセルになり、夜中の2時にまたタイムズスクエアにあるホテルにUターンしたのだ。2日後のフライトに乗れるということでホテルにもう2泊宿泊することになった。

大雨でフライトは全てキャンセルされた
天候がフライトキャンセルの原因の時、航空会社は旅行者がこうむる損害の一切を免責される。こちらはJFK空港からタイムズスクエアまでの往復交通費、2日間の滞在費もかかる。その上、姉は翌日サンフランシスコ空港から日本に帰る予定だった。これも変更料がかかる。旅行保険も延長手続きが必要だ。父も待っている。

が、これをポジティブに考えるのだ。ハクナマタタ。これはライオンキングの中で使われる言葉だが、スワヒリ語で『くよくよするな。』という意味なんだそうな。よし、ハクナマタタ。これはブロードウェイの舞台をもう少し見なさいという意味だろう、と考えることにする。では、何を見に行くか。ライオンキングはすばらしいが、もしかしたら他にもっとすばらしい舞台があるのかもしれない。

友人Mが言っていた。サンフランシスコに見に行った舞台、マンマミーアがとても良かったと。それならマンマミーアを見に行ってみよう。長時間行列に並んだ末チケットを取り、ホテルから歩いてすぐの劇場に行く。もう嬉しくて嬉しくて仕方ない。今回は観劇中食べるおやつも持って来た。

期待して行ったマンマミーア

ライオンキングに行った時はお腹がすいていた。劇場では色々なお菓子や食べ物が販売されている。が、ほしいものもなく空腹で観劇した。マンマミーアには準備万端で行くのだ。ブルーベリーチョコレートなら、音もしないしいいだろう。図らずもニューヨークにもう2日滞在することになったことを、目一杯楽しむのだ。

さて、そのマンマミーア。

個人的意見だが、高校の文化祭をちょっとマシにしたようなもの。という感想しかなかった。確かに歌唱力はすばらしい。が、ショーの構成、ストーリー、キャストが退屈だ。このチケットにあんなにお金を払ったのか、と思うと腹が立って仕方ない。ブルーベリーチョコレートをひたすら食べる。会場が総立ちして一緒に歌い踊るはずのラストシーンでも、半分の観客は座ったままだ。

悪いけどがっかりした

後ろの席から日本語が聞こえて来た。20代と思える男の子二人の会話だ。「ブロードウェイってこんなものなのかなあ。」「ライオンキングはどうかなあ。」「う〜ん。」と悩んでいる。

ガバッと後ろを振り向いて「是非、ライオンキングに行きなさい。おもしろいよ。」と教えてあげたい。が、おばさんが突然振り向いてそんなことを言ったら、この子たちはビビるよなあ。やめた。

それに、友人Mのようにライオンキングが好きじゃない、という人もいるのだ(この時点でそのことは知らなかった)。人の好みは千差万別。Mは「あんなものがおもしろいなんて信じられない。動物がお面つけて草持って歩くだけじゃない。ええ〜?あれがおもしろいのぉ?」と言う。こんな意見もあるのだ。

日々満席のライオンキング

後日姉の友人がタイでマンマミーアを観劇した。ブロードウェイとはあんなものか、とがっかりしていたらしい。姉は、『いえいえ違うよ、ブロードウェイの実力はあんなものではない。』と言ったらしいが、やはりマンマミーアが好きじゃないという人は少なくないのだろう。

ククク、やっぱりライオンキングに行くべきだった、と後悔しても遅い。翌日はもうサンノゼに帰るのだ。よし、リベンジしに帰って来るぞ。

というわけでリベンジをしに帰って来た半年後。今度はチケットを数ヶ月前に取った。2階席がある。2階ならキャストが降りて行くシーンも見られるし、舞台全体が見渡せる。よし、2階席を取ろう。

2度目のライオンキング
が、舞台は前回ほど迫力がなかった。2階席は音響が違ったのだ。1階席のように舞台と渾然一体という感動がない。少しがっかりした。勿論 Tshidi Manye の歌は同じようにすばらしいのだが。弦をふるわせるような『せつない音』。

でも、誰かの声に通じるものがあるな、としばし考える。

もしかして・・・

ま、まさか