2013年12月3日火曜日

童謡カルタ

火曜日だ。わいわい広場だ。朝9時に家を出てホームに向かう。朝はやはり歩くのも気持ちいい。

朝の道は清々しい
父を車椅子に載せて1階に降りることにした。廊下に何台か停めてある車椅子を取りに行っていると、背後から父の「車椅子はどこにあるの!」と険しい声が聞こえて来る。車椅子にすぐ座りたい父が苛ついている声だ。心底ムカつく。

エレベーターで1階に降りる。一番乗りなので輪の一番前列に父は座る。集まる人たちは80%が女性だ。今日の参加者は全部で25人というところか。輪から少し離れた所に座って見学していると、始まった途端に父の「娘はどこですか。」とエラそうに言う声が聞こえて来た。

すぐ行くと「足が熱い。」と険しい顔をしている。先生は最初のイントロを中断して待っていてくれる。ソックスを脱いでみたら?と父の前に跪いてソックスを脱がせる。

父は決してカーテンを開けない
後ろの席に戻って先生のイントロが続行し始めた途端、父がまた「寒い!ソックスを脱いだら寒い!」と自分がすぐ面倒見てもらえるのが当たり前、というような苛ついた声を出す。

自分の体調のためなら会を中断させても平気、人に迷惑がかかっていることも全く頓着していない父に対しての腹立ちで頭がクラクラする。また跪いてソックスをはかせて後ろの席に戻って見学する。

今日は運動のあと『童謡カルタ』の遊びが始まった。童謡の途中から歌って、イントロ部分を思い出して歌うという遊びだ。『そ〜よ、母さんもながいのよ〜』という歌をうたいながら、象の絵のカルタを先生が掲げる。さて、長いのはなんでしたか?と先生が聞く。


女性入居者の声がする。「チチ・・・やったかな。」先生が笑いながら「乳ではないですねえ。」と言うと、他の女性が「足と違うやろか。」と言う。和気あいあいだ。本当にうらやましく感じる。父がこういう穏やかな性質だったら、安心してホームに任せることができる。時々会いに行ってあげれば大丈夫だろう。

父のわがままに付き合うのは大変だ。目の前が真っ暗になるほど腹が立つことも多い。なのに、大きな声で童謡を歌う父の声を聞いていると、生きている限りできるだけのことをしてあげないといけない、と思ってしまう。
JR駅そばの橋から見た景色
紅葉がきれい