2014年3月30日日曜日

葡萄棚

もう3月も殆ど終わり。京都では桜が咲き始めているようだ。姉から写真が送られて来た。

いつもランチを食べに行く御池通の桜が満開

こちらも春だ。今朝リビングルームのカーテンを開けてびっくりした。雨が続いたせいか庭が突然グリーンになっている。今日も小雨が降っている。

この庭。今友人でガーデンデザイナーでもあるマイクに、イングリッシュガーデン風の庭にしたい、と希望を伝えてデザインを頼んでいる。が、まずはリビングルームのドアを出た所にガーデン用家具を置きたいので、石部分を少し拡張したい。拡張部分の土台になる所にはセメントをもう入れてある。

が、これでは小さ過ぎる。もう少し拡げるとなれば、自分たちで建てたこのアーバーと呼ばれる東屋風の支柱を動かさないといけない。ということは長年楽しんで来た葡萄を切ってしまわないといけない。支柱に葡萄が絡まっているからだ。これは種無しのグリーンの葡萄で、実がなると本当にきれいだ。10年以上前に植えたのだが、この庭では一番気に入っている木なのに。

仕方ない、切るしかない。右側の支柱横には紫の葡萄が植えてある。これは娘さんを亡くした友人が、娘だと思ってほしいとプレゼントしてくれた葡萄だ。大事に大事に育てている。が、何故か蔓が伸びない。


右側の支柱だけを残してあとは全部壊してしまい、新たに作り直す。そして友人からプレゼントされた葡萄の蔓が伸びるように肥料を入れて、少しでも早くきれいな葡萄棚をまた作りたい。紫の葡萄が垂れている葡萄棚も美しいことだろう。4月は日本に行くが、ゴールデンウィークのあとこちらに帰って来たら、本格的に庭造りに精を出すことにしよう。

話は突然変わるが、来月は夫も日本に来る。父が楽しみに楽しみに待っているのだが、夫は何でもリサーチするのが大好きで、毎日家にいる間中iPadで色々と調べている。今日の嬉しい発見。


つまり、外国人には成田エクスプレスに1500円で乗れるという、新しいプログラムが今年の1月からできたそうだ。今までの半額になるということ。でかした、夫!

いつも車内はこういう状態ですからね
ガラガラの成田エクスプレス

2014年3月29日土曜日

TA

やっと晴れた金曜日。今の3クラスにも慣れて準備も楽になった。教えるのは楽しいが、それでも金曜日はホッとする。生活にリズムがあるのはいいものだなあ、とつくづく思う。

授業が終わったあと友人Yとランチを食べた。Yは夜アダルトスクールでもう長い間教えている。日本語補習校でも一緒に教えた仲間だが、Yは教務主任をしていて授業がとても上手だったので、よく見学に行ったものだ。

いつものカフェでランチ
Yと話していて気がついたのは、シリコンバレーで日本語を教えるのは多分日本で教師をするより楽だ、ということ。何故なら日本語クラスを取るような生徒は、比較的安定した家庭の子が多く、いい成績を取りたいと思っている。うちの息子たちを除いては、だが。

さて、今日はTAの話。TAというのはTeacher's Assistantの略で、例えば日本語クラスだと日本人の子がTAになるケースが多い。先生のアシスタントとして白板を消したり、プリントを配ったり、テストの採点をしたりする。ほぼ自動的にAを取得できるので、TAになりたい生徒は結構いる。


日本語クラスには2時限目と3時限目のクラスに1人ずつ、4時限目のクラスには3人もいる。4時限目のクラスのTAは3人とも日本人で日本語をしゃべって育った。うち2人は男子生徒で教壇にあるテーブルに座っている。そしてそのうち1人Hは毎日クラスが始まる頃、皆の真ん前でお弁当を食べ始める。それも日本のお弁当箱に箸箱までついている。

普通アメリカの高校では、日本の物を皆の前で食べる勇気がない子が多いのに、この子は全く気にならないようだ。得な性格だ。何かツルツルすすっている音がする事もある。食べ終わると箸箱にお箸を納める。

通勤バック

こういう子は生徒の中でも強烈に印象に残る。4時限目のクラスは去年教えたクラスなので、一応殆どの生徒は顔を覚えていた。が、印象のない生徒はいるもので、クラスに存在していたことすら全く記憶にない子もいるのだ。4時限目のクラス30人のうち強烈な個性を持つ生徒は数人いた。こういう子たちはすぐ名前も覚えられる。今は3クラスとも殆ど顔と名前が一致するようになったが、数人はどうしても覚えられない。

今日も3時限目のTAと話していた時びっくりした。この女生徒Cは去年私が教えたクラスにいたと言うのだ。1ヶ月近くも教えたクラスにCがいた?必死で思い出そうとしたが、完全に記憶から欠落している。こういう時一体どう言えばいいのか。全く覚えてないなんてとても言えない。

アメリカの高校生活は
この映画 Mean Girls そのまま

女生徒の中でも美人、特別頭が良い子、問題のある子、おしゃべりな子はしっかり覚えている。このCは今日一日中思い出そうと努力したが、やはり無理だ。影の薄い子の一人だったのだろう。

果たして自分はどうだったのだろう、と考えた。高校時代は、もしかしたら影の薄い生徒だったかもしれない。太っていて外見も地味だったし、底辺をウロウロする成績だったし、何もかもがおもしろくないと毎日思っていたので、フレンドリーでもなく明るい印象もなかったかもしれない。

大きな犬にもフレンドリーに挨拶するアプ
強烈な印象を残す?

2014年3月28日金曜日

ワードローブ

昨日も今日も朝から雨だ。でも小雨なのでアメリカの干ばつは引き続き深刻な状態。ただ肌寒い。


やっと3クラスの授業にも慣れて、準備の時間は余りかからなくなった。朝は7時半に起きてラジオ体操第一と第二。顔を洗ってお化粧をする。その一連の作業が終わるのが7時50分。それからコーヒーを入れて朝食。小さなベーグル一つだけではお腹がすくので、最近はフルーツや野菜を食べる。じゃないと、4時限目にはお腹がぐううう〜と鳴ったりする。

8時15分は20分になったら着替えを始める。家を出るのは8時40分だから20分はあるのだが、その間洋服を着ては脱ぎ着ては脱ぎ、で結局ぎりぎりになる。

結局白黒紺グレーばかり
まず、生徒たちに背中を向けて白板に板書するのだから、お尻が露になった洋服は着たくない。余り暗い色は着たくないが、何故か派手な色を着るのは気がひける。


だから、紺、グレー、黒、白のトップが殆どなのだが、ボトムはカジュアルなものしかない。ジーンズをはいていくのは金曜日ならいいだろうが、毎日は気がひける。ボトムは黒系のパンツが多い。黒のトップとボトムを合わせるわけにはいかない。このトップは明るい色だが短い。など考えながら着たり脱いだりしているうちに、時間が過ぎてしまう。


結局イメージ的には同じものばかり着ている。勿論自分の中では微妙に違うが、人が見るといつも同じ洋服を着ている印象だろうなあ。それに毎朝鏡で自分の姿を見てがっかりする。地味なおばあさんが必死でオシャレをして出かけようとしているが、魅力も何もないただのばあさんだ。なのに、色々と着替えては『これにするか、あれにするか。』と考えている。

今朝などハッと気がついて時計を見たら8時43分だった。いくら授業は8時59分から始まるとはいえ、生徒たちは1時限目が8時53分に終わるので、早い子は8時54分には教室に来る。それまでには行っていないといけないだろう。

ちょっと違うか


それにしても日本語2と日本語4のクラスの生徒たちの日本語力の差は大きい。日本語4の生徒の中には、去年教えた時『この子はこのクラスで生き残れるのだろうか。』と心配した生徒も結構いる。しみじみとよくここまで来たね、とほめてあげたい。

この日本語4の30人の生徒がかわいくてかわいくて仕方ない。あと1週間ちょっとでお別れなのが本当につらい。今日は3クラスとも漢字クイズをしたのだが、生徒の中にはクイズのあと、間違った所を色々な理由をつけて正解にしてほしい、と交渉してくる生徒もいる。が、ダメと言うとあっさりと引き下がる。それがまたかわいい。

アメリカでは大きなテスト以外はクイズと呼ばれる。日本語を教える時は、漢字クイズと単語クイズをする。それから言葉がどう変換するか、などを答えさせるクイズなども混ぜる。来週金曜日に2週間の集大成。チャプターテストをする。それまでに遅れのある子を個人指導してでも、どうにか追いつかせたい。日本語をずっと好きでいてほしい。

今日一番嬉しかったこと
オフィスでマーカーを7本ももらった!

2014年3月26日水曜日

ショートデー

サンノゼの初夏は続いている。が、朝は寒い。8時59分からの授業のためには8時45分に家を出れば間に合うが、まだ教室の鍵をもらっていないので毎朝オフィスに『教室を開けてください』と頼みに行かないといけない。だから8時40分に家を出る。

はなみずきが咲いた
8時45分に着いてオフィスに寄っても教室には8時50分に入れる。生徒が来るまでには充分準備をする時間がある。が、今朝は8時45分に駐車場に車を停めると生徒たちがぞろぞろと歩いている。2時限目のクラスに移動しているのだ。一瞬固まってしまう。なんで?

そうだ!今日は火曜日だ。時間割が違う。普段は1時限が58分だが、今日は49分のショートデーと呼ばれる日なのだ。しまった。生徒たちは皆鍵のかかった教室の前に立っている。

火曜日だけは8:50から
それも昨日今日明日は大事な日だ。教育委員会からなのか、大学からなのかわからないけど、とにかく何人もの人たちが高校を見に来て、高校を評価する日なのだそうだ。この評価は内申書に大きな影響を与える。

つまり、私が勤めている高校(息子たちが通った高校)のレベルが査定されるのだ。偏差値にこの評価が加点されて決まるようだ。これによって、この高校で4.0のGPAを修めた場合、どれほどの価値があるのかと判断の基準になるようだ。

冷や汗ものだ。オフィスに走って行って鍵を開けてください、と頼んだ。遅刻したことに対して受付スタッフが『呆れた』というように目をむいて大きくため息をつく。失敗失敗。

このドアの前に生徒が25人
しびれを切らして待っていた
トホホ
初日に比べると昨日は余りいい授業ができたとは思えなかった。授業の成功は『何を習うのか』ということをはっきりさせることにかかっている、と書いた。が、昨日はうまく導入できなかった。

今までは『(本を)読みます』というようないわゆるlong formという動詞を使っていたのだが、第8課では『読む』というshort formを習った。これは色々なシチュエーションで使われる。
  • 友人同士などで話す時。つまりカジュアルな会話で使われる。
  • 『〜と思います』『〜と言っていました』という構文で使われる。
  • 否定形で何かをリクエストする時『読まないでください』など。
  • 『〜するのが好きです』『〜するのが上手です』という構文で使われる。
ピーツで予習する・・・
つもりが、
最近はまっている『カリフォルニアのばあさんブログ』ばかり読んでいた
ところでこのグラノーラスコーンがおいしい!

ピーツのあとはお隣のWhole Foodsに行った
野菜の種類が豊富なのは日本と同じなのだろうが
こういうディスプレイはそそられる

動詞の場合は辞書に載っている形と同じ、つまりdictionary formだが、形容詞や名詞は気をつけないといけない。例えば形容詞でも『かわいい』のようなイ形容詞はshort formとしてそのまま使われるが、『きれい』はそのままでは使われない。こちらの方は『ナ形容詞』と呼ばれて名詞と同じように機能する。『きれいだと思います』というように。

動詞だけにshort formがあるのではない。この部分をはっきりさせなかった。だから、生徒たちは混乱している。え?short formってdictionary formのこと?と隣の子に聞いている生徒の声が聞こえた。そうだ、まずは導入に時間をかけてこれから学習することを明確にすることが大事なのに、ついつい動詞のshort formだけを先走って説明してしまった。

だから今日はshort formとはどんなものか、どういう時に使われるかを説明したあと、何度も何度も使い方を練習した。すると今度は生徒たちはあちこちであくびをしている。しまった。今度は退屈になったか。

なので、ここで眠気覚ましのとっておきの話を一つする。一気に生徒たちは目が覚めたようで話に加わってくる。良かった。これでどうにか今日はshort formを理解してもらえそうだ。

眠気覚ましに何を話したのか?

教室の一番後ろから教壇を見たところ
スミマセン、忘れました。

2014年3月22日土曜日

OMG!

さて、授業が始まる。2時限目のクラスは8時59分からだ。高校は家から車で5分のところにあるので、8時45分に家を出れば教室に入って準備する時間もある。楽勝の通勤だ。

が、今朝は8時半に家を出てオフィスで教室の鍵、日本語の先生から託されたワークシートなどを受け取る。去年代講した時はワークシートやテストがなかったので、自分で作るのに多大な時間を要した。これを受け取っておくとかなり準備が楽になる。

教室に入り書類を見て青ざめる。日本語4の方は第16課のワークシートやテストが入っているではないか。確か電話で話した時先生は17課と言った。もしかしてこれから2週間教えるのは16課?夕べ友人Oと泣く泣く別れて早く帰宅して予習した17課ではなく?

シーンとした静寂の中で、冷や汗をかきながら初めて見る16課を教えるわけ?などと考えていたら、12月に家庭教師をした時の生徒ジュリーが教室に入って来る。私が代講をすると噂を聞いて挨拶に来てくれたのだということ。でも自分はもう日本語のクラスは取ってないけど、と満面の笑みを浮かべている。12月のジュリーの状態ではパスするのは無理だったが、別に気にもしていないようで安堵する。

まさにこれ

さて新しい教師が教室にいる時、生徒たちはその教師に少しの好奇心、不安を持つ。それが表情に表れている。特にこのクラスにいる生徒たちには、先生の存在は代講であっても大きな意味を持つ。日本語クラスは大学のクラスなのでダブルクレジット、つまり高校のクラスなら1年2学期で5単位を取得するが、このクラスでは10単位を取得する。

カリフォルニアの高校に通う生徒たちはUCと呼ばれる州立大学を第一希望とする子が多い。これはUniversity of Californiaの略でカリフォルニア大学は10校ある。バークレー、デイビス、サンタクルーズ、サンタバーバラ、リバーサイド、アーバイン、ロサンジェルス、サンディエゴ、マーセドだ(サンフランシスコ校は大学院のみ)。


カリフォルニアの高校に入学すると、オリエンテーションではまずUC入学を目指して何が必要かという説明がある。大学の合格基準は高校で修める成績(GPA)、ボランティアなどでどれだけ地域に貢献したか、高校在学中に何を達成したか、全国共通テストSAT、そして論文だ。特に注目されるのはGPA。UCに合格するにはこれが最低でも3.0必要だ。が、これは大学が定める基本的なラインで、大学によって違うが実際には最低でも3.4以上は必要だ。つまりB平均ではUCに合格できないというのが高校生の共通理解だろう。

ダブルクレジットの日本語クラスでAを取得する、というのは生徒たちにとっては死活問題だ。以前このクラスで学期末、総合79点の成績でC+をつけた生徒が目の前で泣き始めたことがある。これには参った。が、この生徒に取っては未来が剥奪された瞬間だったのだろう。少なくともこの子はそう感じたのだろう。泣きじゃくる生徒を前に途方に暮れたことがある。

生徒がいい成績を取るには、教師の教え方も重要だしそのための日々の努力はかかせない。いかにしてすんなりと新しい文法を導入し、興味を持たせ、今まで学習したことに繋いで行くか。責任は重大だ。


クラスクラウンというピエロになってくれる生徒が一人いれば、皆発言しやすくなる。教師というのは生徒を集団で見るから、一人一人の個性がよくわかる。嫌われる子、いじめられる子、好かれる子、親にウソをつく子、異性に人気のある子などなど見えて来るのだ。

2時限目のクラスには最前列に座っている男子Cがクラウンだ。合方として充分使える。授業は今までの復習から始めた。Te-formだ。行って、見て、食べて、などを使って作文ができるかどうか少しずつ復習する。やはり『て』がまだちゃんと使えない子が多い。クラウンCがTe-formの歌をうたってくれる。クラスの雰囲気はどんどんほぐれていき、皆ちゃんと発言する。よし、このクラスはうまく行くぞ。

3時限目は静かなクラスだ。復習の間も皆シーンとしている。が、見つけた。ニヤニヤ笑いをする男の子Aだ。隣の席のJと仲良しコンビらしい。Aはハンサムで陽気。つまり女の子にモテるタイプだ。Aがニヤニヤしながら発言すると、周囲の女の子がさざめく。よし、このA+Jコンビを使えばクラスに活気が出る。このクラスも大丈夫。

4時限目は問題の2年目クラス。が、このクラスは去年日本語2で教えた生徒ばかりなので、皆が歓迎してくれた。まずは自分の名前を覚えてくれているか、と皆が質問する。実は覚えているのはハンサムで明るいクラスクラウンだったA(こちらも頭文字はA)だけだ。必死で記憶をたぐり寄せるが他の子たちは誰も思い出せない。ハンサムな子を見て嬉しそうにする女生徒と同じレベルか?いやいや、クラウンは記憶に深く刻まれるものなのだ。

あれから1年たったけど皆日本語はかなりできるようになった?自分のレベルを客観的に見て5段階の何か教えてくれる?と5段階を板書する。まず一番下に5と書いた。5 Very wellそして上に向かっていくに従って数字は減って行く。4 Well、3 so-so、 2 badと書いていると、皆が自分は3だ、とか4だ、とか言う。1OMG!と書いたら生徒たちは爆笑した。

こんな感じ


OMGというのはオーマイゴッドの略で、イメージ的にはこういう感じ。☞このクラスは乗り乗りだ。16課だろうが17課だろうが大丈夫。それにラッキーにも16課は去年の代講で教えた所だ。一度教えているから生徒はどこでつまずくか、もわかっている。授業の進行の仕方はわかっている。

この課では『〜あげます、〜くれます、〜もらいます。』をまず習う。これは例えば『病院に連れて行ってあげます。』というような使い方を教えるのだが、生徒たちの中には『くれます』『もらいます』で混乱する子が多い。だから、『あげます』をじっくり教えたあと『くれます』に移行する。『もらいます』は『あげます、くれます』が完全に理解できてから始めないといけない。

まずこれを見てください、とメアリーさんがお風呂に入っている絵を白板に貼ると男子生徒たちが大喜び。そんなにも幼稚だったか?高校生、とびっくりする。まあ、それもそうだ。この子たちはまだ15歳〜17歳なのだ。


お風呂に長く入り過ぎたせいか、メアリーさんは風邪をひきました。I will take Mary to the hospital.を和訳できる人、と聞くと何人かが挙手する。メアリーさんを病院に連れて行きます。と訳す。

さあ、今日習うのは誰かのために何かをしてあげる時に使う言い方、この場合だと『連れて行ってあげます』ですよ、と使い方を導入する。皆過去1週間を振り返ってください、友人、家族、など周囲の人のために何かをしてあげましたか?と聞いた。数人が答える。それを『〜あげました。』を使って変換させる。他の生徒に今度は三人称で変換させる。

高校生を教えるのはアダルトスクールで社会人を教えるのとは違う喜びがある。高校生はまだまだ子供なのだ。日本語クラスには大学生も数人いるが、大学生と高校生の成熟度の差は大きい。だから幼稚な高校生はかわいい。2週間みっちり教えるぞ!

私的には毎朝こういう気分

2014年3月21日金曜日

聴覚医とシミュレーション

久しぶりに地元の高校での代講をする。明日から毎日3時限のクラスを2週間、11日間の代講だ。1年ぶりなので緊張する。

今日は午後聴覚医に会った。昨日主治医である内科医に行き、時々耳が詰まった感じがするのと、夜寝る時に時々ピーッという音がかすかに聞こえるのが気になることを訴えた。2ヶ月前に煙探知機のバッテリーが切れて大音響で鳴った。その時スイッチを切ろうとしてそばまで行ったら耳が痛くなるほどの音だった。


まあ、今アレルギーで一日中鼻をかんでいるので、その事に関係しているとは思うのだが。内科医はすぐ専門医を紹介してくれる人で、聴覚医のもとで検査を受けてほしいと紹介状をオンラインで送ってくれた。

40分にわたる検査の結果はノーマル。ただ右耳の中耳に少しダメージがあるということ。これが年齢によるものかどうか、一応確認しておきたい、ということで聴覚医が耳鼻科医に紹介状を送ってくれた。そのまま耳鼻科に行って来週の予約を取る。

聴力を調べる器械

紀伊国屋で指導書を買い、予習したあとは友人Yのうちにお邪魔した。共通の友人Oが日本から夫婦で旅行に来ているのだ。以前そう親しくしていたわけでもないが、25年ぶりに会うOは今有料老人ホームで介護士をしているということで、話が合って二人でしゃべりまくった。横浜に住んでいるOとの再会を約束して、明日の準備をするために1時間でおいとまする。

今回の代講は去年と同じく、9時からの2時限目と10時からの3時限目がJAPANESE 2。11時過ぎから12時過ぎまでの4時限目がJAPANESE 4だ。日本語のクラスは1年目の前期、後期、そして2年目の前期、後期とありJAPANESE 1、2、3、4と進んで行く。日本語4クラスにいるのはは去年日本語2を教えた生徒たちだ。

日本語1年目のクラスはお遊び半分の子もいるので往々にして騒がしい。以前書いたが言語のクラスは適度に騒がしい方がいい。余りに静かなクラスだと生徒たちは発言しにくくなるので、教えにくい。皆で習った言葉を言い合って、自分の考えを発言し合ってわいわいと進行して行く方がいい。というのがアダルトスクールや日本語補習校で教えている友人Yと私の共通意見だ。


2年目のクラスは1年目でパスしなかった子たちが淘汰されていくので、真剣に授業を受けている子が殆どだ。去年の日本語4のクラスがそうだった。私のような経験の乏しい教師にとってこれはやりにくい。シーンとしたクラスで授業を滞りなく進行させないといけないし、『間』というものが取りにくい。

明日から通う高校
とにかく新しい課への導入の仕方、そして新しい文法にどうつないで行くか、興味を途切れさせないようにするかを予習でシミュレーションする。それでも授業が思った通りに運ばなくて失敗することはある。このクラスの先生からは日本語2は『げんき』というテキストの第8課から、日本語4は第17課から、と聞いている。両方をシミュレーションするのだ。

もっともっと話したかった友人Oと泣く泣く別れて帰宅して2時間ほど用意した。久しぶりに頭を使ったせいかものすごい睡魔が襲って来て、11時半には寝た。

しかし実際は思いもしなかった展開になるのでした
明日に続く・・・

2014年3月18日火曜日

膝蓋骨脱臼

友人Kは大型犬を飼っている。確か今10歳ぐらいになるチャウとジャーマンシェパードなどのミックスで、かなり大きな犬だが甘えん坊らしい。Kはその犬との別れの日のことを考えるだけで、今から泣くそうだ。

フローリングは滑るので
カーペットブロックを敷いた
その気持ちが最近わかるようになった。アプが死んでしまうことを考えると涙が出る。いや、アプが嬉しそうに走っている姿を見るだけで目の奥がツーンとなる。なにしろアプは活発な犬だ。じっとしていない。いつもいつも遊んでほしいとオモチャを持って来て待っている。

トレーナーに預けた日のアプ

公園で他の犬を見ると一緒に遊びたくて襲いかかる。二本足立ちで観察する。そばに行きたくてキュンキュン鳴く。社会性を持たせないと、と姉が人間や犬と遊ばせた。その甲斐はあった。とにかく犬の幼稚園でもどこでも、皆で遊ぶのが大好きだ。

公園に連れて行くと全速力で走り回る。走って跳んでいる時の笑顔は本当にかわいい。その笑顔を見るだけで涙が出る。








アプは天衣無縫、天真爛漫、一切の悪意がないのだ。Kは飼っている犬のことを『気のいい奴』と言う。アプも気のいい奴なのだ。

アプはいつも笑顔

そのアプが散歩の時左後ろ足を時々スキップしているのに姉が気がついた。かかりつけの獣医は何でもないと言ってくれたが、やっぱり心配した姉が形成外科専門の獣医に診てもらいたいと言うので、先週の木曜日一緒に連れて行った。

診察台の上で姉を見るアプ
所見では膝蓋骨脱臼だということだった。それも両足ともだ。レントゲン写真を撮ってその診断は確実になった。手術が必要だということ。手術はかわいそうだが40分で終わる。それよりも大変なのは、術後6週間安静にしないといけないことだ。説明書のその部分を見た時は失神しそうになった。

6週間!!あの一時もじっとしていないアプをケージに入れて6週間安静にさせる?

骨の成長が終わる前に手術が望ましいということで、とりあえず4月22日に手術、25日に退院ということになった。姉はその事を考えただけでストレスがピークになり、セカンドオピニオンを聞くために、避妊手術をしてくれた獣医に連れて行った。


その獣医は『手術をしないというオプションもある、その場合跳ばせない、滑らせない、二本足立ちさせない、サークルは屋根を付ける。顔を舐めるのも二本足立ちになるのでやめさせる。部屋でボール遊びはしない。とにかく膝に負担をかけない。しかし筋肉を付ける運動は必要。』と言う。つまりアプの大好きなことを全てさせないということだ。
つまりフェンスの上にこういう風に屋根をつけるのだ

最初に手術を提案した医者は信用のある優秀な獣医だとセカンドオピニオンをくれた医者も言うので、手術はやはりしないといけないのかもしれない。姉はアプをサードオピニオンをもらうために、もう一人の獣医の元に今週末連れて行く。アプが幸せでいられるために万全を尽くし、あとで後悔しないようにするためだ。

アプは甘やかされているのだろうか。そんなことはない。

アプのベットに湯たんぽは3つ置くけど?

2014年3月16日日曜日

突然、夏

サンノゼは初夏だった。今日の最高気温は24度。明日は26度という予報だ。日本ではダウンコートが最後まで必要だったのに、なんという違い。体調への不安が一気になくなる。

サンフランシスコ空港の近く
日本で体調が悪くなった時不安になるのは、日本での医療保険がないからだ。それに加えて両親が医療機関で受診した際の対応の悪さを経験しているからだ。アメリカから帰国して日本で生活している友人たちの多くは、日米の病院の違いや親を日本の病院で死なせたことの無念さを嘆く。

とはいえ、予防医学は日本の方が信頼できる。欧米でも漢方が注目され始めた。早くこちらでも漢方の知識を取り入れた医療機関が増えることを望む。

また成田に帰って来た
特にそれを強く感じたのは成田空港でマッサージを受けた時だ。今回はいつものゲート前ラフィネに空きがなく、セキュリティーを通過する前のエリアにあるお店を予約した。やはりセキュリティーと出国審査が終わったあとで、マッサージを受けたいのは皆同じらしい。こちらのお店の方はすぐ予約が取れたのだが、これが幸いした。自分の身体の状態がかなり把握できたからだ。

今回スーツケースは21.4㌔
今回のマッサージ師である今野さんは、マッサージを始めた途端『すごいですねえ。体中パンパンです。60分でほぐれるかどうか。次回は80分コースにした方が良さそうですね。』とびっくりする。とにかく背中、足、肩、腕と全てカチカチになっているそうだ。

特に腰はぎっくり腰になる寸前だということだった。それは感じていた。最近腰がどうもギシギシするので気をつけていた。今野さんによると一度ぎっくり腰にかかると癖になって大変だそうだ。だから、防ぐことが大事だということ。

そのためには内転筋を鍛えること。腿の内側にある筋肉だ。これを鍛えることで腰、その上に乗っている背中、肩、腕と全てが整って来る。今の状態では身体の不調を感じるだろうし、胃も弱っているだろうということ。内臓の周りも筋肉だからだ。ひいては免疫力が低下して病気にかかりやすくなる。

また、右側の股関節がしっかり廻っていないということ。これは今までにも何度か言われた。こういうことが全体の不調につながるとは思いもしなかった。

これが内転筋

今野さんは『ストレッチをしてください。』と言う。ストレッチをして身体を柔軟にすることで、こういう問題は解決していくということだ。筋トレしなくていいんです。両足にボールをはさんで締め付けるというような運動でいいんです、と。

5時頃混雑する
セキュリティ
ストレッチを始めることを約束して、ほぐれた身体でセキュリティに行くと大行列だった。飛行機も満席。このところ楽なフライトが多かったが、今日のフライトは2時間過ぎた辺りからつらかった。8時間半のフライトがとても長く感じられる。

が、無事サンフランシスコ空港に着いた。ハンドバックに化粧品が入っていることを確認して飛行機を降りた。日本では父、気候、家の状態、そしてアプに関する新たな問題(後日詳しく書く予定)からのストレスがあった。こちらでは・・・
あった、ストレス
日本では完全に忘れていた飛蚊症