2013年4月27日土曜日

父の外泊

父の外泊はお正月以来。昨日、金曜日の夕方4時から今日の夕方4時まで家に1泊した。


久しぶりなので父の好きな鰻重を伊勢丹で買って来た。関西風の鰻重は柔らかく蒸してあって、父の好きな食べ物。ホームの食べ物はおいしいかどうか聞いても、父は答えない。皆が食べているからあんなものだと思う、という返事。

父はどんな食べ物でも気にしない。娘たちにお金を1円でも多く遺してやりたいと思う気持ちは本当にエラいなあ、と思う。そのためには食べ物なんか気にしないようだ。久しぶりにビールでもついであげたい。が、父は体温調節ができなので、暑い暑いと言い始めるのが目に見える。かわいそうだがやめた。


家で皆で食べる夕食に父は本当に嬉しそうにしていた。しかし、父は家にいる間中温度計を見ている。朝は7時に下の部屋から「お〜い、お〜い。」という声が聞こえて来た。父の部屋に行くと寒い、温度が16度しかない、と言う。

床暖房とエアコン暖房をつけて鴨そばを作ってあげる。半纏を着た父が嬉しそうに食べる。父がくつろいでいる間に父の溜めていたゴミを捨てに焼却炉に行く予定にしていた。帰って来ると父はまだ寒いと言う。22度ないと寒いのに21.2度しかない。どうしたらいいのか、と温度計を持ってウロウロしている。

床暖房とエアコン暖房をキツくしてみる。しばらくすると今度は暑い、顔が火照る、座っていられないと言い始める父。これは身体がおかしいのか、それとも誰にでもあることなのか、と言い続ける。誰にでもあることだから心配しなくていい、と父に言い聞かせるとその時は納得するが、すぐまたおかしい、顔が火照ると冷たいタオルで顔を冷やし始める。

2時間以上父が話すことと言えば全て「暑い、寒い。」「温度計によるとこの部屋は暑い、寒い。」というようなことばかり。温度計を手から離さない父と話すだけで、頭がおかしくなりそうだ。でもこんなことでストレスを受けないようにしよう、と聞き流す。


午後4時に父をホームに送って行った時には疲れ切ってしまった。それでも父の部屋に置く革のゆったりした椅子を運び込まないといけない。全てが終わった時にはもう夕暮れだった。明日は冷蔵庫を探しに行かないといけない。

1時間ほど近所を散歩することにした。家のすぐ近くにある桃山城辺りまで歩く。閑静な住宅が立ち並び、姉とこんな家に住みたい、などと言いながら歩く。



一日中父のことで振り回された日だった。また夕方伊勢丹に行く。11階のレストラン街にある美々卯でゆり御膳を食べる。このところ外食が続いているが、父のことで疲れがたまっている時の唯一の楽しみは食べること。ま、いいでしょう。