2013年5月31日金曜日

フローリング工事

火曜日からフローリング工事が始まった。まずは家具を全部リビングルームに移す。1日目はキッチンのフローリングをはがすことが主な工事。今までのフローリングは強力な糊でつけられている。これをはがすには化学薬品を使うと簡単らしいが、その場合工事終了後48時間は家に入ることができない。当然人体にも悪影響があるだろう。今回は削岩機を使って一枚一枚はがすということで良かった。


まず板に垂直に鋸で切れ目を入れて、8センチ角ぐらいの細かい正方形にする。そしてそれを1枚1枚削岩機ではがしていく。これはかなり時間がかかる。切る時の騒音もすごい。




この板をはがす作業は大変なものなのだろう。削岩機の部品が壊れてしまった。そういう時のためのスペアも壊れてしまったので、3時に3人の男たちは帰って行く。


2日目水曜日は朝9時に4人が来る。まず1人が最初に残ったフローリングをはがす。あとの3人はリビングルームに詰め込んでいた家具を裏庭に移動する。

この日は朝から曇り空なので、雨が降った時のために家具を全部カバーする。カバーしたからと言って安心できない。極薄のナイロン素材は風がふくと飛んで行ってしまいそうだ。ソファだけはその上からタープでカバーする。


工事1日目に、隣人たちにあらかじめ騒音のことを断っておいた。表に停まったトラックを見て、どんな改装をしているのか興味を持つ隣人がどんどん訪ねて来る。この日の朝は隣のメアリーが来た。

久しぶりねえ、とフルメイクのメアリーは私の顔をしげしげと眺める。ああ、スッピンだった。どの隣人が来た時もいつもスッピンだった。朝起きたらちょっとお化粧でもしておかないといけないな、と思う。

メアリーはロスガトスというおしゃれな街で、フランス料理のレストランを夫婦で営むイラン人。インテリアに関してはすばらしいセンスを持っている。改装が終わったらまた見に来るということなので、緊張する。

空になったリビングルームに3人がフローリングを敷き始める。作業は6時間で終わった。

オフホワイトのカーペットと、焦げ茶のフローリングでは印象がかなり違う

キッチンの床を平にするために、薄くセメントを流しておしまい。今日もキッチンがまた使えない。夕食はWhole Foodsでお惣菜を買って来て食べる。


夜はリビングルームにソファをセットアップして、野球を観る。今日は次男が会社の同僚たち13人と一緒に観戦に行っている。が、ジャイアンツは9−6で負けた。



リビングルームはなかなか良い空間になったと思うが、一つだけ気に入らない部分があった。サッシのドアとの境部分。安っぽい。




さて、3日目の今日木曜日は9時半始まり。今朝は洗顔後一応マスカラだけつける。しかし誰も来ない。

Bullnoseと呼ばれる角に丸みを帯びさせた木を、階段の端につける。その継ぎ目はどこがいいですか、と聞かれる。それを見てびっくり。色が違う上に安っぽい。これプラスチックですか?と聞くと、いえいえ、本物の木ですよ、という返事。ただ、木だから色の濃淡は一定ではない、これはたまたま薄い色だったんですよ、と業者が言うが納得できない。


そういえばリビングルームのサッシとフローリングの境も気に入りません、こっちはプラスチックでしょう?と聞いた。こちらも、本物の木ですが他のものもあるので持って来ましょう、そっちの方が良かったら付け替えますということ。

階段の方は他に代わるものはないそうで、仕方ないのでそのままそれを使うことになった。とにかく今回はCostcoが中間に入っているので、最終的な仕上がりが気に入らない場合は全てやり直しします、という謳い文句が心強い。明日、責任者に階段を見に来てもらうことにした。100%満足ではないことを伝えて、何ができるか聞く。

とにかく全てすんだ。やっと今日からキッチンも使える。次はステンレスの電化製品を買い、キャビネットを白くする。それからランプシェードを新しくする、などなどプロジェクトのリストは長い。



家具を全てもとのところに戻してもらう。ふむ。やはり暗い色のフローリングに暗い色の家具は合わない。しかし家具を買い替えるつもりはない。暗い色の家具には白いカバーをしようかな、と考える。

いや、まずは壁を白く塗ろう。元々は白かった壁に、イチジククッキーという不思議な名前の色のペンキを塗ったのだ。


 いやいや、とりあえずこのオットマンのカバーを作るか。

2013年5月29日水曜日

アダルトスクール最終日

アダルトスクールの春学期は今日が最終日。授業が始まる15分前に到着したら、教室の
前にはもうピーターさんが立っていた。授業が終わる8時でもまだ明るいこのごろ、挨拶は『こんにちは』なのか、『こんばんは』なのか迷ってしまう。

「ピーターさん、早いですね。」と言うと「私の車が盗まれてしまったんですよ。だから、今日は息子に送って来てもらいました。」ということ。今朝起きたら、夕べ家の前に駐車していた車がなくなっていた。シビックなので盗んですぐ解体して部品を売っているんだと思う、と淡々と語るピーターさん。HONDAやTOYOTAは部品が高く売れるので、解体するために盗まれるということだ。

ピーターさんは15年前に車事故で10日間の昏睡状態に陥った。その時の医療費は25万㌦だったそうだ。つまり2500万円。その頃ならシリコンバレーでも家が一軒買える金額だ。アメリカでの破産の大多数は、医療費が払えないのが原因だ。ピーターさんの場合は、保険会社が全て払ってくれたそうだが。

今日は最終日なので、なるべく日本語で話しましょうということになったが、やはりまだまだ話せることは限られている。この日本語2のクラスで習ったことは、他動詞、形容詞、『もらう、あげる』の授受動詞の使い方が主だ。

今日は好きなことは何かを話し合う。韓国人のジェーンさんが、「私はねえ」と始める。『ねえ』をつけるとスムーズな日本語に聞こえるからおかしい。

「私はねえ、ダイソーでショッピングが好きです。ガーデン、キッチン、たくさん買います。」ということだった。こちらでは$ shop、ダラーショップと呼ばれるダイソー。日本語では何ですか、と聞かれる。百円ショップ、または百均 (hyakkin)と白板に書いた。これが受けて皆ひゃっきん、ひゃっきんと嬉しそうに繰り返す。ホントに何が受けるかわからない。

キット君は「アニメが好きです。週末にアニメのイベントに行きました。古い漫画をたくさん買いました。初音ミクのコンサートもありましたよ。」ということ。「初音ミクならコンサートを複数の場所で同時にできるからいいね。」と私が言うと、アニメ好きのキット君とダニーさんが爆笑する。ふむ、初音ミクの話になると二人ともニヤニヤ笑いをするのだ。何故?

初音ミクは日本でしか受け入れらないキャラクターか、と二人に聞く。ダニエルさんは、そう思うけどカリフォルニアでも受け入れられるかもしれない、とあごひげをなでる。初音ミクはデジタルキャラクターなんだ、と話してもジェーンさんとピーターさんはそのイメージがつかめないようだ。そうだろう。実際に目で見て初めて伝わるものだろうなあ、と思う。

最後に習ったのは電話のかけかたで、『もしもし、スミスさんのおたくですか。』という文だ。「これを『スミスさんはおたくですか。』と言うと全く意味が変わってしまうから、助詞に気をつけないといけませんよ。」と言うと、キット君とダニーさんがアハハハと笑う。ジェーンさんとピーターさんはやはり『???』という顔をしている。

父の状況が刻々と変化している今、9月からのクラスと1月からのクラスは引き受けることができない。来年の春また教えるかもしれません、それまでは代講に来ることもあると思うからその時会いましょう、とクラスを終える。5ヶ月一緒に勉強した生徒たちには絆を感じるので少し寂しい。

教室の外で皆と雑談して家に帰ると、ジェーンさんから電話があった。クラスは楽しかったです、お礼に韓国レストランでごちそうします、ということ。ありがとう、ごちそうにはならないけど、ご一緒しましょう、と応えた。最近はどんな人でもよく知る前に拒絶しないこと、と自分に言い聞かせているのだ。教室の中でのジェーンさんの発言を考えると少し不安はあるが、何でも試してみよう。


と思いながら、レストランのメニューをオンラインで見て『何がおいしそうかなあ。』と考える私は食いしん坊だな。やっぱり。

2013年5月28日火曜日

家電店巡り

日本では梅雨入りしたらしいが、こちらも久しぶりの曇り空。今日はまだ肌寒い。裏庭を見ると赤ちゃんウサギが枯れた芝生を食べている。隣にはもう1匹ウサギがいた。走り去るウサギのお尻がかわいい。裏庭の芝生は新しく入れ替える予定で、今枯れさせてしまっているが、ウサギにはまだおいしいらしい。


メモリアルデーセールをしているので、今日は家電店を廻って冷蔵庫、電子レンジ、オーブンを見ることにした。アメリカでは今人気なのが、ステンレスの家電。我が家のキッチンは冷蔵庫、オーブン2個、調理台、電子レンジ、食洗機とあるが、2年前に電子レンジ、調理台、食洗機だけはステンレスに替えた。


キャビネットを新しくするのは多分8月頃になるので、それまでに家電を新しくしないといけない。それに合わせてキャビネットを作ってもらうからだ。とにかくフローリングだけは、と思って始めた改装。それが雪だるま式にどんどんコストが膨らんで来た。預金を一つ、二つと崩しながらの改装だが、そんなことをしてもいいのか、と不安になる。


まず電子レンジとオーブンを買わないといけない。電子レンジは2年前に買ったばかりなのに、今回の改装では位置を移動するためサイズが合わないことがわかった。それで新しく買わないといけないのだ。


値段を見てぶっ飛ぶ。思っていた値段の3倍。しかし、高いのはや
はり質感が違う。見るともうダメだ。右の2つに比べて左の2つは高級感がある。左がほしくなった。

まあ、あとは換気扇と冷蔵庫さえ買えばいいのだから、と次は冷蔵庫を見る。またぶっ飛ぶ。こんなに高いのか。頭が痛くなって来た。それに冷蔵庫は200台ぐらいあるのだ。


冷蔵庫の次は換気扇を見る。これもものすごい種類があり、もう何がなんだかわからなく
なる。下の写真のような換気扇がほしいのだが、これに替えるためにはキャビネットを取り払わないといけない。そうすると壁部分にタイルを貼らないといけない。こうしてプロジェクトはどんどん大きくなって行く。


まあ、でもここで妥協するといつかまた改装したくなるかもしれないから、一気にするしかない。セールは今日までです、と言われるが、こういう高い買い物は絶対にその場ではきめてはいけないことを、長年の経験で学習した。

と、その時出口にあったこの調理台付きのオーブンに目が止まる。「こ、これは・・・」と目が釘付けになった。美しい。これ、ほしい。



このメーカーだけは絶対セールがないそうだ。本当だろうか。調理台も2年前に買ったばかりだから、新しく買うのはもったいない。しかし、しかし・・・。これ、ほしい。

値段を比べるために次のお店に行ってみた。同じものがあったが、やはりセールは絶対ないそうで同じ値段だった。ムムム、ほしい・・・

換気扇と調理台付きオーブンの比較的安いのを見てみる。うむ。悪くない。とはいえ、やはり目が釘付けになったのがどうしてもほしい。ほしい、ほしいと4度も繰り返すほどほしい。




頭を冷やすためにモールに行った。祝日の午後2時。駐車場はいっぱいだが、やっと停める所を見つける。いつものカフェに行ってコーヒーを飲む。そうだ、このモールにはWilliams Sonomaというお店がある。このお店は南仏のキッチンをイメージして作られていて、置いてあるものはセンスがいい。

そうそう、頭にあるのはこういうイメージ。白とステンレスを合わせたキッチン。そして黄色やグリーンを差し色として使った暖かい空間。




とにかく思ったよりも大規模な改装になりそうだ。後悔しないように、本や雑誌でしっかり調べて、何が自分のほしいものか把握しないといけない。頭の中を整理しないと。


ということで、次に向かったお店はBarnes & Nobleという本屋さん。ここはお店の中にスターバックスが入っていて、お店で売られている本や雑誌を読みながら、コーヒーを飲むことができる。このお店に行くのは4年ぶりぐらいだ。アマゾンができて以来本屋さんは軒並み潰れたが、このお店がまだ残っているのは嬉しかった。


雑誌や本も高いので1時間ぐらいかけて色々な雑誌に目を通す。なにしろインテリアの、それもキッチンの改装関係の雑誌だけで20種類ぐらいあるのだ。疲れてちょっと気分が悪くなって来た。なにしろコストのことを考えるだけで、頭が痛くなって来ていたのだから。

そういえば・・・

最初に行った冷蔵庫だけでも200台ある大型家電店。ここには何故かベットも売られていた。その理由がわかった。

値段を見てびっくりした客が、めまいを起こして倒れこむベットね

2013年5月27日月曜日

大掃除

明後日からの工事の前に家中を片付けている。キッチンのキャビネットの中もいらないものがたくさんあった。それを捨てて整理した。スペースができたので季節の物、普段使わない台所用品などをきれいに整理する。なんとまあいらないものが多かったことか。



その後リビングルームのカーテンを全部はずした。実はこのカーテンきちんと縫ってない。自分で作ったカーテンだが面倒になって裾などは切ったまま。それを折り曲げて使っていたのだ。じっくり見ないとわからないのをいいことに。



フローリング工事の際にカーテンがじゃまになる。それではずしたついでにこの際全部縫うことにした。それにしてもカーテンを取り払った部屋は随分広く見える。




このカーテン全部を縫い終わるのは、1年後ぐらいになりそうなのが怖い。いや、もしかしたら3年後ぐらいかもしれない。


その後裏庭の葡萄の木を剪定した。裏庭には英語でアーバー(arbor)と呼ばれる支柱を立てて作った、なんというか鳥居のようなものがある。

これは近所のイラン人家庭に8年ほど前に招待された時、裏庭に葡萄棚があるのを見て同じものがほしくなって作ったものだ。横に葡萄を植えたら、あっという間に蔓が伸びて、鳥居の上にまでぎっしりと葡萄ができるようになった。そのため鳥居が少し不安定になっていた。これもカーテンをはずしてじっくり裏庭を見たおかげ、というか。


結局鳥居の横にある白樺の木に蔓がどんどん巻き付いて行き、巨大になっているのだ。それで白樺の木を半分の高さで切った。重さも減ってかなりすっきりした。



これから大きくなる予定だった、かわいそうな葡萄ちゃん。☟


2013年5月24日金曜日

連鎖

アメリカではなんでも返品できる。友人はクロワッサン6個入り袋を買って、おいしくなかったから、と5個残った袋をお店に返品したそうだ。さすがにそれはちょっと・・・と思うが、まあとにかく何でも返品できると言える。


デパートで洋服を試着する。どうしようかなあ、と迷う。店員さんは「持って帰りなさい。帰って他の洋服と合わせてみて考えたら?それでやっぱりダメと思ったら、返品したらいいから。」と言う。持って帰りなさいと言われたからといって、別にただではない。勿論お金は払う。

例えばラグにしても然り。家に持って帰って敷いてみなさい。そうすれば他の家具と合うかどうかわかるでしょ?気に入らなかったら返せばいいから、と言われる。持って帰る。確かに家に置いてみると合わなくて、一度返品したことがある。

洋服にいたっては買っては返し、返金で次にまた買うということもよくある。キャッチ&リリースだ。お店によっては返品の期限がない所も結構ある。前述のクロワッサンの友人は、買って20年以上家に置いておいた電気器具を返したことがあるそうだ。

さて、フローリング。今工事を待っている。今回注文したのは複合フローリングと呼ばれるもので、無垢の木ではない。我が家はコンクリートの床なので、無垢の木は使えない。無垢の木は板の上にしか敷けないのだ。複合フローリングというのは、表面に突き板と呼ばれる薄く削った天然木が張ってある。それを糊でコンクリートにつける。この突き板は1〜3㍉の厚さがあり、厚さによって値段が決まる。1㍉未満の板では質感が落ちる。3㍉もあると高級感がぐっと増す。


しかし注文した木の色はあれで良かったか、木と木の間の溝が気になるのではないか、と色々心配になってきた。それでお店に行ってみた。違うものにするかもしれない、という前提で。

ちょうど箱が届いていたので一つ開けて見せてもらう。ショック。安っぽい。樹脂シートフローリングと見た目が変わらないようにも思える。樹脂シートには本物の木は一切使われてない。木目が印刷されたいわゆるビニールだ。最近はかなり進化していて、ちょっと見ただけでは天然木か樹脂かわからないので、樹脂シートを選ぶ人も多いそうだ。

しかし、天然ではないから木目が余りにもきれいに揃っている。よく見るとやはり本物の木ではないとわかる。それにやはり質感が違う。樹脂の数倍の金額を払うのなら、もっと高級感のあるものを期待していた。

樹脂シートフローリング

複合フローリング

無垢フローリング

そのことを営業マンに言った。もうちょっといいのはありませんか、と。色々見せてもらったが無垢の木でない限り多かれ少なかれ不満はある。どれも似たり寄ったりだ。

100%満足じゃないなら他のに変更することはできる、と営業マンは言ってくれるが、余りにもたくさんのフローリングを見たあとでは何が何かわからない。結局変更もなくすっきりしない気分で家に帰った。洋服や電気製品と違い、家の改装は工事が終わって気に入らないと思っても、返すことができない。これがどんどん不安になる原因だ。取り返しがつかない、という不安。いや、取り返しはつく。でも大変な金額を無駄にすることになる。

床に合わせたキャビネットの色は明るい
とにかく、このフローリングを選んでしまったのだから、楽しむしかない。工事がすんだら次はキャビネットを新しくしないといけない。今のキャビネットは薄い色のフローリングに合わせて選んだものだから、濃い色には合わない。今度はキャビネットの業者を探す。

Yelpというサイトがあり、近辺のお店や業者を評価するサイトだ。このサイトができてから、小さなお店は宣伝をしなくても良くなったそうだ。口コミでどんどん客が増えるからだ。このYelpで一番人気のキャビネットメーカーに行ってみた。サンノゼ空港のそばだ。



キャビネットは今塗られているニスを落として、新しくペンキを塗ってもらえばいいと思っていた。サイトに出ている料金表で計算してみた。どうにか払えそうだ。中に入るとキャビネットのサンプルがたくさんある。う〜ん、どれも気に入らない。こんなものなのか、とがっかりする。


出て来たオーナーに我がキッチンの写真を見せる。ふむ、これはキャビネットの扉のふち部分は無垢の木だが、真ん中部分は合板ですね、とすぐ診断が出る。え?そんなことはないでしょう、と思ったがやはり合板だった。無垢の木の扉はこんな感じですよ、と出して来てくれた扉に感動する。イメージ通りの色と質感。これはピューターという色。錫色ということだ。

グレーがかった白、ピューター

色はその家に応じて微妙に変化させられるということ。ただ、その前に換気扇、冷蔵庫、オーブン、電子レンジを全て新しいものに替えたいので、まずはそれらを選んでキッチンに取り付けてもらわないといけない。しかし、その4つの合計金額は大変なものだ。

オーナーは誠実そうな人で、時間をかけて少しずつ改装していったらいいんじゃないですか?と言う。改装というものは一旦始めると、ripple effect (連鎖反応)で次々にプロジェクトがふくらんでいく、それを一度にするのは大変ですよ、と。勿論だ。

キャビネットの見積もりをしてもらうには、実際に来て実物を見てもらわないといけない。大体いくらぐらいになりそうですか、と写真を見せると、大まかな見積もりは予想の5倍の金額だった。しかし、いいものを見るうちに、ペンキを塗っただけのものは安っぽく見え始めた。アメリカではKitchen sells the house.と言われる。つまり家が売れるかどうかはキッチンで決まる、ということだ。投資の価値はある。何よりもこれからまだ数年はここで生活するだろうし、その間毎日ワクワクしたい。

ずっとキッチンの扉を見て感動していたいが、そろそろ次男を空港に迎えに行かないといけない。金額にショックを受けながらも、新しいキッチンへの期待に胸をふくらませながらお店を出た。

さて、久しぶりに家で落ち着いて夕食を食べる次男のために、餃子、焼き肉、海老のサラダと切り干し大根を作った。


でもなあ。新しいキッチンになったら汚れるのがいやなので、使わんだろうな。

ドリームキッチン

2013年5月23日木曜日

リフォーム2日目とCT検査

今朝もケンは約束の時刻ピッタリに来て作業を始めてくれた。とにかくおしゃべりではないが、穏やかに話す人柄に好感が持てる。そして仕事も丁寧な上1時間35㌦という料金は価値がある。

昨日開けて電気工事をしたあとふさいだ壁を今日はきれいに直してくれた。この壁はtextured wallというちょっと壁に凹凸があるが、スポンジを使ってうまく作ってくれる。




全ての仕事が終わり、次のプロジェクトの相談をしたあとで、380㌦を支払う。電気工事を含んでこの料金は本当に悪くない。


ケンが仕事を終えて帰ったあと、今度はCT検査を受けるために家を出た。いつもの病院まで30分運転して、着いたのは予約10分前の2時50分。待合室はいっぱいだった。いつもの内科はガラガラなのに、このCTとMRIの待合室は患者が多い。


10分ほど待ったあとCT検査室前の廊下に座って3分ほど待たされた。




名前を呼ばれて検査室に入る。お医者さんに行くと時々不安になるのが、80歳ぐらいになって英語が段々聞き取れなくなった時、指示が理解できるのだろうか、ということ。それも具合の悪い時だと聞き取ろうという気力もないかもしれない。そんな時、アメリカで暮らせるのだろうか。

CTの台に寝てください、こちらが頭側です、と言われる。ちょっとボーッとしていたので、どちらが頭側かしっかり聞いていなかった。一瞬考える。しかし、考えてみればわかること。頭のスキャンをするのだから、頭が機械側に行くのはわかりきったことではないか。


良かった。反対に寝転ばなくて。いくらなんでもこれは笑い者だよなあ、とちゃんと頭が働いたことに、胸をなでおろす。いや、これは頭が働いたとは言えないか。

寝転ぶと寒い。何か質問はありますか、と聞かれて「毛布はありませんか。寒いんですけど。」と言うとここには毛布がない、すぐ終わるから、と言われる。


実際かかった時間は1分ぐらい。天井を見ると心を落ち着かせるための絵がある。ちょうどこんな感じ。日本でもこういう風に天井には絵があるんだろうか、と思っているとすぐ終わった。


「え?もう終わり。20秒ぐらいでしたね。」と言うと、検査技師も「そうよ、だから毛布はいらないと思ったんですよ。」と笑いながら言う。


その後韓国マーケットで漬け込んだ牛肉やキムチを買って高速道路に乗る。渋滞が始まっていたので時間をつぶすためにモールに行くことにした。いつものアップルストアの隣にあるカフェに行く。

パソコンを開くとメールが入っていた。お医者さんからだ。CT検査の結果だった。CTで見つかるような病気はない、とほぼ確信していたがやはり少し緊張する。こう書いてあった。



TECHNIQUE: Routine noncontrast head CT was performed.  
CTDI= 47.71 mGy 
DLP= 787.29 mGycm 
FINDINGS: The ventricles and sulci are appropriate size for the patient's stated 
age. No acute intracranial hemorrhage, mass-effect, midline shift, or pathologic 
extra-axial fluid collection is present. The visualized paranasal sinuses and 
mastoid air cells are clear. 

何のことか殆どわからない。ただ脳出血がない、というのだけはすぐわかった。そして悪いものは発見されてないというのもわかる。結論としてこう書いてあったので、問題はなかったとわかる。



IMPRESSION:  
1.   Negative exam. 

家に帰ってすぐ壁にペンキを塗った。




そしてスイッチとコンセントのカバーをつける。


完了。嬉しい。次は土曜日のフローリング工事だ。

パソコンを開けると医者からメールが来ていた。『脳精査は正常でした。あなたの症状をどう説明すればいいのかわからないけど、何も悪いことが起きてはいないと確信しています。希望があれば脳神経外科医を紹介します。』ということ。


脳神経外科医は必要ないと返信しようと思っている。その時海馬のことを聞こうかどうか、今迷っている。